京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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京都童心の会 通信句会 2020年10月 選句結果

2020-11-05 08:10:56 | 俳句
京都童心の会 通信句会 2020年10月 選句結果

ずいき祭
           金澤ひろあき
 2020年は軒並み、お祭り・行事が中止ですね。
 でも、北野天神のずいき祭のずいき御輿は作っているという嬉しいお知らせです。巡行は中止ですが。
 ずいき御輿は、豊作を感謝して、ずいき芋を始め、野菜でお御輿を作ります。赤ナス、五色唐辛子、九条葱なども使い色鮮やかです。鳥居の「天満宮」の文字は麦わら細工で金色に輝いています。
 御輿の四面の欄間や鳥居の中には、色々な題材の絵があります。これらも野菜で作っています。今年話題の「あまびえ」や、アニメの「鬼滅の刃」も作られています。
 疫病退散の願いがこめられていますね。
  鬼滅の刃ずいき御輿に天がける  ひろあき

さて、皆さんの作品と選の結果です。

 選者 裸・・裸時    真・・野谷真治  白・・白松いちろう
    藤・・木下藤庵  辰・・蔭山辰子  ひ・・金澤ひろあき
    硯・・中野硯池  巡・・青島巡紅  須・・三村須美子
    さ・・岡畠さな子 智・・坪谷智恵子 清・・宮崎清枝
    加・・野原加代子

