N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

ファンもチームの一員

2012年09月09日 | ビジネス試論
Likeable Social Media
: How to Delight Your Customers, Create an Irresistible Brand,
and Be Generally Amazing on Facebook (& Other Social Networks)

という本をキンドルで読んでいます。

まだ読了しているのは35%ですが、その中で得た気づきを。


 *  *  *  *  *


Facebook 上で、顧客に向き合って、きめ細かい対応をしている
VistaPrint という会社の例が出ています。

Any queries are answered, and the complaints are responded to,
but most important, every customer's comment receives a reply.


実際に一つ一つ応じるのは大変なことだと思われますが、
企業の経営方針として、しっかり組み込まれているのでしょう。


そして、その結果、

customers who have shared positive experiences and who are subsequently embraced
and thanked by VistaPrint are often the first to post on the page
when other customers post negative comments.


顧客とこのような良い関係を結べている。

例として実際のFacebookのタイムラインのキャプチャが転載されていますが、

VistaPrint は全然ダメ。サービスも対応もなっちゃいない…
みたいなポストの後に、

I love VISTAPRINT!


と続ける人がいたり、

今までたくさんのオーダーをしてきたが
とてもよかった。海外からの注文でトラブルがあったときも
とてもいい対応をしてくれてハッピーだった。そして、

We all have the odd bad experience after all - even companies are human!


という言葉。

ソーシャルウェブの世界は、総力戦というか、
企業単独ではなく顧客(特にファン)もチームのメンバーなんだなと理解できました。

これはレガシーな日本企業にとって、組織の概念を根底から変えるような
マインドセットの変更が必要なことではないかと思います。

誰もが常識的なポストを寄せてくれるとは限りません。

思い込みが激しかったり、精神を病んでいたり、
憂さ晴らしに悪意あるポストを投稿するような人もいるかもしれません。

そんなときに我がチームの一員である顧客が助太刀してくれる訳です。
しかも顔出し、実名入りで。

これからは、顧客と、ゆるく良い関係でつながることが
お題目だけでなく、ますます切実な課題となっていくことでしょう。

これはオフラインであっても同じことです。

オフラインでの Bad Experience をオンラインで投稿するという
行動も当然考えられるのですから。

顧客に日々誠実に向き合うということは、
きれいごとだけでは出来ない大変なことです。

でも、何のインセンティブもないのに、そのブランドのために、
顧客が時間を割いて、ひとこと言ってくれるなんて、
大変ありがたいことで、うれしいことではないですか!