明日へのヒント by シキシマ博士

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「椿三十郎」 新旧どちらも素晴らしい!

2007年12月17日 01時38分19秒 | 明日のための映画
面白かった!!
もう、それだけで充分でしょう!
故・黒澤明監督の娯楽時代劇を、森田芳光監督が脚本をそのままにリメイクした「椿三十郎」です。

ある夜、とある社殿の中で若侍たちが上役の汚職を暴くための密議をしていた。
そこへ、奥の間から粗末な身なりの浪人(織田裕二)が現れる。
浪人は、血気盛んな若侍たちの考えの浅はかさを諭す。
そして、成り行きで手を貸してくれることとなる。
しかし、汚職の黒幕である次席家老・黒藤(小林念侍)の周りは、室戸半兵衛(豊川悦司)をはじめとする多くの者が守っており、こちらは頼りない若者9人。
浪人は、類まれな腕と度胸、そして機転によって何度も相手を欺き、自ら、敵に近づいていく…
(監督:森田芳光 119分)


存分に楽しめたので、ダラダラと能書きを垂れる気にはなりませんね。
でも、ちょっとだけ。

まず、黒澤版と比べてどうこう言うのは意味が無いでしょう。
黒澤版の、威圧感があった三十郎(三船敏郎)を、そのまま現代に登場させても共感しづらいと思うので。
他との協調性を持ちつつ、ものの全体像を見据える能力や窮地をかわす機転、そんな軽やかな柔軟性をより前面に出した織田三十郎こそ、現代に登場するにふさわしい三十郎だったと思います。

佐々木蔵之介中村玉緒藤田まことなどの配役も、オリジナルに劣らずピッタリと合っていると思います。
とくに、押入れ侍を演じた佐々木蔵之介さんはオイシイ役でしたね。

そして、ラストの決闘シーン。
オリジナル黒澤版でのこのシーンは、映画史にのこる衝撃的なシーンですが、森田監督はあえてそれをなぞる事をしません。
これも良い判断だったと思います。
〝アレ〟は、45年前だったから(前例がなかったから)衝撃的だったけれども、今、同じ事をやっても驚きはないと思いますから。

他にもオリジナルと微妙に変えているところがありますが、そのどれにも森田監督の意図を読み取ることが出来、私はとても納得することができました。

そして何よりも、これだけの痛快作品でありながら、〝人を斬ること〟の辛さ・苦しさが、しっかりと伝わってくる作品になっていたことが見事だと思います。
森田監督の黒澤監督への敬意も伝わる、とても後味の清々しい作品。
これは、全ての人にお勧めします!



不朽の名作、黒澤明監督の「椿三十郎」はこちら
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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (moriyuh)
2007-12-23 20:19:27
シキシマ博士さま

TBありがとうございます。
私まちがえてTBしてしまったので、お手数ですがひとつ削除していただけませんでしょうか?本当にすみません。

さて賛否両論のある作品ですが、私はオリジナルを観ていないのと、このおかげで観るきっかけになりそうなので、よかったかなぁ?と思います。

>何よりも、これだけの痛快作品でありながら、〝人を斬ること〟の辛さ・苦しさが、しっかりと伝わってくる作品になっていたことが見事だと思います。


そうなんですよね。
私はそのあたり、今の時代にあったメッセージだと感じています。また遊びに参りますね…。


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日本インターネット映画大賞募集中 (日本インターネット映画大賞)
2007-12-24 11:21:06
突然で申しわけありません。現在2007年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票にご参加いただくようよろしくお願いいたします。なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
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>moriyuhさん (シキシマ博士)
2007-12-26 01:51:23
コメントありがとうございます。
TBの間違いは私もやってしまったことがあります。気にしないでください。

この作品、オリジナルの脚本をそのまま使ってますが、敢えて変えている所が少しだけあります。
そこに、より現代に合った作品にしようという森田監督の意図が読み取れるし、成功していると思います。
moriyuhさん、これからご覧になるのでしたら、キャスティングだけでなく、そういった点にも着目して観ると面白いと思いますよ。
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良いお年を~! (猫姫少佐現品限り)
2007-12-31 23:45:48
今年はおサボり気味で、ごめんなさいでした。
来年もよろしくお願いしますね!
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あけましておめでとうございます (愛梨)
2008-01-04 22:23:41
「椿三十郎」興味はあるのですが、見にいけてないのですね。DVDが出たら見ることになりそうです。

さて、ブログなんですが、更新できない状況に陥り、再開のメドもたたないので閉鎖することにしました。
シキシマ博士さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。
また機会があればよろしくお願いします。
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>猫姫さま (シキシマ博士)
2008-01-05 20:57:23
あけましておめでとうございます。
(年末にコメント頂いたのに、年明けの返答になってしまいスミマセン)

私のほうも更新の頻度が少なく、たまにしか伺えませんが、今年もよろしくお願いします!
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>愛梨さん (シキシマ博士)
2008-01-05 21:20:19
あけましておめでとうございます。
すっかりご無沙汰しているのに、丁寧なご挨拶ありがとうございます。
こちらこそ、愛梨さんには本当に感謝しています。
このブログをスタートさせて間もない頃から、最も多くのコメントをくださったのが愛梨さんです。
愛梨さんのお陰で、このブログが軌道に乗ったと言っても過言ではありません。
ブログを閉鎖されるのはとっても残念ですが、きっと、よくよく考えた上での決断なのでしょう。
今はお仕事も忙しく、体調も万全ではないとのこと。まずは何より健康に気をつけてください。
そしてまた、気が向いたらいつでもコメントください。

本当にどうもありがとうございました。
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