どんぴ帳

チョモランマな内容

はくりんちゅ160

2008-04-15 23:42:35 | 剥離人
 美人でセクシーな怪しいC国人は、私を雑居ビルの二階に案内した。

 そこは店というよりも、潰れた診療所という雰囲気だった。
 室内は薄暗く、病院の大部屋の様にいくつものカーテンで仕切られていた。隣のカーテンの中には、誰か先客が居る様で、客が自分一人では無いことが分かって、私は少しだけ安心した。

「はい、そこのベッドに寝てくれる?」
 私は言われるがままに、ベッドに横たわろうとした。
「その前に服を脱いでね」
 私は服を脱ぎ、脱いだ服を籠に入れた。
「ちょ、ちょっと待て」
 女はいきなり籠を持ち去ろうとした。
「心配?」
「うん、心配」
 私は即答する。
「じゃあ、ベッドの下に置くね」
「そうだね」
 すでにこの段階できな臭い店だが、命までは取られないだろうと判断する。もちろん身分証明書やクレジットカードは、ホテルの部屋に置いて来てある。財布に入っているのは現金だけだ。
「じゃあ、マッサージをするからうつ伏せになって下さい」
 言われるままにうつ伏せになると、ベッドの先端部分がU字型に切り欠いてあり、顔がそこにはまるようになっていた。どうやら、この店は、元々はきちんとしたマッサージルームだった様だ。
「じゃ、パウダーつけるね」
 彼女は私の背中にパウダーをつけると、指先でなぞり始めた。気持ちいいような、少しくすぐったいような気もする。
「ちょっと待ってね」
 数分もしない内に、彼女はいきなり仕切られたカーテンから出て行った。
「・・・」
 私は薄暗い周囲をじっくりと観察した。隣のカーテンの中からは、時折ボソボソと話し声がするが、何を会話しているのかは分からない。ベッド周りをよくよく見てみると、あまり清掃も行き届いておらず、お世辞にも衛生的とは言えない。突然、カーテンの隙間から、女が入って来た。
「ハイ、続キシマスヨー」
「?」
「ハイ、寝テクラサイ」
「あのさ、交代しちゃったの?」
「交代シテナイレスヨー」
「・・・」
 どう見てもさっきの美人を1.5倍に拡大したような、無骨な女が私の背中をマッサージし始めた。
「あのさ、さっきのお姉さんにしてもらう条件だったんだけど」
「私レスヨー」
「・・・」
 もはや会話が成り立っていない。
「ハイ、反対向キニナテクラサイ」
「・・・」
 反対向きになると、いきなり乳首と股間を責められる。それでも反応するのが男の体だ。
「ハイ、アト五千円クラサーイ」
「あのね、お金は店に入った時に一万円払ってるでしょ」
「ジャ、ココマレレース」
「・・・」
 完全な筍剥ぎ(サービスに応じて次々と料金を追加すること)だ。どうりで服の入った籠を、外に持ち出したがるはずだ。
 私はいきり立った股間と、自分の思考回路を照合した。
「はぁ、まあいっか。はい、じゃあ五千円ね」
 私はベッドの下の籠から財布を取り出すと、ゴツイ彼女に五千円札を一枚渡した。
「ハイ、ジャア続ケマース」
「・・・」
 彼女は義務的に手を動かし始めた。
「手コキなの?」
「口ハ別料金デース」
「・・・」

 十五分後、私は雑居ビルの階段をゆっくりと下りた。
「お兄さん、マッサージどう?」
 またしてもあの美人が通りでカモを狙っている。私は背後から忍び寄ると、後から胸を鷲づかみにした。
「きゃあ!」
「きゃあじゃないでしょ、俺へのサービスはどうなったの!」
 女は驚きながらも作り笑いをした。
「でも気持ち良かったでしょう?」
「ううん、今一。これはペナルティね」
 私はそう言うと、彼女の顔を両手で捕まえて、ベロで一気に舐め回してやった。
「ひぃえええええええ!」
 彼女は悲鳴を上げた。私は彼女から素早く離れると、笑顔で手を振った。
「じゃーね、おやすみぃ!」
「おやすみじゃないよぉ!」
「また来るねぇ!」
「もう来なくてもいいよぉ!」
「ばいばーい!」

 彼女は苦笑いをしながら、私をいつまでも見ていた。私はわざとオーバーアクションで手を振ってやった。