3月29日、谷山中央で写す。
琴坂の音色乱せし春の鵯 芳 枝
「脇句」
みなに避けられ侘しき花見 ターボ
「第三」
夕桜いつちの手柄犠打ならん 〃
第三句について
歌仙の第三句は下五を、して、 て、に、にて、らん、もなし、などの語で留めるという制約がある。
これでは佳句ができるはずがない、という疑問を抱いていたが、それでいいのだと最近になって思うようになった。
歌仙はチームプレーであり、第三句の役目のひとつは犠打を放って発句、脇句の塁をすすめること。第四句が付けやすいようにして自分は犠牲になれば評価される。
ベートーベンの第九交響曲の第三楽章は、切れずに第四楽章の歓喜の歌へとバトンタッチするが、第三句の役割はそれに似ていると思った。