星の声
青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作
大欠伸天頂の星輝けり
川沿いの並ぶ灯誘う朧星
狼の遠吠えいずこ朧月
四年ぶりはねず踊りの随心院
春雷やワクチンの是非再浮上
自堕落の夢に親出て春彼岸
湯煙や星まで届け酒交わす
班ごとにカレーを作る春暑し
群青の刹那の直線雉翔る
春の海着艦歓声米無人機
徳川の日の出と入りを大広間
逃げる子を笑い追う親樹々の間を
地蔵堂の花活ける人黙々と
剪定の街路樹の笑む小雨かな
語り種余さず使い春火鉢
灯に浮かぶ白花水月紅仄か
思い出は葡萄の皮の酵母菌
薫風や新郎新婦入場す
円山の葉桜の下で夢を見る
顔洗う笑うか泣くか夜の酒
頭寄せ寝過ごすことも旅のうち
日が昇る歩く足止め手を合わす
水田と東の空に日が浮かぶ
冬の月夫婦二人で屋台から
木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔
雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ
黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ
雨季終わる朽ちた戦車の笑い声
傘畳む立ち飲み屋の灯手招きす
雨上がり駆け出す子供虹かかる
廃校や更地になって桜舞う
人の顔ちゃんと見ている池の鯉
石垣の隙間を陣地にワルナスビ
大きな葉傘にうたた寝蓮蕾
朝焼けの雲の波頭に胸躍る
雀の嘴交わし飛び去るシジミチョウ
何もかもメイドインアメリカだった
星の声一眼レフで聴いている
木漏れ日や塩飴舐めて一休み
山鉾や鎧を取ればスケルトン
湧水で珈琲入れる宵の明星
午前四時燕飛び交う河川敷
薄闇に星降るような銀の花
満月やピンクの波間珊瑚産卵
襟のタイ欠伸を殺す月曜日
朝焼けの水田浮かぶ蝉時雨
葉桜の影に潜れば蜩鳴く
バス停や炭酸水飲む入道雲
街角の緑陰に人息つく暇もなく
しりとりの糸結べずに黙り込む
光冠や百日紅の花受け止める
灰になる手紙の山を乗り越える
彼岸花来ぬ人おいて墓参り
あの日の朝三日後の朝今朝も走る広島電鉄
地球に注ぐ宇宙の光は皆化石です
墓照らす盆の月にはかぐや姫
赤信号群れる蜻蛉の数増える
吃逆波間に跳ねる小アジ
返り花葉桜の間に月浴びて
西陽乗る波紋を映す橋柱
雲切れてここにいるぞとオリオン座
散歩道双子座の間を流れ星
背伸びして歩いた道の蝉時雨
素振りする少年無心空を切る
露の頭誰か叱ってくれません
漆塗り縄文からの襷継ぐ
ポイ捨ては砂漠の苗の一つです
ブラウスの背中膨らむ自転車
解いたらもう結べない彼岸花
雲間月墓石を愛撫する男
電線にたわわに実る雀かな
懐かしい幽霊と飲む酒美味し
寝る前の木星はまだ東の空
行く人よ殉教の碑の雨紅葉
屋根のないアメンボーの家空高し
熱燗と女将の色気に蛸になる
枯芙蓉朝夕の顔思い出す
倒れ込む渡した襷遠ざかる
枝払い敵も味方もありはせぬ
白梅は月に輝き鼻腔突く 辰
東山見え隠れする月の舌
よく響く旅客機の音夜寒かな
晩秋や下宿先巡る親子連れ
人差し指握る赤児と目と目合う
青島巡紅(佐久間昭三)氏遺作
大欠伸天頂の星輝けり
川沿いの並ぶ灯誘う朧星
狼の遠吠えいずこ朧月
四年ぶりはねず踊りの随心院
春雷やワクチンの是非再浮上
自堕落の夢に親出て春彼岸
湯煙や星まで届け酒交わす
班ごとにカレーを作る春暑し
群青の刹那の直線雉翔る
春の海着艦歓声米無人機
徳川の日の出と入りを大広間
逃げる子を笑い追う親樹々の間を
地蔵堂の花活ける人黙々と
剪定の街路樹の笑む小雨かな
語り種余さず使い春火鉢
灯に浮かぶ白花水月紅仄か
思い出は葡萄の皮の酵母菌
薫風や新郎新婦入場す
円山の葉桜の下で夢を見る
顔洗う笑うか泣くか夜の酒
頭寄せ寝過ごすことも旅のうち
日が昇る歩く足止め手を合わす
水田と東の空に日が浮かぶ
冬の月夫婦二人で屋台から
木漏れ日や遊び疲れた子の寝顔
雨上がり濁流に乗る縫いぐるみ
黒鷺や羽を傘とし魚呼ぶ
雨季終わる朽ちた戦車の笑い声
傘畳む立ち飲み屋の灯手招きす
雨上がり駆け出す子供虹かかる
廃校や更地になって桜舞う
人の顔ちゃんと見ている池の鯉
石垣の隙間を陣地にワルナスビ
大きな葉傘にうたた寝蓮蕾
朝焼けの雲の波頭に胸躍る
雀の嘴交わし飛び去るシジミチョウ
何もかもメイドインアメリカだった
星の声一眼レフで聴いている
木漏れ日や塩飴舐めて一休み
山鉾や鎧を取ればスケルトン
湧水で珈琲入れる宵の明星
午前四時燕飛び交う河川敷
薄闇に星降るような銀の花
満月やピンクの波間珊瑚産卵
襟のタイ欠伸を殺す月曜日
朝焼けの水田浮かぶ蝉時雨
葉桜の影に潜れば蜩鳴く
バス停や炭酸水飲む入道雲
街角の緑陰に人息つく暇もなく
しりとりの糸結べずに黙り込む
光冠や百日紅の花受け止める
灰になる手紙の山を乗り越える
彼岸花来ぬ人おいて墓参り
あの日の朝三日後の朝今朝も走る広島電鉄
地球に注ぐ宇宙の光は皆化石です
墓照らす盆の月にはかぐや姫
赤信号群れる蜻蛉の数増える
吃逆波間に跳ねる小アジ
返り花葉桜の間に月浴びて
西陽乗る波紋を映す橋柱
雲切れてここにいるぞとオリオン座
散歩道双子座の間を流れ星
背伸びして歩いた道の蝉時雨
素振りする少年無心空を切る
露の頭誰か叱ってくれません
漆塗り縄文からの襷継ぐ
ポイ捨ては砂漠の苗の一つです
ブラウスの背中膨らむ自転車
解いたらもう結べない彼岸花
雲間月墓石を愛撫する男
電線にたわわに実る雀かな
懐かしい幽霊と飲む酒美味し
寝る前の木星はまだ東の空
行く人よ殉教の碑の雨紅葉
屋根のないアメンボーの家空高し
熱燗と女将の色気に蛸になる
枯芙蓉朝夕の顔思い出す
倒れ込む渡した襷遠ざかる
枝払い敵も味方もありはせぬ
白梅は月に輝き鼻腔突く 辰
東山見え隠れする月の舌
よく響く旅客機の音夜寒かな
晩秋や下宿先巡る親子連れ
人差し指握る赤児と目と目合う

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