※被災地NGO協働センターからの情報を紹介します。
被災地NGO協働センターです。
5月末より岩手県の「遠野まごころネット」で活動している
スタッフ増島智子のレポート、
「『まけないぞう』がつなぐ遠野ものがたり」をお送りします。
→写真はブログへ
http://miyagijishin.seesaa.net/article/208286041.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 6月5日(水)
………………………………………………………………………………………
今日は、大船渡市にある、赤崎地区へ足湯隊に同行して行きました。このエリアは
最近水道が復旧したそうです。足湯隊の活動中、近くの避難所、後之入公民館へ訪
問しました。今日は三陸への温泉ツアーのバスが出ていて、避難所には人がいな
かったのですが、留番をしていた男性が対応してくれました。ここには19名の避難者
の方がいて、近隣の住宅には110名の避難者がいるそうです。また近くには赤崎漁村
センターという避難所が小高い丘の上にあり、ここには80名の被災者が避難している
そうです。ここも周りは全てがれきの山で、油があちこちこびりついていました。
仮設住宅の抽選もあったようですが、入居者はまだ決まらず、水道の工事が終了し
ていないので6月中旬以降順次入居が開始されるようです。そこで、近くに建設中の
後之入仮設住宅(64戸)を視察に行きました。ここの敷地は砂利で覆われ、幸いにも
「コミュニティセンター」が確保されていました。けれど、現状では被災地内の仮設住
宅すべてに「コミュニティセンター」が建設されているわけではありません。陸前高田
市で足湯隊が仮設住宅に入り、自治会長さんから、「仮設の中で声を掛け合う場所が
ない」、入居者からは(足湯隊が訪ねると)「やっと人が訪ねてきてくれた」などの声を
ひろっています。すでに「孤独」に追い込まれているのです。陸前高田市では「コミュ
ニティセンター」がないという声をよく聞きます。足湯隊は「コミュニティセンター」がな
い仮設が多いので、テントを持参で活動を行っています。
阪神・淡路大震災の教訓から「孤独死」の前には「孤独な生」があると言われていま
した。この「孤独な生」をつくらない環境づくりが急務です。そのためにも人と人がふ
れ合える「コミュニティセンター」は仮設には必須条件なのです。
一方で行政の対応を待てずに、被災者自ら立ち上がろうとしています。以前からお
伝えしている「まごころ広場」では、近隣の避難所の人が「まごころ広場」を「のれんわ
け」してほしいという声が上がり始めました。リーダーの臼澤さんも大歓迎で「広場」を
他の地域にも広げていきたいと意欲的です。この広場に訪れた人は「広場は毎日あ
いているからいい」と、笑顔で話してくれた被災者の方がいました。この言葉は神戸で
の活動中にも「ここにくればいろんな人に会えるし、自分の好きな時間にこれるから楽
しい」と聞いたことがあります。
「孤独な生」をうみださない環境づくりを被災者みずから取り組みはじめました。神戸
での失敗を繰り返さないため、被災地の声をひろっていきたいと思います。どうぞみな
さん見守ってください。
◆「まけないぞう」がつなぐ絆◆
~被災地から被災地へ、支援のリレー~
★1本のタオルでボランティア★
まけないぞうをつくるための新品のタオルが不足しています。
家庭や職場などでおいてある新品のタオルを提供して下さい。
よろしくお願いします。
詳しくはこちら↓↓
http://miyagijishin.seesaa.net/article/199882261.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
被災地NGO恊働センター
E-mail ngo@pure.ne.jp
URL http://www.pure.ne.jp/~ngo/
TEL 078-574-0701 FAX 078-574-0702
〒652-0801 神戸市兵庫区中道通2-1-10
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被災地NGO協働センターです。
5月末より岩手県の「遠野まごころネット」で活動している
スタッフ増島智子のレポート、
「『まけないぞう』がつなぐ遠野ものがたり」をお送りします。
→写真はブログへ
http://miyagijishin.seesaa.net/article/208286041.html
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 6月5日(水)
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今日は、大船渡市にある、赤崎地区へ足湯隊に同行して行きました。このエリアは
最近水道が復旧したそうです。足湯隊の活動中、近くの避難所、後之入公民館へ訪
