ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

インド洋上給油継続は首相が職を賭するに値するか

2007年09月13日 00時33分10秒 | 時事
安倍首相退陣 「求心力ない」辞意 衆院本会議は流会へ(産経新聞) - goo ニュース

突然の首相退陣表明には驚いた。東京の同僚と、安倍首相はいつまでもつかというメールのやりとりをしていた矢先だ。所信表明演説後かつ、代表質問直前というこの時期の辞任は、首相としての説明責任を欠いているし無責任のそしりを免れないという世論が大勢を占めているようだが、私も賛成だ。

首相がインド洋上の給油継続に「職を賭」して取り組むと言っていたのは、一体何だったのだろうか。民主党の小沢代表に党首会談を断られて、この「国際公約」の実現が困難と判断したと伝えられる。おそらくマスコミによって矮小化されているとは思うが、国会の場できちんと論戦をする前に辞任してしまうとは小児的と言われても仕方ない。与党が国会で圧倒的多数を占めている時はいいが、参院で多数がとれず公約が果たせないとみるや政権を投げ出すようにしかみえない。

首相退陣の直接のひきがねになった、自衛隊によるインド洋上の給油活動はどれほど国際的に評価されているのだろう。新聞がイラク戦争が間違っていたと言ってはばからないドバイに住んでいると、今やブッシュ政権とその傀儡であるイラクのマリキ政権くらいにしか評価されていないようにみえる。イラクでの混乱が続き、米国内ですらイラクからの撤退論が強まる中、「テロとの戦い」というスローガンもかつての説得力を失いつつある。

後継首相の下馬評では、早くも麻生幹事長が有力だという。外務大臣も勤め、外交感覚も豊かなようだし、日曜討論などに出演しているのを聴いた限りでは、バランス感覚も優れているようだ。

安倍政権は何も実現しなかったと酷評する向きもある。だが、中国との関係は小泉政権から明らかに改善したし、総理として戦後初めて中東を歴訪し、米国一辺倒でない外交関係を築こうとしたことは評価してよいと思う。後継首相が麻生氏であれ誰であれ、良いところは継続してほしいものだ。


最新の画像もっと見る