カトレア

１１月２９日、ベランダにて写す。

カトレアの卓に詩集とウォークマン　　 榮　治
「脇句」
方丈あれば足る冬籠　　ターボ
「第三」
肌着替ふ布団の中の寝技もて　　〃

訂正　画像はガーベラの誤りにつき、訂正・お詫びします。

山茶花

１１月２７日、谷山中央で写す。

山茶花に雨待つこころ小柴垣　　 鏡　花
「脇句」
松葉敷かれて茶室への径　　ターボ
「第三」
棒拾ふいづれ杖とし世話ならん　　〃

枇杷の花

１１月２６日、谷山中央で写す。

身ほとりの影淡くなる枇杷の花　　 葉　子
「脇句」
真冬に咲いて実を結ぶさま　　ターボ
「第三」
挑むべし漢詩の暗記老いたるも　　〃

枯枝

１１月２５日、谷山中央で写す。

一羽見えてより枯枝の眼白たち　　節　子
「脇句」
縄張りせずに睦む寒禽　　ターボ
「第三」
橋の上急ぎ来る犬用あらん　　〃


＊発句の季題は枯枝（冬季）とし、目白は歳時記に
よってまちまちなので無季扱いにした。

黄落

１１月２４日、谷山中央で写す。

黄落や城址は土塁残すのみ　　千枝子
「脇句」
清月に映ゆ滅びゆくもの　　ターボ
「第三」
晩秋や室内楽に魅せられて　　〃

石蕗の花

１１月２３日、谷山中央で写す。

寺の庭どこまでが庭石蕗の花　　汀　子
「脇句」
もと野良猫はいま竈猫　　ターボ
「第三」
晩鐘の余韻は鐘に納りて　　〃

冬雀

１１月２１日、平川で写す。

朝茶のむうちは居よかし冬雀　　 乙　二
「脇句」
小春の窓辺極楽気分　　ターボ
「第三」
留守番や掃除ロボット監視して　　〃

冬菜畑

１１月２１日、平川で写す。

あさみどり濃みどり綾に冬菜畑　　立　子
「脇句」
日向ぼこ兼ね腰かけ仕事　　ターボ
「第三」
晩酌の突出しいつも旬ならん　　　〃

裸木

画像は１１月２１日、錦江湾公園にて。

裸木となりて樹齢を偽らず　　広太郎
「脇句」
習ひが多し冬の植物　　ターボ
「第三」
追憶や芝の絨毯巡りゐて　　〃

冬薔薇

１１月２０日、ベランダで写す。

冬薔薇石の天使に石の羽根　　草田男
「脇句」
日曜晴れて冴ゆる讃美歌　　ターボ
「第三」
鉄の脚もつ崖の家雲たれて　　〃

薔薇の読み：さうび（旧かな）

桐一葉

１１月１７日、谷山中央で写す。

桐一葉日当りながら落ちにけり　　虚　子
「脇句」
街の灯消えて浮彫の月　　ターボ
「第三」
暮の秋秒針急ぎめぐりゐて　　〃

夕時雨

１１月１８日、ベランダから写す。

一睡の山はありたり夕時雨　　玄
「脇句」
人肌に燗封切りの酒　　ターボ
「第三」
生きをれば令和元禄来たるらん　　〃

茶の花

１１月１５日、谷山中央で写す。

誘はれてをりし茶の花日和かな　　道　子
「脇句」
針なささうな冬蜂の尻　　ターボ
「第三」
風つよく諍ひすぐに息切れて　　〃

冬を待つ

１１月１６日、ベランダから写す。

軒下といふ冬を待つところかな　　執
「脇句」
でこぼこ消えて有明の月　　ターボ
「第三」
秋の朝鉄筋の家閑かにて　　〃

枯草

１１月１２日、谷山中央で写す

声忘れゐる枯草に日のぬくみ　　翔
「脇句」
凍死とまごふ熟睡の猫　　ターボ
「第三」
人と犬進路譲らぬ四辻にて　　〃