ふるさと納税の返礼が段々と豪華になり、返礼目当てにふるさと納税をする人が増えている。最初は、手紙を添えたり、手作りの粗品程度であったと思うのだが、最近では、納税した金額を越えるような返礼も出てきているようだ。これは、ふるさと納税の主旨から逸脱すること甚だしい。納税する人は、節税対策の一環と考え、本来納入すべき自治体に納税しても、何の返礼もないが、ふるさと納税をすれば、見返りが戻ってくるとすれば、ふるさと納税に傾くのはもっともなことだ。しかし、ある自治体では、年間の住民税の収入の半分以上の額をふるさと納税で得たところもあるようだ。自治体個々に考えれば、それだけの税金を集められるのだから、ふるさと納税を獲得しようと画策するのも分らないではない。
しかし、ふるさと納税は、本来、住居地に納められるべきもので、ふるさと納税によって、本来受け取るべき自治体の税収はそれだけ少なくなっているということを忘れてはならないと思う。ふるさと納税はあくまでも税金であって、寄付とは自ずと意味が違う。また、ふるさと納税を得た自治体も、それが税金なのだということを再度認識して欲しいものだ。どこの自治体だって、普通に税金を納めた人に返礼などというものはしないし、そんな話聞いたこともない。
まあ、謝礼は謝礼であっても良いかも知れないが、それは心ばかりの粗品程度にしておくべきだろう。自治体も過度の宣伝は自粛すべきだろうし、国としても、どこまで返礼が許されるか、基準を設けるべきだろう。さもないと、ふるさと納税による地域格差がいずれ大きな問題に発展しかねないと思うのだが、いかがなものだろう?