京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2024年2月 京都童心の会 通信句会結果

2024-04-01 07:58:50 | 俳句
2024年2月 京都童心の会 通信句会結果

三つ物作り
   金澤ひろあき
 2月の連句の会で、「三つ物を作りましょう」と言われました。
 「三つ物」とは「歳旦」とも言い、昔の俳人が新春に出していた三句セットです。
 「五七五」「七七」「五七五」の三句を連ねます。
 季節は、「新春」「新春」「雑」だそうな。「巳」をどこかに詠みこむという条件もあります。2月に、もう次の年の歳旦を作るというのですから、実感が少ないです。何とか作ったのが、
蓬莱に見立てるおせち寿の朱文字
 宝船には唱ふ永き世
みの上は二升大阪城にして
 三句目、「み」は「身」と「巳」の掛詞。二升は、一升枡が二つで、「ますます」。「大阪城」は音読みして「だいはんじょう」です。

皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 
康・・暉峻康瑞  修・・遠藤修司  
辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  
須・・三村須美子 さ・・岡畠さな子 
加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
    芳・・松村芳子

○野谷真治
1 立ったまま後姿の一月一日 ひ 白 須 辰
2 眠れない深夜鏡のまなざし (特 加)芳
3 ひもすがらひらめとにらめっこ
4 老人透きとおる銀河系
5 八代亜紀死ぬ掻っ込むカツ丼 巡
○青島巡紅
6 橋揺らし川面を渡る月明かり 硯 加
7 木守柿雪呼ぶ月と何話す  ひ 真 修
8 思い出や路肩の雪で球作る 加 真理
9 人知れず降る雪に笑む灯の波紋
10 六の字に見える紐巻く首に雪 
11 黒板に七色チョーク俺一人
12 潮騒と胸の高鳴り重なる夜 ひ 硯 須
13 葉と枝の燃える音呼ぶ腹の虫
14 黒板に七色チョーク俺一人 ※11と重複
15 白薔薇の蕾川面の灯の波紋 
16 卒業式母校で出来ぬ子供達 (特 ひ)(特 辰)加 白 真 修
17 地震跡保険屋乗せて巡りけり
○野原加代子
18 雪降りし去年思い空見上げ
19 若菜かな母おもいして煮びたしに
20 生きている歩けていると去年今年 (特 ひ)芳 巡 修 真理
21 水仙や一輪挿しに背が高く 硯 真
22 願い事七草粥や噛みしめて 辰
23 ろう梅やクルザード色に咲きて光浴び ひ 芳
24 大寒や年の希望に手を合わせ 白 真理
25 冬菜切り鍋囲みして湯気香り 真理
26 寒参り石段能りして息白く 真
27 寒椿寒さ堪えて群れ咲きて (特 須)須 辰 真理
○蔭山辰子
28 道路 水道 電気 家 一日も早くとりもどし ひ 真 巡
29 日を過ぎて無事の笑顔を待っています 須
30 ただでも寒い北国 たのむボランティア 加 芳 修
31 聞くところ日本中地震予測所が多く有り 芳
32 あたたかい一杯の味噌汁元気出し   加 白 真理
○岡畠真理子
33 初詣の長い列お願いごとをじっくり考える 硯
34 おみくじをそっと結んで気を引き締める ひ 硯 芳
35 境内の屋台に混じりキッチンカー 真
36 初売りスーパーお正月BGMでのんびりムード 芳
37 スーパー出てひんやり外気心地よく 加 須 巡
38 住宅街散歩小鳥の囀りに立ち止まる 白 真 芳 修
○三村須美子
39 夜通しあれこれ思う窓に露 (特 ひ)芳 辰 真理
40 念入りに道具磨いて初稽古 修
41 鶏と一緒にお食べ寒雀  加
42 風花や天地返して消石灰 (特 巡)
43 初ガラス今日も餌場を巡回す 修
44 地の新酒飲み回しする同窓会 (特 芳)ひ 真 加 巡 修
45 正月を吹っ飛ばす地震状況 辰
46 節分や水槽の魚追っかけこ ひ 巡
47 節分の豆年を数えて食みにけり
48 庭の梅まだかまだかと仰ぎ見る  加 芳 真理
49 水仙の葉ねじりねじれて寒あける 真 加 辰
50 世話やけるなと子にお節介す春隣 真 芳
○遠藤修司
51 納豆は熱くすると効果が低め健康ベストは常温でナットーク 芳
52 日常の変化がほしいすぐに出来るよ帰り道を変えてみて ひ 加 須 真理
53 高速のところどころで寒椿 私あなたの道案内 巡
54 友になりたい故郷のことゆっくり話してじっくり聞かせて ひ 須 真理
55 寒い時耳が痛い身に沁みる忠告なぜに耳痛い 真 巡 真理
56 童心のこころはありのままの心きっとみつかるよ見つかるまで一緒にさがそう
 辰 真理
57 なぜ周囲にふりまわされる私しっかり軸だけはふりとばされないで (特 真理)芳
○金澤ひろあき
58 津波です逃げて下さい 元旦暮れる (特 白)(特 真)巡
59 白日夢 津波がさらって行く昨日 真 辰 修
60 なるようにしか仕方ないという息白し 硯 須 芳 辰 巡
61 思い出語る廃墟に雨   加 白 辰
62 「復興頑張ろう」何度言っただろう平成から 須 巡
63 一人入るも二人入るも同じ時雨傘 硯 真
64 あしたはあしたぶらり風まかせ 白
65 しんきろうでも昨日の景色に戻りたい 辰 真理
66 焼き芋包む新聞に震災の太い文字 加 白 須 真 巡 修
67 節分の鬼梅林に鬼ごっこ  白 真理
68 白山の雪より白い加賀の梅 (特 修)辰 真理
69 留守に似る店の中にもあたたかさ
70 初雪の成人式となりにけり (特 硯)加 真 芳
※写真は京都の御金神社。最近ブレークしています。