続 ターボの薩摩ぶらり日記

ー俳句と写真の相乗効果をめざしてー 

春の鵯

2020年03月31日 | 日記

3月29日、谷山中央で写す。

琴坂の音色乱せし春の鵯  芳 枝
「脇句」
みなに避けられ侘しき花見  ターボ
「第三」
夕桜いつちの手柄犠打ならん  〃

第三句について
歌仙の第三句は下五を、して、 て、に、にて、らん、もなし、などの語で留めるという制約がある。
これでは佳句ができるはずがない、という疑問を抱いていたが、それでいいのだと最近になって思うようになった。
歌仙はチームプレーであり、第三句の役目のひとつは犠打を放って発句、脇句の塁をすすめること。第四句が付けやすいようにして自分は犠牲になれば評価される。
ベートーベンの第九交響曲の第三楽章は、切れずに第四楽章の歓喜の歌へとバトンタッチするが、第三句の役割はそれに似ていると思った。

如月の鷺

2020年03月29日 | 日記

3月25日、 和田で写す

如月のひかりとなりて鷺立てり  富 子
「脇句」
夕東風に乗り一途に帰巣  ターボ
「第三」
橋渡る卒業証書の筒抱いて  〃

如月:歳時記では陽暦三月。

河原鶸

2020年03月27日 | 日記

3月25日、和田で写す

黄羽振り降りてまた翔つ河原鶸  晨 平
「脇句」
水温みゐて沐浴したげ  ターボ
「第三」
春の雲川容るる河なめらかに  〃


広辞苑(第六版)によると河原鶸は春季。多くの歳時記では秋季だが。

常盤万作

2020年03月24日 | 日記

2月23日、谷山中央で写す。

摂心の障子まんさく咲きにけり  公 司
「脇句」
冴返る朝ひびく警策  ターボ
「第三」
飼猫と野良猫の恋垣越えて  〃

別名が金縷梅なので万作の花は金色かと思っていたが、このあたりは紅色、白色がほとんど。常盤万作と言うそうだ。


土佐水木

2020年03月20日 | 日記

3月17日、谷山中央で写す。

土佐水木咲く奥津城に古碑並ぶ   まつ子
「脇句」
明るく麗ら南国の花  ターボ
「第三」
霾よ来るな疫病神ならん  〃

霾=歳時記には黄砂が降ることと載っているが、一般の国語辞書には不載。読み:ツチフル。 


都忘れ

2020年03月19日 | 日記

3月17日、谷山中央で写す。

居を移すたび買ふ都忘れかな  満 子
「脇句」
次第に鄙へ春の転勤  ターボ
「第三」
花見酒百薬の長確かにて  〃

多くの新型コロナウィルス患者を出したダイヤモンドプリンス号は鹿児島に寄港、乗客が市内観光し濃厚接触したが、目下鹿児島県は感染者数ゼロ。
観光客は谷山港の焼酎工場を見学して試飲したので、それが効いたというのが、かかりつけの歯医者の診立て。



木瓜の花

2020年03月18日 | 日記


3月16日、谷山中央で写す。

木瓜の緋に手を出し刺され老いたるよ  梛子夫
「脇句」
蓬で浄む散策の傷  ターボ
「第三」
向き変ふる三月の風気まぐれに  〃

往年のイタリア映画「三月生れ」の惹句は「女子大生のヒロインは、三月の風のように気まぐれだった」と記憶している。
記憶が正しければ、第三句は俳句としては惹句を17字にまとめただけ。しかし連句のなかで発句のテーマの遊び心を付けたくて載せた。

緑立つ

2020年03月17日 | 日記

3月16日、谷山中央で写す。

朝毎の名演奏者緑立つ  波 郷
「脇句」
部屋を温めて耳搔き待機  ターボ
「第三」
けんけんと啼く雉夜の明くるらん  〃

「緑立つ」が季語とは永い間知らず、知ってからも魅力を感じなかった。
同義の「松の芯」の方が季語として優れていると思っていたが、最近気になりだしたので調べてみると、歌仙の世界では大昔から愛用されていた。文亀元年(室町時代 後柏原天皇)の「連歌新式追加並今案等」に春として初出されているという。