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京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

松尾芭蕉「更科紀行」口語訳 3 4

2024-11-21 16:59:49 | 俳句
松尾芭蕉「更科紀行」口語訳
        金澤ひろあき
三 旅の宿
 夜は宿を求めて、昼のうちに句を作ろうと心にとどめていた景色、詠んだが検討していない発句など、携帯用の筆を取り出して、灯火の下に目を閉じ、頭を叩いてうめいて横になると、あの修行僧は、(私が)旅の思いが辛くて悩んでいるのだろうと推量し、私を慰めようとする。若い頃、拝み巡った地、阿弥陀仏の貴さをある限り残らず話し、自分が不思議だと思ったことを話し続けるのは、句を作る妨げとなって、一句もまとまらない。
 こんな次第でとりまぎれて気づかないでいた月光が、壁の破れ目より、木の間に隠れながら差し込んで、鳴子の音、鹿を追う声が、所々にに聞こえた。
「さあ、月見のご馳走として酒を振る舞おう。」と言うと、宿の人が杯を持ち出して来た。杯は世間一般のより一まわり大きく見えて、やぼったい蒔絵をしている。都の人はこのようなものは風情なしと思って、手にも触れなかったが、思いがけない趣向に思えて、立派な酒杯のような気分にさせられるのも場所柄である。
  あの中に蒔絵書きたし宿の月
  桟橋(かけはし)や命をからむ蔦葛(つたかずら)
  桟橋や先づ思ひ出づ駒迎
  霧晴れて桟橋は目もふさがれず  越人

松尾芭蕉「更科紀行」口語訳
四 おばすて山 善光寺 浅間山
姨捨山
  俤(おもかげ)や姥ひとり泣く月の友
  十六夜(いざよい)もまだ更科の郡かな
  更科や三夜さの月見雲もなし
  ひょろひょろと尚露けしや女郎花
  身にしみて大根からし秋の風
  木曽の橡(とち)浮世の人の土産かな
  送られつ別れつ果ては木曾の秋
善光寺
  月影や四門四宗もただ一つ
  吹き飛ばす石は浅間の野分かな


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