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ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

リヤドの印象

2008年05月30日 23時13分54秒 | 旅する
正味二日の滞在だったが、記憶が薄れる前にリヤドの印象を記録しておく。

まず、ドバイとの大きな違いは高層建築が少ないこと。建物の色も形もどれも同じようで、一個一個の建物が自己主張をしているドバイとは対照的だ。パーティーで横の席に座った24歳のサウジアラビア人に聞いたら、サウジは土地がたくさんあるから建物を垂直に高くしていく必要がないという説明だった。

次に、女性をみかけることが非常に少ない。ホテルのレセプションやレストランのウェイターはみな男性。招かれて行ったパーティーも女性の参加者はゼロだ。また、ホテルのロビーやレストランでみかける白人女性は、みなアバーヤを着ている。外国人が髪や顔を出すことは大目に見られるようだが、肢体を見せることはタブーであるらしい。

セキュリティも厳しい。ホテルの玄関には自動小銃が据え付けられた装甲車が陣取っているし、コンクリートのバリケードで車が減速せずに通り抜けることができないようにしている。車を通す時には、かならずボンネットを開けさせられる。爆弾がないことをチェックするのだろう。平和度指数ランキング108位もむべなるかなと思う。

この街の日本人駐在員に話を聞いた。映画「ザ・キングダム」に描かれたようなテロは実際に2002年と2003年に続けて起こったそうだ。そのテロの影響で、米国人の多くがこの地を去ったという。犯罪に対する刑罰は厳しく、斬首や石打の刑など公開処刑は今でも行われているとのこと。

リヤド国際空港の免税店は、20平米ほどの店舗にデーツなどのお菓子と、時計がおざなりに置かれているだけだった。ダイナース・クラブ・カードで入れるラウンジもあるにはあったが、アルコールはもちろん置いてなく、ノン・アルコール・ビール(下の写真)とジュース、食べ物もカップ・ラーメンとサンドイッチ程度だった。

総じて外国人観光客に来てもらおうという姿勢は全く感じられない。サウジ国民に欠けている技術や、車や電気製品を供給する相手としてのみ、外国人は居住を認められている。そんな印象を受けた。観光を産業の一つの柱と位置付けるドバイとは対極にある。

上の写真は、市内に二つある高層建築の一つ、アル・ファイサリア・タワー。丹下健三の設計と聞いた。真ん中のミラー・ボールのようなものは、ガラス張りで中はレストランになっている。エレベーターは三菱電機のものだった。


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