京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

フリー句(自由連句)「冷めた粥」の巻

2024-02-20 13:12:59 | 俳句
フリー句(自由連句)「冷めた粥」の巻き
冷めた粥タッパから食うシンク前 青島巡紅
仕事入った売れない芸人     金澤ひろあき
名の売れたものより公園の紅葉  巡紅
退職者仲間のゆとり時間には   ひろあき
夜明け前顔見知りになる老夫婦  巡紅
茶飲み友達句会友達       ひろあき
石投げる川面に映る満月に    巡紅
ウサギの次の龍がゆらゆら    ひろあき
逃げ水を追いかけ走る選手たち  巡紅
永遠にゴールするのが夢だった  ひろあき
流転する生物見守る地球の溜息  巡紅
雲に穴 僕の胸         ひろあき
エネルギー充填 発射      巡紅
宇宙の独り言拾い集めます    ひろあき
世界樹復活させる手立てなし   巡紅
神々の黄昏へ飛ぶワーキューレー ひろあき
※ワグナーのイメージです。
天使は右手悪魔は左手人間は両手 巡紅
祝杯を声を合わせて挙げている  ひろあき
ジェイムズウエッブ宇宙望遠鏡の観測結果に日々お祭り騒ぎ 巡紅
光より早く届いているのは何   ひろあき
幾億の星に宿る生命の眩い兆し  巡紅
あうんの呼吸開く山茶花     ひろあき

祝園の句会

2024-02-20 08:24:36 | 俳句
祝園の句会
              金澤ひろあき
 祝園と書いて「ほおその」と読みます。京都府の南部、精華町にあります。
 三十年くらい前に、口語俳句の縁で知り合った塩見すず子さんの新居があり、また句会をしましょうかということで、祝園にご縁ができたのです。
 関西学研都市で、国会図書館の分館もあります。土地が広々として、緑が豊かです。その中の一つの公園を散歩したのです。落ち葉の山道。裸木の桜。今は2月ですが、春は華やぐでしょうね。
 塩見さんの友人の松村芳子さんとお会いしました。そして塩見さんのお宅へ。お宅では昼食のお心遣い、ありがとうございます。
 句会は題詠で。松村さんが持って来られた「みかん」。塩見さんのお宅の「カニサボテン」。先程の公園の「落ち葉」の三題です。少し多いかな。
○塩見すず子
咲きつぐサボテン 最後は楽しい話となり
※本当に楽しい時間でした。温かな雰囲気が素直な句に。
土俵がかわるひとり暮らしのみかんの黄
※新たな生活、住まいを「土俵がかわる」と、表現が鮮やか。明るい決意が満ちています。
○松村芳子
爪染めてみかんむく吾子今二才
※「爪染めて」という描写が生きています。これで情景が鮮やかに浮かびあがる。「今二才」の吾子へ向けている優しいまなざしも。
落ち葉踏むパシリと響く吾が歩幅
「パシリ」という音が確かに、体験を伝えている生きた言葉になっていります。
○金澤ひろあき
へそ見せるみかんは育ち良さそうな
※丸々として、大切に育てられたんだねというおいしさでしたよ。
落ち葉には生きた証があったかも
なれの果てとは言いたくはない落ち葉かな
※まあ自画像ですかね。
 他、当日作った句です。
○塩見すず子
マスクして満足するまで落葉踏む
ふりかえりつつ落葉の公園までもう少し
○松村芳子
葉がくれに蟹サボテンの赤き見る
○金澤ひろあき
灰色の空に逆立ちカニサボテン
仏壇の仏にこにこみかん盛る
落ち葉には演歌の駅がよく似合う