民主党と維新の会が合流し、民進党ができるという。いったいどんな党になるのやら、皆目検討が付かない。自民党に対抗し、対抗できるような党を作ろうという意欲は分かる。しかし、今のままでは安定した支持層を獲得するのは難しいように思う。それはどうしてかというと、
① 民主党は、前回政権を獲得したときに、口から出任せの耳障りの良い公約ばかりを掲げ、それが全く根拠がなく、実現不可能な絵に描いた餅で、国民の期待を大いに裏切ってしまった。この失敗の原因をきちんと分析し、問題点を洗い出し、建て直しができたのであろうか?甚だ疑わしい限りだ。
② 維新の会は、大阪維新の会が反旗を翻し、分裂した後、大阪維新の会との違いをきちんと整理し、政策の方向性をきちんと定めたのであろうか?どうも釈然としない。橋本氏の強力な力によって結集した維新の会である。当の橋本氏が抜けた後、いったい何が残っているのだろうか?維新の会の目玉は何なのか、釈然としない。
こんな状態で合流し、大きくなったからといって何ができるというのだろうか?
自民党の支持母体が大企業であり、大企業に有利になるような政策を次から次へと繰り出している。円安政策もその一環で、円安政策により、大企業に莫大な利益をもたらす一方で、輸入品が高くなり、物価が上昇、国民の生活を圧迫し、さらに、企業に対して大幅減税をし、その埋め合わせに消費税を増税している。これは、自民党が大企業を支持母体とし、支持母体の利益を一番に考えて政策を実行しているということは明らかだ。
そうだとすれば、自民党に対抗する野党連合は、国民の生活を優先に考え、そのための政策を実施する党であった欲しいものだ。拠って立つ基盤をはっきりと定めることが肝要で、これさえしっかりしているならば、協力関係を作り上げることは十分可能なように思うのだが、民主党、維新の会ともそれがはっきり見えていないのが残念といえば残念なことだと思う。