幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

小林化工株式会社様導入事例 今後の事業拡大を支えるシステム基盤をSAP導入により確立し、業務とシステムの最適化を実現する ”品質面が後手に?”

2021-01-03 03:54:54 | 社会
福井県あわら市を本拠地に、医療用医薬品の製造・販売を手がける小林化工株式会社。同社は後発医薬品(ジェネリック)ビジネスの急成長を見据えて、グローバル製薬業界で広く活用されているSAP ERPを導入しました。
https://www.jsol.co.jp/casestudy/53kobayashikako.html


課題・解決・効果
課題;
将来の売上高、生産量増大への対応。
円滑な事業継続を支援する仕組み作り。
システムの個別化による二重入力や手作業によるデータ連携の解消。

解決;
製薬業界での標準基幹システムであるSAPを導入することで、製薬業界における標準ベストプラクティスを実装し、上記課題解決を目指す。

導入効果;
データ自動連携による受注出荷業務の効率化
業務フローの全社標準化、業務分担の明確化
インフラのパフォーマンス強化によるデータ抽出時間の短縮

小林化工株式会社様
左)小林化工株式会社 執行役員 コーポレート本部長 宮川 修治氏
中)小林化工株式会社 代表取締役社長 最高経営責任者 小林 広幸氏
右)小林化工株式会社 コーポレート本部 情報システム室 課長代理 長谷部 了氏

国内外の医療機関や調剤薬局に高付加価値型のジェネリック医薬品を提供
1946年から半世紀以上にわたって医療用医薬品/一般用医薬品の開発/製造/販売を行う小林化工。現在はジェネリック医薬品に特化した製薬会社として、ライフサイクルマネジメントの観点から高度な製剤技術を駆使して高付加価値製品の開発を進めている。代表取締役社長で最高経営責任者の小林広幸氏は次のように語ります。

「当社が追求しているのは、患者様が飲みやすく、医療関係者の皆様が取り扱いやすい製品作りです。当社独自の工夫を施した、高付加価値型ジェネリック医薬品の研究開発と供給を進めています」

高レベルの品質保証と需要拡大に応えるため、安定供給に関しては医薬品の製造・品質管理基準であるGMPの日・米・欧対応を目指した最新鋭の工場を建設し、ハード/ソフトの両面から充実を図っています。2016年には年間約10億錠の生産能力を持ち、ロボット技術を駆使してローコストオペレーションを実現した清間第二工場を竣工しました。さらにオンコロジーセンター(抗がん剤製造棟)、総合物流センター、製剤技術総合研究所などを有し、優れた医薬品を全国に供給しています。

海外でも早くから台湾でビジネスを開始以降、香港、韓国、ベトナムへの輸出を強化してきました。今後もASEAN地域やUAEなどでグローバルビジネスを推進していくといいます。

全社統合基盤による業務の高度化を目指してSAP ERPを導入
小林化工が基幹システムの見直しに着手したのは2017年。日本政府が「2020年9月までにジェネリック医薬品の使用割合を80%とする」方針を打ち出し、生産量・販売量の増大が確実視される中、大規模生産に対応できる体制が必要でした。しかし、既存システムは販売購買管理を中心に会計、生産管理、在庫管理、品質管理など個別で運用しており、システム間の連携が課題となっていました。また、より正確な原価管理も重要でした。そこで全社統合システムを構築し、経営判断に必要な情報をスピーディーに入手できる基盤を整えることにしました。

「データベースを統合し、各種の実績データをタイムリーに見られるようにすることが最大の目的です。また、業務の効率化を推進し、人的リソースを高付加価値業務にシフトしたいと考えました」(小林氏)

同社は、グローバルの製薬業界での実績が豊富なSAP ERPを採用しました。海外の製薬会社や原材料メーカーの多くと同じシステムであれば、円滑な取引にも役立つと考えたからです。また、執行役員でコーポレート本部長の宮川修治氏は「既存のMES(製造実行系システム)やWMS(倉庫管理システム)との連携、導入パートナーのJSOLのサポート体制が充実していることなども総合的に判断して決めました」と振り返ります。

SAP ERPのインフラ基盤は、JSOLの提案をもとに伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下 CTC)のSAPに最適化されたクラウド基盤「CUVICmc2」を選定しました。製薬業務に必要なCSV(コンピュータシステムバリデーション)対応をインフラレベルで実装していたことと、伊藤忠グループのCTCが提供するサービスの信頼性を評価しました。コーポレート本部 情報システム室 課長代理の長谷部了氏は次のように語ります。

