ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

携帯電話の普及が進むサウジアラビア

2008年07月13日 23時11分14秒 | ICT
ガルフニュースのウェブ版は、7月11日世界各国でのiPhone 3Gの発売の様子を写真で紹介している。10枚の写真の内、日本は4枚を占めており、日本での熱狂振りがいかにすさまじかったかをよく物語っている。最長三日間という泊り込み組を始め(これ、都の迷惑条例か何かに違反しないのだろうか)1300人もの行列ができたのは、世界でも日本だけだったようだ。ラーメン屋から法律事務所にいたるまで、何でも行列を作りたがる日本人の国民性が現れていて面白い。

だが、冷静に考えると、iPhone 3Gとはそんなに画期的な携帯電話なのだろうかという疑問が頭をもたげる。すなわち、携帯電話の買い替えや携帯電話会社の変更を促進することはあっても、今まで携帯電話を持たなかった人がこれで携帯電話を買うかというと、答は否だろう。なぜこんなことを言うかというと、意外にも日本の携帯電話普及率は世界的にみてそれほど高くないからだ。これは、携帯電話料金、とりわけ基本料が高かったことと無縁ではないと思っている。そして、その高い携帯電話料金から補填を受けてコストより安く売られることで独自の進化を遂げたガラパゴス携帯。iPhone 3Gは、そのガラパゴス携帯と同じく、端末のコストを電話料金で補填するという日本では先祖返りのビジネスモデルをとっているようにみえる。

前置きが長くなったが、今日紹介しようと思ったのは、中東とりわけサウジアラビアで最近携帯電話普及率の伸びが著しいことだ。

170%を超えるというUAEの携帯電話の人口普及率については以前にも紹介した。

ガルフニュースの最近の記事によれば、UAEほどではないが、最近のサウジアラビアの携帯電話の普及率の伸びが著しいという。現時点の携帯電話加入者は2千7百万人で人口普及率が109%、今年中に3千3百40万人、人口普及率131%に達する見込みとのことだ。サウジにすでにある二つの携帯電話事業者、STCとモバイリー(エティサラットの子会社)に加え、今月にも営業を開始する予定の第三キャリア、ゼインが今年末までに130万人の加入者を獲得するだろうと予想されている。

なお、中東・北アフリカ全体での携帯電話人口普及率は現在84%で、サウジはこれを上回るものの、カタール、バーレーン、そしてUAEには及ばないという。

携帯電話でインターネットが利用でき、音楽や動画がダウンロードできるのはもちろん素晴らしい。GPSで自分の居場所がわかるのも便利に違いない。だが、携帯電話の普及率を押し上げるのはそんな高機能端末ではおそらくない。むしろ、通話とSMSだけの最小限の機能しかもたず、基本料金がとにかく安い、そんな携帯電話なのではあるまいか。

ちなみに、UAEやサウジアラビアで、i Phone 3G発売の目処は今のところ立っていない。

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