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魅せる目次の教科書作り

2008-12-11 11:20:32 | Weblog
訳あって中学校レベルの英語の教科書なんぞを見返すことがありまして。パラパラとめくって段取りを把握するのに目次を読んだわけなのですが、さすが教科書っていうのは、やっぱり上手に作られていて、知りたい欲求とレベルに準じて内容が進行していくように工夫がなされているんだなあと、今更のように理解して感心していました。

思い返せば、目次を読むことってまず無かったのです。リアルタイムに教科書で勉強していた当時は教科書は絶対のもので、何の疑いも抱かずにただ漫然と先生の指示通りに順番に、退屈になりながらもこなしてきたものでした。いや、退屈でもなかったけれど、全体を俯瞰して見ようなんて思いもよらないことでした。

目次を見るようになったのはもっとずっと後になってから。学生時代の後半くらいからでしょうか。手抜きを覚えたというか、今その瞬間に自分が求める項目だけに絞って集中的に学習する方が効率がいい、というか、頭から順に通して学習しているような悠長な時間はなかなか取れないというか、そういう手順で段取りを把握していかないと差し当たってのレポートや試験に間に合わなくなるという理由からなのですけれど。

少しでも概要を知っている分野ですと、目次っていうのはじつに便利で、適切な情報に近づくための地図のような有り難味がありますね。久しぶりに教科書を見返してみて、こういう有り難味を当時からもっとしっかりと味わえていたら、勉強ももっと楽しくて主体的なものになったかもしれないなあなんて都合のいいことを考えたりしまして、それで、もっと魅力ある目次作り、魅せる・読ませる目次を作ってみるのは楽しいのではなかろうかと思い至ったわけです。

やっぱり、イメージは「地図」になるのですけど、道案内の地図のように、現在地から周りに見えるものを目印にして目的地まで辿れるようなものよりも、誰でもどこに居ても使える汎用性がある作りの方が、魅力的だろうなと思いました。自分がいまどの位置にいて何を学ぼうとしているのか、まるで地図を眺めるように意識できたならいいなと思うのです。みんながその科目のフレームワークを共有できるし、自分なりの目的地や攻略方法もはっきりして、学習の道程をビジュアル化できるので、学習者のモチベーション維持に繋がるのではないかなあと期待するのです。

というか、実際そういうビジュアル的な目次を作りだしてみたら、案外これが楽しかった。とりあえず、既におぼろげな記憶になっている英語の教科書の目次を、日本語でざっくりと目次化してみたのですけれど、

自分は国語、英語の指導経験などないので我流の解釈ですし、普段からマインドマップなんてものでも描いていれば、もっとビジュアル的に分かりやすく誤解の無い配置もあるだろうとは思うので、まだまだいくらでもアレンジして楽しめそうですね。ただ実際に描いてみて、学習者が自分なりにこういうマップを作成を行うことで、自分が何を知りたいのか、どんなことを抑えておくべきなのか、目的がとても説明しやすくなった気がします。そういったことを学習の導入期に、指導者が行うことで、全体像を捉えて学習者を迷子にさせない手助けになるのではないかと感じます。

授業って、淡々と教科書の流れに沿って単元ごとに進んでいくと、ふいに話題が大きく切り替わってしまうことがあるんですよね。そのときに、好奇心がしっかりついていけないと、興味を失ってしまうんですよね。そういう構成になるのはどうやったって避けられないことではあるんですけれど、それでもできるだけ前の話と関連付けて、興味を引っ張ってくる工夫は大事だし、またどこかで目的地を見失ってしまっても、目次っていう地図があれば、後から辿ることも、先取りして興味をもっと膨らませることにも、ハードルが下がってくれるので、知的探検の旅に出やすくなると思うんです。

目次そのものはもちろん重要ですが、それをどう活用するのか、これを使うと何が見えてくるのか、どんな好奇心が得られるのか、そんな目次の使い方を伝えることも大切です。まるで映画の予告編を観せるみたいに。映画の予告編って、とても楽しくて、本編よりもどきどきしたり、気になったりしませんか?先生が予告編として、目次から垣間見える、地図に載っている見たことのない土地の様子を、ちょっと覗かせてあげられたら、そこに行ってみたくなるかもしれません。そういうわくわくした気持ち、小さい頃に地図を眺めているときにもありました、見知らぬ土地に思いを馳せて、わくわくする冒険を想像したりなんかして。それと同じような感覚で教科書の目次も眺めることができたなら、きっと勉強が退屈だったり怖かったりする気持ちも軽くなるに違いありません。

見せる目次は、全体像を掴んだり自分の位置を把握したりするのに効果的とはいえ、読ませる目次もそれに負けず劣らず、非常に便利なものです。まず、情報が整理整頓されていて検索しやすくなっている。これは、資料として使われるとき、とても強みになりますね。それに、地図では表せない時系列的な「流れ」が表現できるのはとても大事な特徴です。本当の勉強は、どの方角にも無限に広がって終わりの無いものですが、終わりがないというのは不安なものですから、一つの区切りとして足を止められる場所を示すことも大事な要素になります。見せる目次で空間での位置を、読ませる目次で進み具合を知る。目次をもっと活用する勉強の仕方を広めていけるといいのではないかなと思います。

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