幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「余命3年社長の夢 『見えない橋』から『見える橋』へ」小澤輝真著 ”生きる、仕事をするヒントがたくさんあると思いました”

2020-06-04 10:15:10 | 本の紹介
・2012年、病を発症した。病名は「脊髄小脳変性症」 1974年生まれ。
お医者さんからは、「余命はおよそ10年でしょう」とつげられた。

・北海道にある北洋建設という会社の代表取締役、経営者だ。

・僕がやっていること、それは元受刑者たちの居場所づくり。

・受刑者が1年間刑務所で過ごすと、およそ300万円のお金がかかるという。財源は税金だ。

・人は仕事さえあれば再犯しない。

・現在社員のうち、元受刑者は13人、執行猶予などで前科だけがついているものも含めれば21人だ。大学院に通って、再犯と雇用に関する修士論文も書いた。

・元受刑者を受け入れても、最終的に会社に残るのはおよそ1~2割、以前に比べると定着率があがってきていいるが、少なくとも8割の人が辞めて行く。一方で、会社に残った元受刑者たちは、本当に一生懸命仕事をする。家庭を持ったものも少なくないし、独立して経営者になった人もいる。

・これまで、2億円以上お金を使ってきたが、単純計算で1億6000万円の「損」をしたわけだ。とはいえ、僕自身は「無駄」にしたとか、「損」をしたとは、あまり思っていない。

・だから僕は、行動し続ける。残された時間を無駄にできない。今できることを精一杯やる。

・「1リットルの涙」の作者である本藤亜也さんが闘ったのがこの病気だ。

・父方の祖母、伯父、伯母がこの病気で命を落とした。北洋建設の創業者である父もこの病気で命を落とした。時を同じくして、姉も脊髄小脳変性症を発症した。

・父は僕が生まれる1年前に、北洋建設の前身である小澤工務店を創業。工務店は一人でできるものでない。そこで、父が目をつけたのが、近所にあった札幌刑務所だった。
「どこかへ行くあてはあるのか? ないならうちへ来い」

・結局、(父が亡くなって)僕たちに残されたのは母の分も合わせると1億円の借金だった。
「母さん、僕が助けてあげるから頑張って、北洋建設は僕が継ぐ」

・義兄の教育はとにかくハードたっだ。
「一日も早く仕事を覚えろ」
そう言われ、ほぼ毎晩夜中の1時に起こされ、資材センターに連れて行かれた。そこで「これが枠組み足場の敷板、ジャッキベース、筋交い」などど、資材の名前と扱い方を覚えさせられる。覚えたら、足場の組み立てをさせられる。それが、明け方の4時まで続く。そしていったん帰宅し、仮眠をとったら、他の社員と同じように、朝6時から現場作業に向かった。合間には営業活動も行う。そんな生活が1年近く続いた。

・僕がとった資格
 ・1級建築施工管理技士
 ・1級土木施工管理技士
 ・1級菅工事施工管理技士
 ・1級建設機械施工技師
 ・第1種作業環境測定士
 ・キャリアコンサルティング技能士  現在は70を超える資格を取得している。

・「今月は給料が払えるが、来月以降は無理だ。会社をたたむから、払えるうちに辞めてくれ」
僕は、皆辞めていくと思っていた。それで楽になれると思っていた。でも違った。
「給料はいりません。会社がなくなると困ります。ほかにいくところがないんです。会社が大変なら僕たちが一生懸命頑張ります。だから働かせてください」

・彼らのために、絶対会社をつぶしてはいけない。僕は、ありとあらゆる取引先に「こういう事情で、このままではつぶれししまいます」と頭を下げて回った。恥ずかしいという気持ちはまったくなかった。そうしたら、元請け大手企業の方がなにも言わず、大口の仕事を回してくれた。青年会議所の仲間の会社は、大学の改修工事で北洋建設を指名してくれた。いつも買い物していた近所の金物屋さんまで仕事をくれた。本当にさまざまなところから声をかけてもらえた。それに対し、社員たちは通常2日かかる仕事を1日で終わらせるなどして、より多くの仕事を受けられるよう、懸命に働いてくれた。

・周囲の温情、実際に働いてくれる社員、どちらが欠けてもこの危機を乗り切ることはできなかった。なぜ、北洋建設は助けられたのか。ひとつは、社員たちが、会社に恩義を感じていたからだろう。働く場所があるというのはそれほど大きなことなのだ。また、北洋建設は、現場での事故が極端に少ないことが特徴だった。この年には中央労働災害防止協会の「中小企業無災害記録金賞」も受賞していた。それも大口の仕事を回してもらえた要因だったと思う。いくら同情すべき事情があったにせよ、仕事の質が悪いところに、発注しようとは思わないものだ・
では、なぜ事故が少ないのか。それは、オーバーワークにならないよう極力残業をさせないようにしていたからだ。これも北洋建設の伝統で、父は生前、社員によく、家庭を大事にしろと言っていたという。家庭が安定していないと仕事に支障が出る。だから長時間仕事をさせず、家族と一緒に過ごす時間をつくらせていたらしい。
前科を隠さないとか、衣食住を保証するなど、社員が不安なく、安心して働ける環境や雰囲気づくりを心掛けてきたことも大きいだろう。
創業者である父、そしてそれを継いだ母の、社員を家族同然に扱う、北洋建設の伝統的な風土が、最大の危機から会社を救ってくれたのだ。
1700万円は2年で返済した。もっとも、すべての借金を完済することができたのは2016年、それからおよそ16年後のことだ。