問しました。今日は三陸への温泉ツアーのバスが出ていて、避難所には人がいな
かったのですが、留番をしていた男性が対応してくれました。ここには19名の避難者
の方がいて、近隣の住宅には110名の避難者がいるそうです。また近くには赤崎漁村
センターという避難所が小高い丘の上にあり、ここには80名の被災者が避難している
そうです。ここも周りは全てがれきの山で、油があちこちこびりついていました。
仮設住宅の抽選もあったようですが、入居者はまだ決まらず、水道の工事が終了し
ていないので6月中旬以降順次入居が開始されるようです。そこで、近くに建設中の
後之入仮設住宅(64戸)を視察に行きました。ここの敷地は砂利で覆われ、幸いにも
「コミュニティセンター」が確保されていました。けれど、現状では被災地内の仮設住
宅すべてに「コミュニティセンター」が建設されているわけではありません。陸前高田
市で足湯隊が仮設住宅に入り、自治会長さんから、「仮設の中で声を掛け合う場所が
ない」、入居者からは(足湯隊が訪ねると)「やっと人が訪ねてきてくれた」などの声を
ひろっています。すでに「孤独」に追い込まれているのです。陸前高田市では「コミュ
ニティセンター」がないという声をよく聞きます。足湯隊は「コミュニティセンター」がな
い仮設が多いので、テントを持参で活動を行っています。
阪神・淡路大震災の教訓から「孤独死」の前には「孤独な生」があると言われていま
した。この「孤独な生」をつくらない環境づくりが急務です。そのためにも人と人がふ
れ合える「コミュニティセンター」は仮設には必須条件なのです。
一方で行政の対応を待てずに、被災者自ら立ち上がろうとしています。以前からお
伝えしている「まごころ広場」では、近隣の避難所の人が「まごころ広場」を「のれんわ
け」してほしいという声が上がり始めました。リーダーの臼澤さんも大歓迎で「広場」を
他の地域にも広げていきたいと意欲的です。この広場に訪れた人は「広場は毎日あ
いているからいい」と、笑顔で話してくれた被災者の方がいました。この言葉は神戸で
の活動中にも「ここにくればいろんな人に会えるし、自分の好きな時間にこれるから楽
しい」と聞いたことがあります。
「孤独な生」をうみださない環境づくりを被災者みずから取り組みはじめました。神戸
での失敗を繰り返さないため、被災地の声をひろっていきたいと思います。どうぞみな
さん見守ってください。
◆「まけないぞう」がつなぐ絆◆
~被災地から被災地へ、支援のリレー~
★1本のタオルでボランティア★
まけないぞうをつくるための新品のタオルが不足しています。
家庭や職場などでおいてある新品のタオルを提供して下さい。
よろしくお願いします。
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被災地NGO恊働センター
E-mail ngo@pure.ne.jp
URL http://www.pure.ne.jp/~ngo/
TEL 078-574-0701 FAX 078-574-0702
〒652-0801 神戸市兵庫区中道通2-1-10
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 6月7日(火)
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今日は、大槌町の赤浜エリアの赤浜小学校に2回目の訪問です。みなさん待っていてくれたようで、「ぞうさん、ぞうさん」と10人くらいの方が集まって来てくれました。前回参加された方も復習ということで、参加してくれました。
ここでもすでにぞうさんをたくさん作ってくれていました。以前にも紹介させていただいた、美容室をしていたKさんは練習をしていて、「私の美容室は津波で流され、もう仕事ができなくなってしまったので、このぞうさんを仕事としてやらせてください」と申し出てくれました。Kさんの自宅は目と鼻の先が海で、本当にすべてが流されています。ただ、なぜか、美容室の看板だけが流されずにそのまま壁に掛かっていました。いつかまたこの看板がお客さんを呼んでくれるといいのですが・・・。Kさんは積極的に練習をしている間にも手直ししながら作ってくれました。美容室が再開できるまで、「まけないぞう」が彼女を支えてくれることを願っています。
また、今回初参加で、いつも避難所の食事係をしている女性3名も参加してくれました。とてもにぎやかで楽しい人たちでした。一生懸命作っていて、ちょっと目を離したら、ぞうさんを作っているのははずが、キリンの首のように鼻が長くなり、みなさん大笑いでした。もう一人の方は、「これはいいわ、集中できるし、楽しいわ」と話してくれました。
お鼻をつくっていた、おばあちゃんは糸がほつれて、ぞうさんのお鼻に、なんと"鼻毛"が出てしまいました。それを見てそのおばあちゃんはお腹を抱えて笑い転げ、「あ~お腹が痛い」と、笑いがとまりませんでした。瓦礫の街に笑い声が響き渡りました。
