京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

そてつと岩の庭 二

2019-01-24 08:11:41 | 日記
そてつと岩の庭
         金澤 ひろあき
 二
 紀ノ川をこえて、山に囲まれたのどかな風景の中を二両編成の電車がゆったりと。
 お正月に梅の花がもう咲いています。この辺り、あたたかいんですね。 
  正月に梅咲いて紀州の車窓     ひろあき
  ここからはじまる梅がいちりん
 粉河駅で降りて、まっすぐ北に十五分ほど歩くと、お寺の門が見えてきます。地元の人の初詣でしょうか。車が渋滞して動きません。
 境内を進んでもう一つ門をくぐると、中庭で、三人が太鼓をどんどん叩いています。粉河だんじり太鼓と説明があります。粉河の町もだんじり祭りがあって、その時の演目のようです。
  町の名物太鼓に迎えられる正月   ひろあき
 本堂には有名な観音様。お参りの人がいっぱいです。
 ところで石庭はどこでしょう。寺のお坊さんに聞くと、どうも通り過ぎたらしいんです。もう一回境内にもどると、先ほどの太鼓がまだ続いています。その太鼓の舞台の横手に、なんとあるじゃありませんか。
 石庭というと、坪庭のような小さなものを予想していたのですが、まあ大きいこと。石というより、岩をどしどし積み重ね、とんがった岩を天に突き刺すように立てています。そして大きなそてつの木をあわせて植えています。
 そてつは南方の産で、江戸時代には珍しかったでしょうし、当時としては前衛的な庭だったのではと、空想を楽しみます。
 今の私に足りないのは、この豪気かもと。
  天をさし笑う大そてつ大岩     ひろあき