・仕事があれば再犯しない
僕は残りの命をどう使いたか、考えた。「自分が生きた証を残したい」
元受刑者の就労支援をより進めていこうと思ったのは、自然な流れだった。

・2018年度の犯罪白書によると、2017年の検挙者は、21万5003人、そのうちの48.7%にあたる10万4774人が再犯者だ。2017年の再犯者の72.8%が逮捕時には無職だったという。

・2017年の出所者数は、2万3068人、そのうち官民の就労支援を受けた人は1~2%にとどまる。その最大の理由は、大多数の会社が元受刑者を受け入れることを拒んでいるからにほかならない。

・社員寮はすでに父の代からあったが、出所した人たちを引き受けるには、寮の存在は不可欠だと思う。寮費は1日3食つきで1450円だ。3食つきというのもポイントだ。建設業だから、身体が基本だ。しっかり食べてもらわないといけないし、やはりお腹が満たされると、心が穏やかになる。風呂もあり、ゆっくり寝ることのできる場所は、再犯防止にとてもすごく重要だと考えている。

・「見えない橋」から「見える橋」へ
事実を隠そうとすると嘘をつくことになる。すると、嘘に嘘を上塗りし、信頼関係をつくることができなくなる。

・北洋建設の元受刑者の離職率はかつて9割だった。今は8割程度で決して低いとはいえないが、それでも改善されたのは、居心地のよさが浸透しつつあるからではないだろうか。

・「罪を反省しないと、変わらないんだよ。」
前科を隠すことは、百害あって一利なしだ。

・婦女暴行と放火の前科がある人は採用できない。これらの犯罪歴のある人は、再犯率が高いといわれる。

・僕が社長になってからは、幸いなことに再犯はゼロだが、父の代や母の代では、再犯をして捕まる社員がいた。それでも、全国の再犯率48.7%に対して、これまでで2割以下だから、低い方だと思う。

・孤独を感じさせないために
僕は体調が悪くなった今でも、できるだけ社員と夕食を食べるようにしている。これは父の代から続く、北洋建設の伝統だ。

・残ってくれた元受刑者の社員たちは、本当に一生懸命働く。加えて、うちは「出戻り」を認めている。
失敗しない人はいないのだ。そしてそこから学ぶことは本当に多い。僕だって、8割の元受刑者を離職させてしまっている失敗したことを責めるなんてできない。

・過去は変えられないが、未来は変えられる。
日本財団職親プロジェクトは、再び罪を犯すことを防ぐため、また犯罪で悲しむ方を増やさないため、「就労」、「教育」、「住居」、「仲間づくり」の視点で刑務所出所者、少年院出院者の社会復帰を応援していきます。
「同じことをやっている人たちがいる」同じ志を持つ人がいる。そうした人たちとつながりたいと思った。

・法務大臣への要望書でも書いたように、刑務所で受刑者が1年間過ごすと300万円。対して、雇用する会社の助成金は最大で72万円。もう少し、雇用主に助成してもいいのではないだろうか。確実に再犯防止につながるはずだ。もう一つ、元受刑者を受け入れ、再犯防止に取り組んでいる企業の優遇も大切だ。

・自分を愛していれば、前を向くことができる。
だから、いちばん大事にするべきは自分だと思う。
幸せをかみしめて、今できることを精いっぱいやろう。

感想
生きる、仕事をするヒントがたくさんありました。

最初のきっかけは父が、働く人がいなかったので、元受刑者を雇うことでした。
そしてそれが元受刑者のために仕事を提供し、その元受刑囚の人生支援をされています。
そしてそれが結果として再犯率の低下にもつながっています。

仕事をするだけでも大変です。
それにプラスして縁があった元受刑者に仕事を提供することをされています。

元受刑者に仕事を提供することが元受刑者の幸せになり、そしてそれが社会の幸せにつながっていると思います。
誰でも失敗します。
一度失敗したら立ち上がれない社会よりも、失敗を生かして生きられる社会になるために、出来ることをなさっているのでしょう。
それは著者小澤さんの”神様からの声”だったのかもしれません。
そして自分のことだけでなく、まさに自分を超越して活動されているように思いました。

「反省させると犯罪者になります」 岡本茂樹著 "人は自分がされたことを、人にして返すものです"

”良心”、”自己超越”について
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