え~はなし

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「OUT」「グロテスク」「アイムソーリー、ママ」

2005年04月21日 | 読んだぜ!
昨日飲み会があった。
メンバーは高校の同級生9名だったのだが、みんなこのブログを読んでいてくれた。
面白いのは結構みんな「愛の流刑地」を読んでいることだった。中には私のブログを読んで興味を持った人もいたことだ。

知らないところで色んな影響を及ぼしているかと思うと嬉しい。

で、書こう書こうと思ってた桐野夏生の読書感想文。
まとめ書き。

ちなみにオレは桐野夏生のファンだ。
その人間観察力は凄いと思うし、ストーリー展開も凄い。
何せ読んでいるだけで背筋が寒くなるような筆力には頭が下がる。

「OUT」
テレビドラマ化されたときに見たのだが、最後が非常にチンケで頭に来た記憶があった。だから原作を読まずにいたのだが、今年ついに読んでみた。
・・・全然違うのね。マジでスゲー壮絶な最後が待っていた。
テレビではやっぱりあそこまで残酷な最後を描ききれなかったのかな?
というか、途中主人公が拉致されて戦う場面があるんだけど、もうこれが痛いし寒いし、冷たいし。
でもね、夢中で読んだ。
普通の主婦が日常を少し外れて自分の中の狂気に目覚めていく様をお楽しみあれ。

「グロテスク」
いや。実は桐野夏生にハマッタきっかけとなった本。
いつだったかの正月に読むつもりで年末に買ったんだけど、あまりに面白くて年内に読み終えちゃったんだよね~。
「東電OL殺人事件」をモチーフにした作品なんだけどさ。
日常の中の差別がテーマ。
マジメな女性が昼と違う顔を持つようになる様、絶世の美女と詠われた妹が転落していく様、そして希望溢れる未来を信じて来日した中国人が転落していく様・・・それぞれの人生の狭間に垣間見える差別。
こえー!って震えながら読んだっけ。
スゲー分厚い本だから電車の中で読むのはちょっと大変!
でもね、読み応えあるぜぇ、この本は。

「アイムソーリー、ママ」
「グロテスク」で描いた醜い女を更に加速させて洗濯機でかき回したような怪物のような女が出てくる作品。
ムチャクチャ怖い女が出てくるんだけど、はっきり言って「グロテスク」「柔らかな頬」とかのようなストーリーの奥深さはない感じがする。
徹底的に醜悪な女を描いたらこういう作品になったって感じなんだろうな~。
単に気持ち悪い印象しかもはや残っていないです。
桐野夏生、やりすぎ!って感じ。


「残虐記」ってのもあって、これも近々読みたいなと思っていますが。
今日はここまでぇ~