小うつな人・ケアマネな人、を応援する日記

小うつな方・ケアマネな方、どっちでもある方のために捧げる、ネタのたわごとです。めざそう癒し人!?

エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)梨木 香歩 (著) を読んで

2012-07-12 08:38:46 | 弱さへの思考
小説というものを久しぶりに読んでみた。
ここのところ、読んでいなかった。
理由は、「多少文章の上手いやつの妄想に付き合う時間は無い」という理由からだ。

それよりも、関わっている人びとの幻覚や妄想や認知症からくる様々な言動の方が、
はるかに興味深い。何よりも、職業柄、関わらねばならない。

ということで、この本。
お読みいただいていない方もおられるので、感想文が難しい。


内容を「MARC」データベースより引用すると…
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私、コウコと、ばあちゃん、さわちゃん。トイレへ行く他はほとんど寝たきりの少し呆けた祖母の心にあるものは…。現在と、祖母の若い日の物語が1章ごとに交代で同時進行する。
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こんなところでいいだろう。
読みやすいので、簡単に読めます。

一言で言えば、「ミステリー小説?かな?」ということである。

聖書をベースにおいているのならば、もうちょっと奥深くできるはずなのに、わざとか、作家の力量か、「???」というところが結構たくさんある。
そして、「pie-jesu」=慈しみ深い神、という点については、一切書かれていない。
これは、どうなのかねぇ…という気持ち。

ついでに、介護職から言わせると「ありうるとは思うけれど、まぁ、ないよな」という描写が多い。
作家の体験か、情報提供者の経験なのかはわからないが、まぁ、ないよな。でも、あるかもしれない。

こういうところを読んでしまうと、興冷めしてしまう。

これで、本が出版できちゃうところが、出版不況の原因のような気がする。
もうちょっと研究して欲しいと思います。


でも、まぁ、何が言いたいのか?というツッコミを入れなければ、

作家の妄想に付き合って、ミステリー小説と思えば、

それなりに面白いと思います。

特に、祖母の時間の描写は、時代を反映しているようで、映像が浮かんできます。


お時間と余裕のある方は、一読を。

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