※読むと危険!このブログはス○トロマニアの為のサイトです。
興味の無い方は、その手の趣味に目覚めてから読んで下さい(笑)
いよいよ私は、荒木の伝説の『ウ○コ事件』の核心に迫る事になった。
「佐野さん、荒木さんはいったい何をしたんですか?」
佐野はニヤリと笑い、新しいタバコに火を点けた。
「いや、荒木ちゃんは、漏らしてはいないよな、ノリ」
「ええ、漏らしてないですよ。荒木さんはちゃんとトイレに行きましたから」
「?」
それでは私が期待するような事件が起こらない。
「事件はトイレの個室で起きてるんじゃない、(作業)現場で起きてるんだ!」
きっと某映画のチンタオ刑事なら、必ずこの様に言う筈だ。
「じゃ、じゃあ昔ながらのぼっとん便所に落ちたとか?」
佐野はさらにニヤリとする。
「いんにゃ、そこそこ綺麗な水洗トイレだよ」
すでにノリオがヒクヒクと笑っている。
「えー、全然分からないですよ」
私は佐野に答えを求めた。佐野は口から煙を吐き出すと、笑いを堪えながら静かに言った。
「荒木ちゃんがトイレに入って『大』をしたら、不思議な事に出した筈の『物』が消えて無くなってたんだよ」
「キひぇひぇひぇひぇひぇ!」
ノリオが奇声を上げて畳みに転がる。
「はぁ?佐野さん、全然意味が分かりませんよ」
佐野は座布団から立ち上がると、やおら和式便器にまたがるジェスチャーをした。
「だから、荒木ちゃんがこうやって用を足して、立ち上がって水を流そうとしたら、『ウ○コ』が消えてたんだよ」
「きひひ、きひひひひ」
ノリオが顔を真っ赤にしている。
「消えるって、まさかパンツを穿いたまましちゃったんですか?」
佐野は笑いを堪えるのに必死だ。
「キーちゃん、いくらなんでも荒木ちゃんはそこまで馬鹿じゃないよ」
「うーん、そうですよねぇ」
佐野はもう我慢の限界らしく、口元が歪んでいる。
「で、用を済ませた荒木ちゃんが、着ていた『つなぎ』に袖を通したら…」
「キヒぇッ!キヒぇッ!」
ノリオがさらに変な声を出す。
「自分の背中に、自分が出した『ウ○コ』が、こんもりと挿まれていたんだよ」
「キヒャヒャヒャヒャヒャ!」
ノリオが畳の上でのた打ち回る。
「ウケケケケ!本当ですか?つなぎの中に?」
「うはははは、本当だって、あの時の荒木ちゃんは最高だったよ」
私は座卓を叩きながら笑い、佐野は背中を揺らし、ノリオはのた打ち回っている。
「ひひひひ…、いやぁ、佐野さん、つなぎって危険ですね」
「そうだよ、危険なんだよ。今回だって、荒木ちゃん以外は全員つなぎを着てるだろう」
私は部屋に掛けてある自分のつなぎを見た。
『つなぎ』は、上下が繋がった作業着で、かなり複雑な動きをしても、中に着ているTシャツがはみ出したり、作業ズボンがずり下がる様なことが無く、整備士などが良く着ている物だ。私は小磯とハルの意見も取り入れ、R社の作業着につなぎを採用していた。
「つなぎの方が、ゴミが腰から入らないからイイんですよね」
「そうだべ」
「でも、荒木さんはどうして『つなぎ』の背中に?」
「『大』をする時は、つなぎの上半身をまずは脱ぐべ、そんでしゃがむ時につなぎを膝まで下ろすべ」
「ああ、僕はつなぎで『大』をする時は、完全に片足を抜きますね。そして反対側の足の上に余った布地を乗せるんですよ」
「それなら『物』が消える様な事にはならないね。ところが荒木ちゃんはつなぎを膝まで下ろして、うっかりとつなぎの上半身の行方を気にしないで…」
「なるほど。そのまま自分の真下に垂れているつなぎの中に、こんもりと『ウ○コ』をしちゃったんですね」
「うん。さらに尻を拭いて、紙まで乗せてね」
「クフ、クフフフ」
ノリオが笑っている。
「あれ?立ち上がる時に気付きません?」
佐野はジェスチャーでつなぎの袖をぶらぶらさせた。
「ああ、そっか。つなぎの袖って、下に落ちると嫌だから、腰で縛りますよね」
「で、腰からつなぎの上半身をぶら下げたまま立ち上がると…」
「おお、便器に出した筈の『物体』が消えている訳だ!」
「キヒャヒャヒャヒャ!」
またノリオが大笑いをする。
「そして不思議に思いながらも儀式的に水を流して…」
「物体を内包した『つなぎ』を着用した!という訳ですか?」
「正解、正解!」
「きひゃひゃひゃひゃ!」
三人で一頻り笑うと、私は佐野に聞いてみた。
「佐野さん、その時、荒木さんはどうしたんですか?」
佐野は楽しそうに答えた。
「うん、俺のところに来たよ。『佐野さん、つなぎの中に…、ウ○コをしちゃいました…』って」
「キヒっ、キヒャヒャヒャ!キヒャヒャヒャ!」
ノリオを死にそうな顔をしながら、のた打ち回った。
翌朝、私は荒木に話しかけた。
「荒木さん、佐野さんとノリくんから聞きましたよ」
「?」
「歩道橋に荒木さんがよく落ちている話と、『つなぎ事件』の話」
「…」
荒木は無言で俯き、恥ずかしそうに照れ笑いをした。
「うははは、キーちゃん、朝飯食ってる時にその話かよ!」
佐野が爆笑している。
「むはははは!木田さん、勘弁して下さいよ!」
ノリオも口から飯をこぼしながら笑っている。
「何々、なんの話?」
小磯が興味を示す。
「えーとですね…」
この日、荒木は、ウォータージェットチームの『伝説の男』となった。