対話練習帳

私的情報収集、自習ブログ

フラストレーションの分類

2008-11-19 10:51:35 | 考え中
「なんでこんなことしたの?」
「なんでこんなことになったんだろう」

自覚があるにせよないにせよ、いや、むしろ自覚がないときほど、状況が自分にとって障害であるとき、こういう言葉が口から出てしまうものです。結局これは、フラストレーション発散の行為なのでしょうね。問いかけの言葉(疑問系の文)は、仮に不快感を覚えていないとしても、なにがしかの、実は許容しかねる状況を認知していることの発露なのだと思います。答えを要求するのではなく、フラストレーションの解消が最優先事項です。その解消の一策として、問いに解を提供する(質問に答える)リアクションももちろん含まれますが、言葉自体の意味は、必ずしも本人の意思を正確に反映しません。そもそも言葉で説明できないことだから、フラストレーションを感じる、ということに起因していたりしますので。そこで、相手のもしくは自分のフラストレーションの受け止め方と発散の傾向を知っておくと、適切な対応ができます。昨日の記事でも引用したサイトに、フラストレーションの分類という項目があります。
要求・動機・感情

アグレッション(主張性)の型(様式)を「障害優位型(被った障害そのものに注目するタイプ)」と「自我防衛型(誰の責任なのかに注目するタイプ)」と「要求固執型(フラストレーション解決に注目するタイプ)」の3つに分け、さらに、アグレッション(主張性)の方向を「他責的(環境の人や者に責任を求める方向)」と「自責的(自分自身に責任を求める方向)」と「無責的(どこにも責任を求めない方向)」の3つに分け、その組み合わせで9つのタイプに分類します。


自分が他者ににフラストレーションを与えたときは、相手の『発散の様式、型』を読み取ることが要求されます。
A) 障碍優位(被った障害そのものに注目する)
「あ~あ、汚れちゃったよ」「ああ、壊れてるよ」「あ! それじゃ台無しだよ」「ほら、ダメになっちゃったよ」「私が言った通りになったでしょう」「なんでこんなことになったのかなあ」
B) 自我防衛(誰の責任なのかに注目する)
「あ! 誰がこんなことしたんだよ」「あ~あ、お前があんなことするから」「なんでこんなことになったのかなあ」
C) 要求固執(障害の解消に注目する)
「ああ、こぼれたものを拭かなくちゃならないよ」「ああ、謝りにいかないといけないよ」「ああ、取り戻すのにまた時間がかかるよ」「なんでこんなことになったのかなあ」

逆に、自分がフラストレーションを与えられたときは、自分の『発散の方向』に注目すると自己の理解が深まるでしょう。
A) 多責的(他人のせい、環境のせい)
「あなたがこんなところにグラスを置いているから、引っかかったのよ」「天気が悪いから調子がでなかった」
B) 自責的(自分のせい)
「私の不注意で」「私があなたに頼んだせいで」「あのとき自分がちゃんとやってれば」
C) 無責的(誰のせいでもない)
「全てのものはいつか壊れるものだ」「失敗したものは仕方がない」「まずは状況打開策を練ろう」

最終的には誰の責任であろうが、自分の手に負える範囲で状況を打開する方向に気持ちを切り替えることがフラストレーション解消への近道です。誰かのフラストレーションを解消してあげたいときにも同様です。ただし、いきなり問題解決へ向かわせるのではなくて、相手の発散の形や方向を一旦認めた上で、障害を解消する方向に一緒に向かおうとするのが理想的だろうと思います。

"That's not your fault."
アメリカでは自己の責任の適用範囲が比較的明確で、またその責任の取り方についても割と明文化されていることが多いように感じます。遅刻でも、ケアレスミスでも、他者とのコミュニケーションにおけるトラブルでも。なあなあではごまかせないので、容赦なく切り捨てられる場面があります。一見とてもシビアですが、実際には一個人の責任でトラブルが起こるケースよりも、複数のミスが重なってトラブルに発展してしまうことの方が多いので、そのような場合、そもそも責任の適用範囲に隙があったということで、誰の責任でもないことがはっきりするというメリットがあります。すると、誰の責任かと問うよりも、"That's not your fault"とした上で、問題の分析と障害の解消を皆で行って、次にこのようなケースに遭遇した場合に、誰がどのように責任を負うかということを決定し、トラブルを避ける方法を議論しようという雰囲気を強く感じます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