今回初参加のメンバーの方たちは普段、朝・昼・晩と80食の食事を提供している食事チームの方たちだそうです。今日はお弁当の日なので、お味噌汁だけつくればいいので、時間があるからとぞうさんづくりに参加してくれました。みなさん手先が器用で笑いながら針を運ぶ手が軽やかでした。
また、ここでは女性たちのグループが集まった古布をリサイクルでお風呂マットにしたりしていました。最近「赤浜オシャレ工房」というものを立ち上げたそうです。長引く避難生活のなかで工夫しながら、楽しみを見つけ生活している姿にこちらが元気を頂きました。みんなでワイワイがやがや津波のことを忘れ、楽しいひとときは過ぎていきました。
本日は下記の内容をお送りします。
▼つぶやきから見える風景
▼「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり
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つぶやきから見える風景
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6月18日、震災から100日が経過しました。この間少しずつ瓦礫が撤去されたり仮
設住宅への入居が始まったりと、状況は移り変わってきました。
私たちは災害直後から、「足湯」ボランティアが接した被災者の声を「つぶやき」と
読んでご紹介してきましたが、そのつぶやきも時を経るにつれて変化し、人々の置か
れている状況を映し出しています。
私たちは、改めて被災された方の思いに目を向け、寄り添い続けるため、「つぶや
きから見える風景」と題していろいろな時期のつぶやきをご紹介していきます。
* * *
人によくしてもらってねえ、ありがたいわ。
毎日泣いてるのよ。でも、悲しくて泣くんじゃないの。
自分のほんとの悲しさは、仮設に入って自分の空間を持ってからになると思うわ。
避難所では、やっぱり言いたいことを我慢してるからね…。
(4月2日、70代女性、岩手県)
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 6月15日(水)
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今日は、大槌エリアの小槌地区多目的集会所に伺いました。そして、今日はまた遠
野市の松崎町婦人会のKさんが講師としてデビューしました。
以前にお邪魔してから時間が少し経っていたのですが、みなさんいろんなぞうさんを
作ってくれていました。子ぞうやレターフォルダー、キーホルダーなどいろいろな形の
「まけないぞう」が生まれていました。手先が器用な方が多く、工夫されていました。
今日の講習では、夢中になりすぎていて、静かにもくもくと作っていました。以前、お
孫さんが盛岡から会いに来ていて、一緒にぞうさんを作っていたMさん。津波でご主
人がいまだみつからずにいるそうです。今週末もお孫さんが会いに来てくれるので、
待ち遠しい様子でした。
松崎町の婦人会のKさんは、大槌町に親戚がいて、震災の前の日にお葬式で会っ
て、その次の日に津波で亡くなってしまったそうです。「あとは任せたよ」と言われた
ような気がしていると話しておられました。その避難所にいた方が偶然にもKさんの
親戚の近所の方で話しをすることができました。Kさんは、「大槌町に行くので、誰か
その親戚の方を知っている人がいるかも知れない」と思っていたそうです。話の中で
は、「堤防沿いの人たちはほとんど津波もってかれたよ」「糸も針もなんにもなくなっ
た」と・・・。
今日の「まけないぞう」講習会は、足湯隊がイベントに参加したときに、偶然遊びに
来ていた被災者の方と出会って、「ぞうさんの材料がないから早くきて欲しい」という
声を聞いてくれたのです。その被災者の方は仮設があたり、今日は引っ越しの準備
などで忙しく参加できませんでした。
みなさんは仮設では避難所でせっかく仲良くなった人たちがバラバラになるので、
不安だけど早く入りたいと、気持ちは交錯しているようです。また、仮設住宅の敷地
は、すべて砂利道です。杖を使ったり、足の悪い人はとても歩きにくいそうです。靴
底が薄いと石があたり痛くなったり、つまづきそうになるので心配ともらしていました。
もちろん車いすやベビーカー、シルバーカーでは移動は大変になります。行政には
アスファルトなどの舗装を検討してもらいたいものです。
日々仮設へ移行している被災者の方、避難所に残る人たちそれぞれの気持ちが複
雑にいりくむなかで、「まけないぞう」が辛いことを少しでも忘れられる瞬間であってほ
しいです。
被災者のつぶやき
「こんなぞうさんを教えてもらって幸せ」・・・
(増島智子)
被災地NGO恊働センター
E-mail ngo@pure.ne.jp
URL http://www.pure.ne.jp/~ngo/
TEL 078-574-0701 FAX 078-574-0702
〒652-0801 神戸市兵庫区中道通2-1-10