京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

お便りありがとうございます。2021年3月 ○暉峻康瑞様より

2021-03-30 11:24:20 | 俳句
お便りありがとうございます。2021年3月
○暉峻康瑞様より
 〝童心〟心より御礼申し候。
 経典の中に〝汝自当知〟とあり、人間は自分がいちばんわからぬ。他人の欠点はよく分かる。よって煩悩・迷うのである。わからん自己を、佛にきいてゆけと云う事也。「わからんもんがわからんことをわからんように話すからますますわからんようになるのだ、わからんもんとは自己也。佛道とは自分を学ぶことなり」
句 人間に鍵かけさくらに逢いにゆく
人間は国盗り鶴は落穂を拾いをり
歴史を煮込むと戦争だけが黒光る
さくら散る人間こうして逝くんだね
別姓を思考している女雛もいる

2021年3月 京都童心の会通信句会 特選評 その5

2021-03-30 11:03:55 | 俳句
2021年3月 京都童心の会通信句会 特選評 その5
○坪谷智恵子特選
7 この石は山のおへそよ山笑う  金澤ひろあき
 山笑うで春を感じさせられて、山のおへそでユニークさを感じ、ほっこり楽しくよませて頂きました。
○宮崎清枝特選
43 名残雪老いても解る同級生   青島巡紅
 久々振りに集まる同級会、誰もが友人の顔が分かるだろうかと案じつつ、でもお逢ひ出来たら話々止まらない様子。お上手に俳句になされ感心致しました。
○野原加代子特選
61 小春日や故郷の匂ひの宅急便  宮崎清枝
 初冬の頃の暖かい穏やかな天気の日に故郷の母から送り物があったのを想い出しました。亡き母ですが、季節毎に畑でとれた野菜や柿等を四季折々を感じる事が出来ていました。歳を取れば取るほど故郷や父母の顔が浮かびます。穏やかなほっこりする句だと思いました。
○金澤ひろあき特選
43 名残雪老いても解る同級生   青島巡紅
 私が大学生の頃でしたか、イルカさんの「なごり雪」という歌が流行しました。一つの時代が終わり、別れて行く恋人の心境をせつせつと歌い上げています。この句の「名残雪」は、その曲を指すのかどうかはわかりませんが、生きてきた時代を共有する者同士が、言わなくても解り合えるものがある、大切な物があるのだということが伝わってきます。心に響くというのは、そういうことかもしれません。


真珠庵

2021-03-30 08:08:17 | 俳句
真珠庵
              金澤 ひろあき
 2009年の11月のある日。朝方は秋の良い日和です。昼すぎからどんよりと曇り、そして大雨となります。秋の大雨の中、大徳寺の真珠庵へでかけます。酔狂ですね。真珠という名なので、暗がりの中で、ひそと光るものがあるかもしれません。
 京都といっても、アスファルトやビルのある所は灰色できたない。土と緑と石がある所で、はじめて美しいと思えます。
 大徳寺の石だたみ、そしてそれをとりまく苔。雨に濡れて生き生きとしています。かたや、来ている人間は、悪天候のせいかしょぼしょぼしています。本坊の裏手に、真珠庵。一休禅師を追慕した堺の商人が作ったお寺だそうです。ふすま絵は「蛇足」という人が描いている四季図。「蛇足」なんていう名前がおもしろい。人生ナナメにみているな、と思ったら、何と代々襲名するらしい。
 わび茶に縁の深いお寺で、村田珠光が作った七五三の庭というのがあります。石が七、五、三で、約3メートルおきに並べてあります。何か言いたいこと、表現したいことがあったのでしょうね。凡夫の目には、「そんなもんかね」というところ。
 金森宗和が作った茶室があるのですが、雨天のため、中はまっ暗。狭い、暗い二畳の茶室で、主客一亭の茶事をやったら、さぞや緊張するでしょう。利休の孫、千宗旦が「姫宗和は根性悪」といったそうですが、それが本当なら、緊張はもっと高まりますね。
 長谷川等伯の描くふすま絵の「四皓図」。それからエビが大好きな禅僧と、ブタの頭が大好きな禅僧の図などがあって、これがおもしろい。グルメな坊さんですね。ついでに一休さん、森侍女という美女が大好きで、無常とか言いながら、皆生きることが大好きだったようです。
 なお、一休さんの木像の上に、仏教最高の教えが書いてあります。
「諸悪莫作 諸善奉行」
「悪いことはするな 良いことをやれ。」という意味だそうですが、それが守れたら、とっても良い人生になりそうです。
  ぼちぼちと熟年落ち葉と話する    ひろあき

春のお彼岸さんぽ

2021-03-30 08:06:34 | 俳句
春のお彼岸さんぽ
           金澤 ひろあき
 春のお彼岸の日。年度が終わって、ほっとしました。桂の南の久世にある蔵王堂光福寺という所まで散歩です。新しく出来たJR桂川駅をちょっと東へ行った所で、新駅ができて随分行きやすくなりました。
 平安時代、村上天皇が平安京の裏鬼門のおさえとして、浄蔵という験力の強い坊さんに命じて作らせたというのですから、千年の歴史を持っています。この浄蔵さんは、八坂の塔の所に住んでいて、死んだ父、三善清行を生き返らせたり、嵐で傾いた八坂の塔を念力でどっこいしょと元に戻したり、寺に入ってきた盗賊を金縛りのかけたり……と、すごさを伝えるエピソードが多い人です。
 このお寺は、八月三十一日に久世六齋念仏踊りを行うことでも有名です。
 久世あたりは、田んぼが広がり、ところどころにマンションが建ち、久世橋という交通の要所があるので、車の多い道が走っているような所ですが、この蔵王堂の所だけは、まとまった森になっています。うれしいことです。
 お寺ですが、入り口は木造の鳥居で、「神も仏もいっしょに」という感じです。本尊の蔵王権現は、役行者が大峯山中で感得した神様ですが、桜の神霊だと言われます。この蔵王堂光福寺にも桜の木がありますが、花の季節はさぞ美しいでしょう。
 お彼岸のころは、花がほんの少し……。そのかわり、椿がさびしく道しるべのように咲いています。豆の花が、ひと足はやい春を告げています。
  千年の寺へ椿の道しるべ    ひろあき
※2009年のものです。


集合

2021-03-30 08:05:27 | 俳句
集合
       金澤 ひろあき
 4月18日、花も終わったあと、若葉の新鮮なみどりを見に、天王山を歩きました。
 ふもとに宝寺という三重の塔があるお寺があります。そこへ行くと、「鬼ふすべ」というお祭りをやっています。節分の鬼払いに似た行事のようです。山門の所に、山伏さん、鬼の面をかぶった人が四人。そして、七福神のコスチュームをつけた人が行列をくんでいます。七福神チームの人達、「一人足りない。」と騒いでいます。よく見ると、大黒様がいない。しばらくして、大黒様のかっこうをした人がやってきて、「なんとか間に合いました、すんません。」と謝っています。
 山の中なので、まだところどころ桜の花が残っています。若葉と桜をいっしょに見れるなんて最高です。
  集合よ八重の桜を目印に   ひろあき
※2009年のものです。