ポーランドからの報告

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国民生命の日

2007年03月24日 | 一般

今日3月24日は、Narodowy Dzień Życia-「国民生命の日」 でした。新しい家族を築くことのすばらしさ、そして生命の尊さを国民一人一人が考える日ということで、2004年8月27日にポーランド国会で祝日に制定されました。

今年のテーマは Razem na zawsze-ずっと一緒にいよう!  新しい生命の誕生する場である家族、その家族の大切さ、両親が一緒にいることのすばらしさを考えよう、というテーマだそうです。今年で3回目と、まだまだ知名度が低いため、 ポーランド国営放送(TVP)の夕方のニュースなどで積極的にとりあげていました。

   

その夕方のテレビのニュースによれば、ポーランドの最近の離婚率は33%だそうです。カトリックのお国柄から、そして日本以上の住宅難から(離婚しても住む家がないため離婚できない)、以前は離婚はほとんどありませんでしたが、最近は多くなってきています。もちろん男女のごたごたはどこの国にでもつき物で、ポーランドでも、登場人物みんなが不倫しているメロドラマがあったりと、「離婚」というのはすごく日常的なテーマです。とはいえ西欧諸国に比べると、まだまだ低い数字なのが幸いといえます。(ちなみに日本の離婚率は38%)

またポーランドでも少子化問題は深刻で、女性一人が生涯に生む子供の数(合計特殊出生率)は 1.39(2004年度)と、他の先進国同様非常に低い数字となっています。 カトリックが国教のポーランドでは、生めよ増やせよをモットーに多産を賞賛しているため、妊娠中絶は原則ご法度、出産も医療保険で一切無料なのですが、出生率が一向に伸びません。幸い私の周りでは、私自身を含め最近ベビーブームなので、少し期待したいところです。ちなみに 「赤ちゃんポスト」 の制度が日本でも熊本市の慈恵病院で導入されて話題になりましたが、ポーランドでもいち早く導入されており、 少子化対策への取り組みは非常に積極的です。この「生命の日」の祝日の制定で、さらなる出生率の伸びが望まれています。

ところでここはひとつ、日本政府にも同様の祝日なりキャンペーンを、是非期待したいところです。


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2 コメント

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Unknown (ぴっちゃん)
2007-03-27 07:33:46
出生率低下は全く構造的問題だと思います。だから個人的には祝日やキャンペーンといった類のものは無意味だと思うのです。社会のシステムそのものを、生活しやすいものに変えて行かないとだめでしょう。

若者が子供を生まない最大の理由は、将来の生活に対する不安だと思います。収入に対する生活コストの低下とか、年金改革とか、有形無形の生活インフラの整備とか、国内民族資本の充実とか、中小企業を含めた産業(特に自動車産業を筆頭とした知的集約型の製造業)の長期的育成とか、いろいろやるべきことがあるはずです。これらを急ぐべきです。

また、ポーランドは大量の若者が外国へ出稼ぎに出てしまうのも国内の出生率低下に拍車をかけていると思います。外国へ行って外の世界が快適だと実感した人が、なんでわざわざ住みづらいポーランドに戻って家族をもって子育てしようと考えるでしょうか。
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Unknown (そら)
2010-04-27 22:35:22
はじめまして、熊本からです。
熊本の赤ちゃんポストは背t率から50人は超えているみたいですよ。
うちは子供が欲しくてもできないもので、なんとも切ない話です。
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