今更ですが、6月に見た、ミュージカル「ヘアー」来日公演について。
曲(「アクエリアス」等)は有名だが見たことないミュージカルの代表として、60年代のカウンターカルチャーの話らしいというだけで観劇しました。性の解放とかドラッグとかはちょっと…という程度に都市中産階級的モラルから自由になれないワタクシとしては、苦手な系統なんじゃないかという不安を感じながら着席。
見てよかったです。
若者が反発する家庭、学校、社会が、アメリカとベトナム戦争という背景とともにがっちり描かれており、それら「軍産学共同体」への反発と退廃が熱を帯びて結び付いている様子が、理屈ではなくて伝わりました。
若者たち( 「トライブ」)のある種退廃的な世界に、客席おりなどして客を巻き込んだところで、召集令状draft cardが届き始めるというストーリー展開にゾクゾク。60年代の熱気とベトナム戦争の結び付きは頭ではわかっていましたが、アメリカの場合、徴兵という強烈なリアリティに支えられた運動だったのだと、恥ずかしながら今更実感しました。
後半は、線の細いポーランド系の若者の、第二次世界大戦に従軍して「アメリカ人」であることを示した親と、draft cardを焼き捨てる仲間との間での葛藤が軸となるのですが、葛藤を歌いあげるのではなく、マリファナの恍惚の中で、アメリカの侵略と戦争の歴史と殺される自分の悪夢を見るという形で見せてしまう構成が秀逸。
「共感」に回収されないショックだから、みぞおちあたりにズーンとくる展開に、何度も泣きそうになりながら、そのざわめいた気持ちは安易なカタルシスには向かわず持ち帰らねばならない。そんなお芝居でした。
あの時代のアメリカ、ああいう若者が何だったかが、少し感じられました。
なお、暗いまま終わるのではなく、最後はお客さんも舞台に上がってお祭り騒ぎという展開で、そういう形で感情の開放の場をつくっているのかも。それも含めて、ショーとしてもよくできていました。
パンフによれば、元は67年当時に初演という同時代性を帯びた話を、リバイバルに際して40年後の観客に向けて修正しているそう。当時はもっと混沌とした芝居だったのかもしれませんが、今回の演出は、事実として中立的に伝えたいという距離感が感じられました。性と人種の解放のモチーフも、政治運動と共に、こういった歴史のうねりの流れの中にきちんと事実として位置づけられていましたし。
当時を知る由もない若いキャストが誠実に熱を以て演じていることも含めて、非常に良いものを見ました。
http://www.hairmusical.jp/


曲(「アクエリアス」等)は有名だが見たことないミュージカルの代表として、60年代のカウンターカルチャーの話らしいというだけで観劇しました。性の解放とかドラッグとかはちょっと…という程度に都市中産階級的モラルから自由になれないワタクシとしては、苦手な系統なんじゃないかという不安を感じながら着席。
見てよかったです。
若者が反発する家庭、学校、社会が、アメリカとベトナム戦争という背景とともにがっちり描かれており、それら「軍産学共同体」への反発と退廃が熱を帯びて結び付いている様子が、理屈ではなくて伝わりました。
若者たち( 「トライブ」)のある種退廃的な世界に、客席おりなどして客を巻き込んだところで、召集令状draft cardが届き始めるというストーリー展開にゾクゾク。60年代の熱気とベトナム戦争の結び付きは頭ではわかっていましたが、アメリカの場合、徴兵という強烈なリアリティに支えられた運動だったのだと、恥ずかしながら今更実感しました。
後半は、線の細いポーランド系の若者の、第二次世界大戦に従軍して「アメリカ人」であることを示した親と、draft cardを焼き捨てる仲間との間での葛藤が軸となるのですが、葛藤を歌いあげるのではなく、マリファナの恍惚の中で、アメリカの侵略と戦争の歴史と殺される自分の悪夢を見るという形で見せてしまう構成が秀逸。
「共感」に回収されないショックだから、みぞおちあたりにズーンとくる展開に、何度も泣きそうになりながら、そのざわめいた気持ちは安易なカタルシスには向かわず持ち帰らねばならない。そんなお芝居でした。
あの時代のアメリカ、ああいう若者が何だったかが、少し感じられました。
なお、暗いまま終わるのではなく、最後はお客さんも舞台に上がってお祭り騒ぎという展開で、そういう形で感情の開放の場をつくっているのかも。それも含めて、ショーとしてもよくできていました。
パンフによれば、元は67年当時に初演という同時代性を帯びた話を、リバイバルに際して40年後の観客に向けて修正しているそう。当時はもっと混沌とした芝居だったのかもしれませんが、今回の演出は、事実として中立的に伝えたいという距離感が感じられました。性と人種の解放のモチーフも、政治運動と共に、こういった歴史のうねりの流れの中にきちんと事実として位置づけられていましたし。
当時を知る由もない若いキャストが誠実に熱を以て演じていることも含めて、非常に良いものを見ました。
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