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「すべし」リストと「べからず」リストを使い分けて、より効果的に活用する。

2010-07-13 02:59:46 | Weblog
いろいろな仕事や人間関係のコツを箇条書きやマニュアルのようにして整理されているとすごく助かる。分かっていることを思い出すアンカーになったり、初めてチャレンジすることをしっかり理解する足がかりになったりする。しばしば自分は、こういったリストを二つに分類して使い分けてみることがある。うまく使えば、より活用の幅が広がって汎用性が上がることがある。

<「すべし」リスト> 新しく行動を起こす前に使う。必要なことを準備するのに役立つ。
<「べからず」リスト> 一度実践した後、振り返りに使う。トラブルが起こったとき、より高い目標を目指すときに何か変更するポイントを見つけるのに役立つ。

ポイントとして、「すべし」リストでは「○○する」アクションとして表現する。具体的なアクションを喚起することで、当事者意識を促す。それが行動のモチベーションになるのが狙い。一方、「べからず」リストは、結果的に上手くいかなかった場合にチェックするポイントを絞っておくことで改善点を効率的に見つけ出すのが狙い。責任の追及は本来の目的ではない。だから、アクションを否定する表現を避けて、あくまで状況描写の表現を意識する。「○○しない」だと、その行動を起こした“人”に意識が向いてしまう。次にどうしたいのかを話したいのに、話題が責任問題に向かってしまうと無駄な軋轢が生まれる。それを避けるために「○○にならない」と表現する。

内容は実質的に同じ事じゃん、という場合でも受け止め方が変わる。同じ事であるのが理想的だけど、実際のアクションに、いつでも結果が伴うわけではないし、それは仕方が無いからこそ、次に活かす工夫を絶えずつづけることが出来る。

そういった視点から、このリスト
仕事を教えるときにやってはいけない7つのこと
をもっと自分が活用しやすい形にしたいなあと思ったのが、そもそものきっかけ。これはべからずリストなので、もし自分が誰かに仕事を教えても上手くいかないと感じたときに、どこに問題があるのかを見つけるのに役立つなと思った。けれど、自分はこれを、上手に仕事を教えるコツ、という形でも使いたかったので、自分なりにアレンジしてみることにした。
1.教える人は、手順をしっかり理解する。
 信頼できる言動がその人の信用を高めます。信頼できる人に教わると、教わる人は安心して迷わずにいられます。だから仕事の習得に集中できます。その環境を作るために、相手に伝えたい内容(つまり教える仕事)をまず教える人がしっかり理解していることが前提になります。
2.いつでも決まった手順を伝える。
 基本事項を抑えた万人向けのマニュアルをまずはしっかり覚えてもらうことで、作業一つ一つの目的や意義を共有します。そうすることで、要点を外さない適切なアレンジや工夫が生まれてきます。
3.教える人が誰でも同じように教える。
 そのためにもみんなが同じ認識で仕事を捉えられるような環境づくりが重要になります。
4.言葉は絞って使う。
 教える人はたくさん言葉を知っています。どこまで細かく神経を配れば良いか、逆にどこまで大胆に処理して良いか、その塩梅を感覚的に知っていて、日常的に何気なく言葉にしています。しかし、教わる人にとっては、その言葉一つ一つが新鮮で理解に時間が必要です。一度の指示で使う言葉はできるだけ絞って、簡潔に伝えていきます。
5. 説明と実践、併せて教える。
 説明にも、実際にやってみせるのも、何より教わる人自身に実践してもらうのも、それぞれ長所があります。効率よく、そしてより正確に仕事を教えるために、この三つは出来る限りセットで伝えると早く仕事を共有できるようになります。また自分自身も再確認できるメリットもあります。
6.肯定的な言葉を使う。できたところをどんどん褒めていく。
 仕事を教える際に覚えてもらいたいのは、「こういうときにはこうする」という『判断+アクション』の部分です。これを身につけるには、教わる人が「できた!」という実感する体験が大切です。この記憶が、判断とアクションをセットで体に刻むことに作用します。褒めるというより、今何が(どこまで)できるのか教える人と教わる人で共有する、という認識が効果的な成長に繋がります。そう意識すると多くの場合、教える人は叱らずに済みます。ただし、安全確保の目的で叱る・注意する点をはっきりさせておくことも重要なことです。これは、多くの人を守る為に「してはならないこと」を反射的に判断できるようにするという別の意義があります。
7. 具体的にほめる。
 できたことを積極的に拾い上げることは、「今できること」を教える人と教わる人で共有することに直結します。それによって、作業を適切に分担することができたり、教える人が注意を払うポイントを絞る事で余裕を生んだりするメリットがあります。結果的に、教わる人には自信と成長の実感、教える人には充実感と負担の軽減という利益が期待できます。