私は、仕事柄、判例などのデータベースを使います。そして、講義・演習の場においても、手っ取り早いということで、学生にデータベースの利用を促すことがあります。最高裁判所民事判例集、最高裁判所刑事判例集、訟務月報、判例時報、判例タイムズなど、雑誌扱いの判例集を参照するほうがよいのですが、これらに載っていない判決もありますし、大学の図書館によっては参照できない判例集もあります。
そこで、私は、大学の図書館であればLEX/DB(TKC法律情報データベース)を使えるはずであるということで、これをまず推しておくこととしています。一審判決、控訴審判決、上告審判決とある場合にも検索をしやすいですし、他に参照すべき判決を探すのも楽です。それだけでなく、判例集に掲載されていない判決でも、かなり多くのものを参照することができます。また、税務訴訟資料のようにCD-ROMで発行されているもの、国税不服審判所の裁決、公正取引委員会の審決なども参照することができます。
次に推すのは裁判所のサイトです。どの程度まで判決を収録しているのかわからないところもあるのですが、訟務月報、判例時報、判例タイムズなどに掲載されていない判決も掲載されていることがあります(PDFファイルです)。
逆に、最近、非常に使いにくくなったデータベースがあります。それも租税法の分野です。書いてしまってよいものかどうか迷うのですが、改善を望むということで記しましょう。その名は
TAINS(タインズ):日税連税法データベース
です。昨年辺りから、検索のページがわかりにくくなり、判決を探すにも手間取ります。判決日などの条件を入力しても、どこのボタンを押せば検索できるのか、などという点がわかりにくくなりました。上手く検索できれば運がよい、とまで言えるくらいです。あまりに面倒なため、裁判所のサイトかLEX/DBを利用することが多いのです。
これは、私の環境によるのでしょうか。自宅のMacBook ProやMacBook Airで、サファリを利用するから使いにくいのでしょうか。それならそれで、困った話です。
しかし、租税法の分野ですと、たとえば税理という雑誌では判決速報のような記事においてTAINS(タインズ)の番号が書かれていたりしますし、LEX/DBなどよりも早い時点で判決が紹介されたりするのです。
様々な事情があることはわかりますが、検索しにくいデータベースは、掲載情報が少ないデータベースよりもはるかに使い勝手が悪いので、見直していただきたく、敢えて記しました。