ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

財政法にある、おかしな(?)条文

2023年04月14日 00時00分00秒 | 法律学

 講義の準備のため、e-govの法令検索を使って財政法を参照していました。そこで、おかしな条文を見つけました。

 財政法第2条は、次のとおりです。

 第1項:「収入とは、国の各般の需要を充たすための支払の財源となるべき現金の収納をいい、支出とは、国の各般の需要を充たすための現金の支払をいう。」

 第2項:「前項の現金の収納には、他の財産の処分又は新らたな債務の負担に因り生ずるものをも含み、同項の現金の支払には、他の財産の取得又は債務の減少を生ずるものをも含む。」

 第3項:「なお第一項の収入及び支出には、会計間の繰入その他国庫内において行う移換によるものを含む。」

 第4項:「歳入とは、一会計年度における一切の収入をいい、歳出とは、一会計年度における一切の支出をいう。」

 この中でおかしいのは第3項です。冒頭の「なお」は不要であるからです。管見の限りですが、文中であればともあれ、条または項の冒頭に「なお」が使われた条文は、他にありません。

 また、位置もおかしいと言えます。何故なら、第1項を読み直せば、冒頭の言葉は「収入」であり、「現金の収納」は「収入」の定義に入るからです。第2項と第3項の位置が逆になっているということになります。


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