○木下藤庵作品
1 煙草吸いお蝶め蝶のたわむれを見る
2 刈入れの音で月日の短さを知る  巡 ひ
3 曼珠沙華刈入れ跡の畝に立つ   (特 加) 硯 智 白 清
4 農協の五時のサイレン犬の遠吠え
5 吾がウツは秋風と友煙草の煙り  裸 須
○金澤ひろあき作品
6 今年また巡り来る亡き人の誕生日 真 白
7 ふんわりと笑うひとり身の秋の蝶 裸 硯 智 須
8 骨まできしむ咳をして晩年らしくなる 巡 須
9 疫病神が貧乏神呼ぶ首相交代   辰
10 測ったわけではないが貧しいほうに居るらしい (特 辰)
11 ボケ防止程度の散歩彼岸花   藤 清
12 廃線の重い枕木曼珠沙華  (特 硯) 裸 真 巡 白 加 須
13 亀浮いて話題まろやか秋深む 硯
14 月を見る温泉ぽつんと一軒家 (特 白) 硯 真 智 須 藤
15 木の葉降るどろんどろろんサギ口座 智
16 口直しマロンケーキの高層化 須
○野谷真治作品
17 颱風一過夕陽が折れている ひ 藤
18 雲と遊ぶころがる言葉  (特 智) 巡 加 須
19 無音の夜の端影がない  裸
20 渡る月濡れている手紙  裸 ひ
21 秋ひらかれる腰痛の一日
○坪谷智恵子作品
22 さすが九月朝夕涼しく生き返る  藤
23 敬老の日カレンダー無口地域活動0
24 あんみつ好きさんみつ嫌い遊びたい (特 巡) 硯 辰 ひ 藤
25 鼻歌を今日も機嫌良く長まつげ 藤
26 通り道小粒で白いニラの花   白 藤 清
27 草刈り後小ぶりな萩が花咲かせ 清
28 何事もなかったように静かな月 裸 辰
29 稔る秋種無し柿が行儀良く   硯 真 須
30 マスク顔笑顔が消えたこわい顔
31 天高く心も晴れになりましょう 裸 巡 ひ
○宮崎清枝作品
32 蹲踞(つくばい)に水たっぷりと秋に入る 硯 巡 辰 ひ 藤
33 今年竹延びきり藪の深ねむり  智 加 須
34 庭隅に茗荷出る頃嫁に告ぐ   硯 須
35 愛宕山一の鳥居に鮎の宿    (特 藤) 須 
36 秋茄子のどっさり故里の宅急便 硯 白 加 辰
○青島巡紅作品
37 山紅葉愛でる間もなく子供の手
38 寺の鐘腰を伸ばして耳澄ます 真 ひ 須
39 朝市や露が涙に見える柿 (特 裸) 真
40 蕪の哭く祖霊横向くハロウィン
41 ずぶ濡れの口にリンゴの英雄や 真
42 七転び八起きの道に花の咲く  智 白
43 銀杏の噴水茶をごくごくと
44 秋晴れや石柱の拓本を取る  裸 辰 須 清
45 置いてきぼりはないなあとペットボトル ひ
46 置いてきぼりはないわと空の圧力ヤカン
47 白装束の磔案山子を見上げる彼岸花の合掌 硯 ひ
48 脳内花畑で天邪鬼が一人で笑ってる 裸 智 白
49 頑張るぞと言ってもお腹の調子には勝てない ひ
50 並の釘抜では抜けない京都タワー  真
51 河川敷を歩けば鴨親子が笑わせてくれる 智 辰
52 七転び八起き出来なかった人の自殺記事 白
○中野硯池作品
53 展帆の海王丸見に秋高し
54 展帆の綱引く親子天高し 巡 ひ 清
55 漁舟を繋ぐ射水の運河澄む
56 袋詰する新米の俵小屋  裸
57 新米をおひつに移す香りかな 加 辰 須 藤 清
58 大原の里に一群稲雀    智 白 加 藤 清
59 捨ててきし郷里思ふ栗御飯 (特 須)(特 清) 真 巡 辰 ひ 藤
60 仏飯の上に栗乗せ栗御飯  智
61 国道の遮音壁延ふ葛の花
62 蕎麦の花棚田に白く積りけり 白 須 藤 清
○野原加代子作品
63 歩きてはコスモス路に風なびき 智 清
64 曼珠沙華今年も咲きて巡り合い 加 清
65 草の穂や幼子想い遊びては  ひ
66 色づきて野山の錦点々と   硯
67 そぞろ寒歩きて想う風吹きし
68 微風やコオロギ鳴きて耳澄まし 白
69 月見草闇夜に咲きてひっそりと 藤
70 秋の風通り抜けては肌寒く
71 孫食べし栗飯作り頬ばりて
72 鰯雲空見上げして歩きたし  裸 硯 巡
○白松いちろう作品
73 赤い額紫陽花十月もコロナと闘う
74 芒の攻めに逃れる外来種の黄色 須
75 「毀滅の刀」に吹出す孫小三
76 背骨はチタンに裏打ち元気でゴミゼロ運動 裸 巡 須
77 勝負に出てど壺に嵌まる
78 大空にCの雲何がおきるのか   ひ
79 小楢の枝落とし熊ん蜂のお目覚め 加
80 落葉纏めて踏んでコロナ退散
81 すすきの穂頭を垂れて月が見えない 裸 真
82 友みな傘寿超え連合いに感謝感謝
○裸時作品
83 樹木葬蟬の空想広がって   (特 真)(特 ひ) 硯 巡 加 須 清
84 ゆで卵炎の爪でゆで上がる
85 軟骨の唐揚げ背中にしみる汗 真
86 里帰りお風呂はかなりマンモスだ ひ
87 着陸のキュウリ愛しデコボコに 須
88 濁り酒中のウヒヒを覗き込む 真 巡 ひ
89 春の滝風鈴のたなごころ無し
○蔭山辰子作品
90 豊作を聞いて嬉しいちらし寿司 硯 巡 ひ 須 藤 清
91 急な風季節が進み足の冷え
92 萩の心たった三日の小春日和 白 加
93 人は皆生身の体大切に
94 高価な薬だれもが手には入らぬもの
95 下積みを抜けたとたんに威張り出し
○三村須美子作品
96 草もみじ別れ予感のリハビリ犬  真 智 加 ひ 清
97 病む犬とはらばいぬくもる夜長かな 白
98 秋深む無理に食べさすドッグフード
99 相棒犬に体調きく祖父秋
100 鼻に手犬の息診る夜長かな    巡 智 ひ 清
101 あさがおやフェンスからの運動場
102 寒雨や金木犀の香断つ      真 白 加
103 名月て何月よりだんご両手に子  裸 智
104 小鳥来るけたたまし声混じりけり 裸 加
105 芸術の秋点からくなる花げいこ
106 闇深き先細りする虫の声     硯 真 加
107 星明かり世界遺産へと美星町 辰
108 包丁も通さぬオクラ実りけり 巡 智 辰