エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■28■「出雲の神」

2018年01月20日 | エルソル大阪物語

■28■


「職員研修旅行」、
簡単にいうと慰安旅行です。
1泊2日の山陰旅行でした。

大型バスには年増のバスガイドがつきました。

ガイド「温泉マークの3つの湯気は3回入れという印しですよ~」
   「3回入ってくださいね~」
   「これから向かう出雲大社は縁結びの神様です」
   「おみくじを引いたあと、恋人がいない人は【マツ】の木に・・」
   「既に恋人がいる人は【スギ】の木に、結んでみてください」
   「え~、お兄さんはどちらの木に結ばれますか?」

車酔い防止のため最前列に座っていた古尾先生に質問がとびました。

古尾先生「・・・・、あの~本当に答えたほうがいいのでしょうか?」

車内に笑い。

 ガイド「出来れば・・」

古尾先生「・・・・マツ、かな・・」

 ガイド「マツの木ですか?」

古尾先生「さようでございます」

 ガイド「あの~、どうして一人だけスーツなんでしょうか?」

古尾先生「・・・・あの、特に私だけいじらずに、」
    「他のみなさんにも質問されたほうが・・」

 ガイド「スミマセン、とても気になるんで・・」

ガイドと古尾先生の微妙なやりとりは、マイクを通すとさらに面白味が増しました。

中国自動車道は殺風景で、車内のビデオ映画ばかり観ていました。
バスは2回のトイレ休憩を挟み、出雲大社に到着しました。

長島先生「上田見てみ、古尾先生まだつかまってハルで」

古尾先生はガイドと一緒に松の木にいました。

その横には、小太りの竹中先生がこちらに手を振っていました。

  上田「武田先生も【竹】の木に結んでおいで~や!」

武田先生「冗談キツいワ!」 

宿は皆生温泉でした。
オカマ先生・武田先生・理容部3人の男衆は皆同部屋でした。

カニづくしの豪華料理の後は温泉です。
しかしオカマ先生と古野先生だけが部屋に残りました。

大浴場の温泉は癒されます、

長島先生「中田(オカマ)先生、背中に刺青入ってるらしいで」

  上田「えーーッ!?ああ、それで部屋風呂なんや・・」
    「もしかして古尾先生も?・・なわけないか」

長島先生「あの人はようワカランからな~」
    「お酒も一滴も飲まへんしな」
    「でも北新地行って1万円のウーロン茶飲んでハルらしいで」

  上田「ハァー?」
    (もうあんまり関わらんとこう・・)

長島先生「そんな事よりお前、そろそろ国家試験ちゃう?」


国家試験は「学科試験」と、インターン期間(1年)を修了してからの「実地試験」があります。

「学科試験」は寝屋川の摂南大学で行われました。
京阪電車の寝屋川市駅から徒歩30分というとても遠い会場でした。

大学に到着すると関美同期の連中が出迎えてくれました。

チクリン「上田先生の登場やで~」

上田「おお!久しぶり!先生いうなよ」

ケンシロウ「東君(てんかん歴)お店1日でクビになったらしいで」

上田「そうやろうな~」

やはり関美の連中は目立ちます。
そして相変わらずうるさい。
でも久しぶりの再会を嬉しく感じました。

辻神「おうおう上田先生!カンニングよろしくな!」

上田「席が近かったら見せたるワ」

福嶋「えらい自信たっぷりやのう」

上田「申し訳無いけど、結構自信あるワ」

実際「傾向と対策」はバッチリでした。
毎日現役生徒と一緒に学科の授業を受けていたので、他の連中よりも余裕がありました。

試験科目は「公衆衛生」「伝染病学」「消毒法」「理容理論」
「物理化学」「生理解剖学」「衛生法規」「皮膚科学」などがあり、
ひっかけ問題も少なく、無難に終わりました。

みんな営業中のお店を抜けて来ているらしく、
終わってから集まるような事はありませんでした。

後日、
合格発表は大阪府職員会館で貼り出されました。
番号を探すときはドキドキしましたが、きちんと合格しました。

福嶋「ねえ(無い)・・、ねえ(無い)・・、オレの番号がねえワ」

上田「ラーメン食うか?」

他にも中卒組数名の番号も無いようでした。

学校に帰り、合格の報告をしました。

  上田「長島先生、合格祝いで何か食わしてください」

長島先生「あのな、関美職員の国家試験合格率は100パーセントやぞ」

  上田「ゲッ、知らんかった、先に聞かんで良かったですワ」

長島先生「それよりお前、古尾先生が最近恋してハルらしいで」

  上田「えーーッ、相手は?」

長島先生「A組の松木先生らしいワ」
    「お前と同じ二十歳やで、歳の差ありすぎやろ?」
    「この前なんかデッカイ熊のぬいぐるみをプレゼントしてたで~」
    「それでな、思ったんやけどな・・相手の松木先生」
    「名前・・気にならんか?」

  上田「あ!【マツ】の木かぁ~!」

長島先生「出雲の神もプレッシャーやで~」

その後、
見事に玉砕した古尾先生は慢性胃炎を患いました。

■28■


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エルソル大阪物語■27■「必殺... | トップ | エルソル大阪物語■29■「いろ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