「日常の運用、リプレース時のサーバー構築などの負荷軽減を考えてクラウドを選びました。当社にとっては初めてのクラウド導入でしたが、JSOLからCUVICmc2の稼働実績の説明やCSV対応の提案をいただきながら理解を深め、懸念点を解消していきました。CTCが提供するクラウドサービスであれば、海外サービスと比べて融通が利くと考えたことも理由の1つです」

経営トップが積極的に関与することで一体感を醸成
2017年7月に始まった導入プロジェクトは要件定義、設計・開発、テスト・移行を経て、2018年10月に本稼働を開始しました。会計、販売、購買在庫、生産、品質のモジュールすべてをビッグバンで稼働。SAP ERPとは別途構築したLIMS(品質管理システム)、導入済みのMESシステム、物流システム(WMS)、データ交換システム(JD-NET)、Web受注システムとも自動連携させました。

キックオフ前の全体構想フェーズでは約4カ月かけて現状の業務課題を抽出し、改善点を整理しました。また、SAP ERPの標準機能と連携ツールの適用によって極力アドオンを排除しました。SAPのベストプラクティスを維持し、独自の業務フローもSAP ERPに合わせ、アドオンが必要な業務については協議を重ねながら最低限に絞ったといいます。

「経営陣全員が当初から会議に参加して、全社を挙げて推進していくという姿勢を示しました」と小林氏が語るように、経営トップ自らトップダウンで進めたことも、一体感の醸成と社員の意識向上につながりました。

プロジェクトメンバーには各業務部門のキーマン、さらに若手社員を積極的に登用して、新しいシステムを担う意識につなげたといいます。

「プロジェクトは、従来の業務を見直すきっかけにもなりました。標準化を進めながら業務のマニュアルを作成したことで、システム稼働後もスムーズに移行できました」(長谷部氏)

SAP導入による即時効果
SAP ERPの導入により、同社は強固なシステム基盤を実現しました。柔軟性の高いクラウド環境により今後データ量が増大しても、即時の拡張が可能になっています。

業務面では、二重入力や手作業が解消しました。JD-NETやWeb受注のシステムでは自動連携により、受注出荷業務の作業負荷が軽減されています。

「受注業務が効率化された結果、1~2人月の工数削減が実現しました。工場ではMESとのデータ連携を自動で行うことでシステムごとの多重入力がなくなり、業務の無駄が排除されています」(宮川氏)

今後はデータを蓄積し、システム活用の習熟度を高めることでより効率的な経営を推進する考えです。従業員の間でもExcel中心の業務から脱却し、標準システムを活用していく意識が高まりました。部門間の連携が強化されてコミュニケーションが活発化し、さらに業務を改善していく自発性も芽生えているといいます。

システムのパフォーマンスにも満足していると長谷部氏は語ります。「従来は1時間半かかっていた過去データの抽出が、数分でできるようになり、まったくストレスがありません」

今後の取り組み:BCP対策を強化し、
工場との連携を高めて高品質維持と安定供給へ
小林化工は今後、BCP(事業継続計画)対策を進めていくといいます。また、MESが未導入の工場についても導入を進め、SAP ERPとのリアルタイム連携を図っていきます。さらに、工場の自動化に向けてロボットやAIも積極的に活用していく構えです。

継続的な製品の品質確保と安定供給のためにも社員教育を充実させ、システムの活用度を高めていくことは欠かせません。品質管理についても製薬業界ではデータインテグリティ(Data Integrity)の概念のもと、データの一貫性が求められています。物流面でも販路の拡大に向けて、データ処理のスピードや正確性の向上は不可欠です。「さまざまな課題に対応するため、今後もシステムの強化を続けていきます。今回きめ細かなサポートをいただいたJSOLとCTCには、引き続き力添えを期待しています」(小林氏)

感想
経営トップが品質を考えていれば・・・。
SAP導入で効率化も求められ、無理な工数削減、派遣/アルバイト採用の比率拡大、教育訓練の不足になっていなかったでしょうか?

