株式市場の沈滞－税制やシステムのインフラにも大きな問題が

このところ、４月以降持ち直していた日本市場も、海外市場の下落とともに頭打ちになってきた。この傾向を、海外が悪いからと片付けてしまうと間違う。日本の根本的な問題の解決がなんらなされていないことを、十分留意するべきだ。

たとえば証券税制。あの、誰にもまっとうにフォローできない、きわめてわからない税制。証券市場がわからない役人が作った代物であることは、いつものとおりだ。自民党税制調査会と政府税制調査会との関係も、十年一日のごとく変わらない。グローバル化が進み、どの国も投資を呼び込むために積極的なのに、日本はガラパゴス諸島の様相を呈しているといってもよい。

証券取引所も、役人根性が抜けず、世界の取引所からは取り残され、海外取引所との提携や連携も形式だけで、遅々と進まない。取引はしばしば停止し、それもあまり驚かなくなってきた。


株式市場の停滞には、根底にこういう要因があることに留意すべきだ。しかしながら、こういう問題は、前述のとおり、十年一日のごとく指摘されている問題で、それが一向に変わらないところに、日本の大きな問題が横たわっているということも忘れないほうがよい。