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いいピアノを弾きたい

ベートーヴェン ピアノソナタ14番

2009年07月25日 | 音楽教室
いわゆる「月光ソナタ」として有名な曲です。
この曲はベートーヴェンのソナタの中で比較的弾きやすいと勘違いされてBGMみたいに弾いてしまう人が多くて そういう演奏を聴く度に「そんなんじゃないやい。」と心の中で叫んでいます。ベートーヴェンらしく!という表現があまりにも抽象的なので、使っても意味が通じないようですので、「楽譜をもっとよく読みこむことが大事」といいましょうか。表面のPPだけを守って音が抜けないようにだけ注意してさらりと進んでいく演奏は
読み込みが足りない うわべだけの安易な解釈だと思っています。
冒頭にsostenutoとあります。
これがクセモノでして 
tenuto・・音を保持して 
sostenuto・・音を保持して充分に 
という似たような説明をしていると音楽用語辞典があります。
しかしその両者は正反対の意味です。
・テヌートは「逃げないように引き留める」「梯子を押さえている」うるさくて眠れないときも 「騒音が私を眠れない状態に保った(テヌートした)」
それに対して
・ソステヌートは「下から支える」という意味「あの参加者はソステヌートされている」=「誰かのコネがある」学費を援助するも、ビタミンなどの栄養素も健康をソステヌートしている、友人を支える、橋は橋げたにソステヌート、近寄り難くえらそうな人もソステヌートな人!ですって。
下から支えるには緊張感や何倍もの集中力がいる。

・・・さて重要なのはこれを演奏に反映させるにはどうしたらいいのかということ。
月光ソナタに関して云えば①バスの動き、②分散和音、③ソ♯ーソ♯ソ♯ーーーの主題。(旋律)
この3種類の音量バランスは?フレーズはどこまで?中間部の上向して下降する音型は何を意味している?
考えて簡単に答えの出る問題ではありません。私もこれが正解ですなんて云えません。他の作品や前後のソナタとの系列も巨匠たちの演奏も多いに参考になると思います。
でも演奏を聴くとA「そんなこと考えもしませんでした。」という演奏かB「考えて考えてこれを選択しました」という演奏かどうかはわかります。

いろいろ考えてこういう演奏を選択した時、それが結局ひとりひとりの『ベートーヴェンらしさ』といえると思います。32曲の中で1番緊張感と集中力を要する1楽章です。ベートーヴェンが付けたのではないのに「月光」というタイトルが先行していますが、ただ美しいだけの曲ではないと思います。


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