はてなブックマーク - 人の心を読むコンピュータ、単語のイメージの言い当てに成功 - ITmedia News
見逃していたな、これ。半年前の記事なのでオリジナル記事は消えてしまっているけれど、とりあえずメモ。後で論文を読む。
英文記事
Carnegie Mellon computer model reveals how brain represents meaning
論文
Predicting Human Brain Activity Associated with the Meanings of Nouns
読んでみた。
物の名前から連想される行動をヒントに、人がある単語を聞いた時に活動する脳の部位をコンピュータに予測させることに成功したという話。
予備知識として、
1、fMRIは脳の活動部位を推定する方法(about fMRI)
2、WordNetという英単語の概念辞書データベースが作られている(WordNet - Wikipedia)
まずコンピュータに学習させるためのデータとして、被験者は60個の名詞の中からランダムに単語を提示され、そのときの脳の活動部位をfMRIで測定された。次に感覚運動(sensory-motor)に関わる動詞の中から日常での使用頻度が高い25個を提示して、そのときのfMRIの結果が集計された。これらの結果とWordNetのデータがコンピュータに入力され、WordNetの分類上60個の名詞に強く関連する動詞と、動詞・名詞それぞれのfMRIデータを統計的に処理して、予測プログラムを得た。
学習プロセス
A)セロリ → fMRIデータ
B)セロリ→1)食べる←fMRIデータ (WordNetでの関連強度で重み付け)
→2)味わう←fMRIデータ
→3)切る ←fMRIデータ
・ ← ・
・ ← ・
・ ← ・
(統計処理してAとBを近付けるように学習させる)
予測プログラム
A)ポテト→食べる→
味わう→
潰す →
・ → ・
・ → ・
・ → ・
(WordNetで関連動詞を抽出してfMRI結果を予測)
細かい部分は殆ど理解できていないので説明がかなり怪しいのだけれど、こんな感じ。過去の実験である程度、人が言葉を連想する仕組みの解析に見通しがついていたのかな。
文法が大きく影響するよなあ、これは。SVOCという語順の英語だから名詞・動詞の予測が最も強くリンクするのかなと思った。日本語ではどうなるだろう。形容詞の方が先に連想されそうだ、「セロリ」なら「苦い」とか「細長い」とか。英語が読める脳を開発すると謳っている英語学習のトレーニング方法って、まさにこの単語の語順を切り替える脳の訓練だろうな。
日本から英語圏へ移った人の脳の活動部位の変化とか、追っていけたら面白いなあ。留学予定者を集めて留学前後で比較してみるとか、帰国子女と日本にずっと暮らしている人を比較してみるとかどうだろう。
文化の違いもあるだろうな。日本人なら魚で「食べる」を連想する人が多いだろうけど、他の国ではどうだろう。でも、これはWordNetのデータに反映されることかな。
単語から何かが連想される仕組みって、まだまだこれから分かってくる部分が多いんだろうな。NLPっていうものがあるけれど、こういう未知の部分は考慮されていないように思う。言語や文化やその他社会的な背景で、連想される言葉はまちまちなはずなんだけど、そのへん、ちゃんとフォローされているのかな。なんてことを思った。
連想ゲームってあるけれど、あれって、その人の深層心理や育ちや性格が露になるのでこういう解析と組み合わせて、いろいろ比較したら楽しそうだ。いずれにしても想像力をくすぐられる研究ってわくわくする。
見逃していたな、これ。半年前の記事なのでオリジナル記事は消えてしまっているけれど、とりあえずメモ。後で論文を読む。
英文記事
Carnegie Mellon computer model reveals how brain represents meaning
論文
Predicting Human Brain Activity Associated with the Meanings of Nouns
読んでみた。
物の名前から連想される行動をヒントに、人がある単語を聞いた時に活動する脳の部位をコンピュータに予測させることに成功したという話。
予備知識として、
1、fMRIは脳の活動部位を推定する方法(about fMRI)
2、WordNetという英単語の概念辞書データベースが作られている(WordNet - Wikipedia)
まずコンピュータに学習させるためのデータとして、被験者は60個の名詞の中からランダムに単語を提示され、そのときの脳の活動部位をfMRIで測定された。次に感覚運動(sensory-motor)に関わる動詞の中から日常での使用頻度が高い25個を提示して、そのときのfMRIの結果が集計された。これらの結果とWordNetのデータがコンピュータに入力され、WordNetの分類上60個の名詞に強く関連する動詞と、動詞・名詞それぞれのfMRIデータを統計的に処理して、予測プログラムを得た。
学習プロセス
A)セロリ → fMRIデータ
B)セロリ→1)食べる←fMRIデータ (WordNetでの関連強度で重み付け)
→2)味わう←fMRIデータ
→3)切る ←fMRIデータ
・ ← ・
・ ← ・
・ ← ・
(統計処理してAとBを近付けるように学習させる)
予測プログラム
A)ポテト→食べる→
味わう→
潰す →
・ → ・
・ → ・
・ → ・
(WordNetで関連動詞を抽出してfMRI結果を予測)
細かい部分は殆ど理解できていないので説明がかなり怪しいのだけれど、こんな感じ。過去の実験である程度、人が言葉を連想する仕組みの解析に見通しがついていたのかな。
下位語の場合、人間が名詞の属性を見つけることのできる早さは、その特徴を定義している階層を見つける早さに依存していることが心理学実験で明らかになっている。したがってカナリアは鳴き鳥の一種である(直下の下位語となっている)ため、人は「カナリアは歌う」かどうかをすぐに判断することができるが、「カナリアは飛ぶ」かどうかを判断するにはもう少し時間がかかり(二層の隔たりがある)、「カナリアは皮膚を持っている」かどうかを判断するにはより多くの時間を要する(複数の階層の隔たりがある)。これは、人間はある概念と他の似た概念を区別するのに必要なもっとも明確な情報のみを保持していることから、 人間がWordNetに似た方法で意味の情報を記憶しているということを示唆している。(Wikipediaより)
文法が大きく影響するよなあ、これは。SVOCという語順の英語だから名詞・動詞の予測が最も強くリンクするのかなと思った。日本語ではどうなるだろう。形容詞の方が先に連想されそうだ、「セロリ」なら「苦い」とか「細長い」とか。英語が読める脳を開発すると謳っている英語学習のトレーニング方法って、まさにこの単語の語順を切り替える脳の訓練だろうな。
日本から英語圏へ移った人の脳の活動部位の変化とか、追っていけたら面白いなあ。留学予定者を集めて留学前後で比較してみるとか、帰国子女と日本にずっと暮らしている人を比較してみるとかどうだろう。
文化の違いもあるだろうな。日本人なら魚で「食べる」を連想する人が多いだろうけど、他の国ではどうだろう。でも、これはWordNetのデータに反映されることかな。
単語から何かが連想される仕組みって、まだまだこれから分かってくる部分が多いんだろうな。NLPっていうものがあるけれど、こういう未知の部分は考慮されていないように思う。言語や文化やその他社会的な背景で、連想される言葉はまちまちなはずなんだけど、そのへん、ちゃんとフォローされているのかな。なんてことを思った。
連想ゲームってあるけれど、あれって、その人の深層心理や育ちや性格が露になるのでこういう解析と組み合わせて、いろいろ比較したら楽しそうだ。いずれにしても想像力をくすぐられる研究ってわくわくする。