11月27日の日経新聞に「見えたか金融再生(下) 描けぬ新事業モデル」という記事が出た。日米の銀行の収益構造の違いを比較していて興味深い。ここ最近は、銀行の中間期決算発表、そして東京三菱とUFJとの統合といった話題が多かったため、日本のメガバンク同士を比較する記事が多かった。それだけに、日本のメガバンクも不良債権問題から脱しつつあるだけに、これからを見据えて欧米の銀行と比較することも意味を持ってくる。
記事で比較しているのは大きく2つ。手数料収入の比率と代表的な銀行の資産構成である。手数料収入に関しては、日本の銀行が20%台であるのに対し、欧米の大手行では40%を超えるところもある。今年の7月に出た日銀からのレポート(参考資料参照)においても、ROAの高い銀行と低い銀行の収益構造を比較しており、そこには手数料収入の比率の差が見られた。日本の銀行の手数料収入は増加傾向にあるが、まだまだ格差があるということだろう。
また、記事においては、日本では収益力が高いとされる三井住友銀行とバンク・オブ・アメリカ(BOA)の資産構成などを比較している。個人口座数では両行ともほぼ同じであるが、富裕顧客数ではBOAが三井住友を圧倒している。また、預金残高では三井住友が上回っているが、運用資産ではBOAに分がある。こうした違いを見ると、日本の銀行は決して規模で劣るわけではないが(資産規模では三井住友の方が大きい)、その顧客口座と預かり資産から十分に収益を生み出せていないように見える。
投信、証券、保険と銀行の手数料収入の機会が増えるなかで、いかに顧客資産を預金からリスク資産へと誘導していくか、また、それ以外の新たな収益機会を成長させていくかに、銀行の今後の成長性が掛かっているに違いない。自分はほとんど銀行からマーケティングらしいマーケティングを受けたことが無いが、意外とそのあたりに課題が潜むのか?
(参考資料)
「2003年度決算から見た銀行の経営動向」 日本銀行
記事で比較しているのは大きく2つ。手数料収入の比率と代表的な銀行の資産構成である。手数料収入に関しては、日本の銀行が20%台であるのに対し、欧米の大手行では40%を超えるところもある。今年の7月に出た日銀からのレポート(参考資料参照)においても、ROAの高い銀行と低い銀行の収益構造を比較しており、そこには手数料収入の比率の差が見られた。日本の銀行の手数料収入は増加傾向にあるが、まだまだ格差があるということだろう。
また、記事においては、日本では収益力が高いとされる三井住友銀行とバンク・オブ・アメリカ(BOA)の資産構成などを比較している。個人口座数では両行ともほぼ同じであるが、富裕顧客数ではBOAが三井住友を圧倒している。また、預金残高では三井住友が上回っているが、運用資産ではBOAに分がある。こうした違いを見ると、日本の銀行は決して規模で劣るわけではないが(資産規模では三井住友の方が大きい)、その顧客口座と預かり資産から十分に収益を生み出せていないように見える。
投信、証券、保険と銀行の手数料収入の機会が増えるなかで、いかに顧客資産を預金からリスク資産へと誘導していくか、また、それ以外の新たな収益機会を成長させていくかに、銀行の今後の成長性が掛かっているに違いない。自分はほとんど銀行からマーケティングらしいマーケティングを受けたことが無いが、意外とそのあたりに課題が潜むのか?
(参考資料)
「2003年度決算から見た銀行の経営動向」 日本銀行
国民が金融ゲームに参加するのは、国策としては必ずしも正解だとは思わないね。日本の銀行は「日本型」でのサクセスストーリーを描けないと、死んでいくだけ。欧米と比較して、日本の銀行をダメだとするのは安直だなぁ。