データインテグリテ(DI)を声高に言っておられる製薬企業が増えてきました。
しかし、DIの前にするべきことがあるのです。

GMPはミスしないことよりも、ミスを起こさない/できない仕組み、ミスがあっても発見でき防止する仕組みを求めています。
また悪いこと(今回SOPでは2人作業だったのに1人で行った)ができない仕組みが求められています。
まさにそれがDIの求めていることなのです。
DIの仕組みを導入することよりも、基本を忘れている製造所も多いです。

GMPでは悪いことができないように、製造する人と評価をする人を分けています。
評価はサンプリングから始まります。
ところが日本のGMPでは、原則サンプリングは品質部門で行うとしていますが、例外を許しています。その例外を拡大解釈して、製造現場でサンプリングしている製造所も多いです。
現場で良いものをサンプリングしたら、評価は良いに決まっています。
こういった基本ができていない製造所も多いです。
小林化工さんの問題が生じた製造所のサンプリングはどうだったのでしょうか?
QCでサンプリングされている製造所であれば、GMPの基本を理解されている製造所だと思いますが。

SOP導入で品質も向上するようなニュアンスがありますが、SAP導入=品質向上ではありません。
今回の事件、人のミスにしていますが、人のミスはきっかけで、普段のGMPのシステム&運用に問題があったと考えるべきです。
無理な生産計画が背景にあったのではないかと推定していますが、仮にそれがあっても、絶対SOP違反をしないことです。
2人作業なら決して1人で作業しないことです。
そうしないと、SOP違反をしたことになります。
これは犯罪行為と捉えるべきです。
厳しい生産計画、厳しい様々なことがあっても、犯罪行為だけは避けることです。
ただ、生きるための小さな犯罪行為はあったも良いとは思います。
なぜなら、品質よりも安全(生きる)が優先されるからです。
「SOP違反は犯罪行為」との認識が従業員や経営層に弱かったのかもしれません。
協和発酵バイオさんでは、SOP改訂せずに製造していました。
またそれをQA(品質保証)が許していました。
作業者が「作業がSOPに違反していることを知らなかった」との発言もありました。
つまり、SOPも知らなかったのです。
ひょっとして小林化工さんの作業者もSOPを知らなかった可能性があるかもしれません。
人のミスで片付けずに、その背景にある問題まで、当局、第三者委員会がきちんと踏み込んで調査されることを願います。
人のミス ミスに隠れた 新事実
製薬企業で大きな品質トラブルが起きると、必ずと言っていいほど、生産優先です。
生産優先は当然ですが、決して許してはいけない、死守しなければならない品質保証があることを、QAはもっと肝に銘じるべきではないでしょうか。
協和発酵バイオさんの山口県の改善命令には、「適切な製造と品質の責任者を置きなさい」が含まれています。つまり、これは「あなたたち製造と品質の責任者は不適格です」と言われたことになります。
出世や評価もあったかと思いますが、絶対してはいけないことはしてはいけないのです。
QA長は「私はSOP改訂されない製造は認めません。私のQA長から異動させてやってください」ぐらいのことを言う決意が必要です。
それがないならQA長を辞退すべきだと思います。
そしてその決意が会社を守るのです。

魅せるGMP対応工場  グラビティ活用の最新工場
https://librarytaisei.jp/slibrary/mono/medicine/kobayashikako02/

福井県あわら市に本社を構え、様々な医薬品の製造・販売を行っている小林化工株式会社様。
創立70周年の目玉事業として、本社および本社工場の南側に位置する清間工場内に、固形製剤及び経口液剤を生産する第2工場を新たに計画されました。
清間第二工場の建築計画から竣工に至るまで、医薬品製造管理者の岩佐部長様から多大なるご提案及びご指導をいただきました。ここに厚く御礼を申し上げます。
(コンテンツ作成日 2017年11月)

既存の製造所への設備投資ははどうだったのでしょうか?
患者様が服用されるお薬に、「このお薬は最新鋭の製造所で、これは設備が古く品質が今一つの製造所で造っています」はあり得ません。
設備が古くても品質保証は可能です。
ひょっとして経営陣はそのことを失念されていたのでしょうか?
この製造所がきちんと品質保証されていたかどうかは、逸脱とOOS/OOTの件数とそのCAPAの実施数を見ればわかります。
少ないと問題です。報告が上がっていないのですから。
報告されない製造所は品質保証以前の問題です。
当局、第三者委員会がその点も見ていると良いのですが・・・。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