ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

やはり! 日本お得意の先送り

2017年09月20日 12時42分53秒 | 国際・政治

 お蕎麦解散の可能性が報じられた、このままもりもかけも捨てられるのかな、と思ったらこれです。ロイター通信社が速報として12時2分付で報じていました。

 「財政目標の先送り表明へ、PB黒字化は『2020年代』=政府筋」(http://jp.reuters.com/article/財政目標の先送り表明へ-PB黒字化は「2020年代」=政府筋-idJPL4N1M11BW?il=0

 今更驚くことでもない、と思われる方も多いでしょう。私自身もそうです。「やはり」というのが、目にした瞬間の感想でした。

 一見するとわかりにくいかもしれませんが、これまで、PB(基礎的財政収支)の黒字化は2020年度に設定されていました。しかし、達成がほぼ不可能に近いことは、これまで報じられてきたところから明らかです。そこで、2020年度ではなく、2020年代となった訳です。こうすれば、2021年(度)から2029年(度)か2030年(度)までの間に財政健全化が達成されればよいことになります。

 第193回国会が閉じられてから、「人づくり革命」、「生産性革命」などという言葉が飛び交うようになりました。1960年代の社会主義諸国かと思えたほど、多用されています。それはともあれ、これらの「革命」を推進するためには、PBなどは後回しにしなければならない、ということなのでしょう。

 しかし、政府債務残高がGDPの2倍を超えるほどの水準になってから10年程になります。これでよくぞ円が暴落しないものであると不思議な気もするのですが、やり方を間違えれば、確実に国民生活が破壊されます。そうなれば、「人づくり」も「生産性」も何処かへ吹っ飛びます。

 そうでなくとも、確実に将来へツケを残します。少子化がますます進行する可能性も否定できません。

 あるいは、子にとっての最大の親孝行は、親が残したツケだの何だのを精算することである、ということなのでしょうか。親が子に孝行をさせたいのであれば、親が今のうちに借金をしても贅沢に、気ままに生活し、子に全てを払わせればよい、ということになります。理由はいくらでも付けられますから。今までの日本は、どことなくそのような気分を持ってきたのかもしれません。しかし、そうであるとすると子は大変です。朝日新聞に先日不定期連載された「負動産」のような話が国全体で頻出することになるでしょう。

★★★★★★★★★★

 ちなみに、どうでもいいことですが、私は、もりであれかけであれ、蕎麦をよく食べます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新二子橋から、夜の世田谷区... | トップ | 法学特殊講義2Bのために »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事