続 ターボの薩摩ぶらり日記

ー俳句と写真の相乗効果をめざしてー 

高架線なのはな号

2016年12月31日 | 日記


毎年、カレンダーは鉄道フアン垂涎の的の「世界の車窓から」を使っている。
北総の写兄Mさんのお嬢さんが提供先の富士通に勤めているおかげであるが、先日、娘急逝につき新年の挨拶を欠礼す
るとの葉書を受けとった。
カレンダーをなかば諦めながら、お悔やみの電話をかけると、亡くなったのは富士通のお嬢さんの姉の方であり、
しばらくして例年どおりカレンダーが送ってきた。

今春、JR指宿枕崎線の谷山界隈が高架になったので、いろんな視点から写真を撮っているが、「世界の車窓から」を
意識するせいか、まだ自画自賛できる写真が撮れていない。
昨日、慈眼寺駅近くの山麓に、獣みちのような狭い道を発見、登っていくと、たどり到りついたところに「本城(千
々輪城)跡」の札が立っていた。
千々輪城は、建仁年間に谷山信忠によって築かれ、このあたりの土地名の由来になったそうだ。

城址から谷山の街を俯瞰していると、快速列車「なのはな号」が通った。
画像は30日、上福元町で撮影。

    山気澄み黙(もだ)を貫く高架線         ターボ

高架線となって、汽笛を鳴らす必要がなくなったらしい。

谷山の大観音

2016年12月30日 | 日記

清泉寺跡の磨崖仏を離れて観ようと退くと、そのうえに巨大な観音像が現れた。
谷山街道の影原付近で、鹿児島湾方向にそびえ建つ像を逆方向から眺めているのだと、すぐに判ったが、手にして
いた「谷山の歴史と文化財」(平成26年刊)からは無視されていた。
帰宅してからあらためて調べたみたが、由来は判然としなかった。
wikipediaには、谷山には「謎の大観音」といわれる観音像が吹きさらしで建っているが、この建立に何故か廃寺
になっているはずの清泉寺が関わっているという説がある、と記載されているだけだった。

    観音は近づきやすし除夜詣          虚子

謎の大観音は「谷山の大観音」とも呼ばれている。

怒る磨崖仏

2016年12月29日 | 日記


明治初年の廃仏毀釈令によって、犠牲になった清泉寺跡を尋ねた。
跡地には鎌倉時代に彫られたといわれる磨崖仏が散在していた。
画像は28日、下福元町で撮影。

    虎落笛毀釈を怒る磨崖仏         ターボ

仏像については半可通と認めざるを得ないが、磨崖仏は阿修羅像だろうか。






芙蓉枯

2016年12月28日 | 日記


民家の庭の芙蓉の実が枯れていた。
画像は27日、曇天下の谷山中央で撮影したが、モノクロではない。

    芙蓉枯れ枯るるもの枯れつくしたり         風生

初秋のころ、酔芙蓉などの品種もあって艶っぽかった芙蓉の末期のすがた。
このやつれた実を華道では花材にするそうだが、多くの俳人も惹かれるらしい。

磯鴫

2016年12月27日 | 日記


木之下川の浅瀬を磯鴫が歩きながら餌をついばんでいた。
画像は26日、谷山中央で撮影。

    鴫たつや行き尽したる野末より          蕪村

西行法師の「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ」を踏まえているにちがいない。 

通草

2016年12月24日 | 日記


民家の塀越しに公道に伸びた通草の実が熟れて、裂けていた。
画像は25日、谷山中央で撮影。

    大口を開けて見上ぐる通草かな          久郎

通草の音読のアケビの語源は「開け実」だそうだ。
飲食、会話、欠伸、嚏以外に、最近は用もないのに無意識に口を開けているときが多くなった。
とくに枝上の動植物を撮るとき、大きく開ける。

小春

2016年12月22日 | 日記

海の向こうの大隅半島は霞み、春のような雲が浮かんでいた。
画像は9日、平川で撮影。

    小春ともいひ又春の如しとも          虚子

脱いで手にもつダウンジャケットが、撮るのに邪魔になった。

薩摩の冬日

2016年12月20日 | 日記


ビルの屋上でペンキを塗っている作業員が、日が差すと上着を脱いで腕をまくった。
日が翳っても、腕はまくったままだった。
画像は19日、谷山中央で撮影。

    屋根塗るや薩摩の冬日に腕まくり         ターボ


水仙

2016年12月19日 | 日記


わが命名の「供花の冷やし場」のうえに、水仙がかたまって咲いていた。
画像は18日、慈眼寺で撮影。

    ぴんしゃんと背筋を立てゝ水仙花          良一

厚着して背をまるめて水仙を撮ったが、反省。

柿の木と目白

2016年12月18日 | 日記


一昨年は目白でにぎわっていた柿の木、昨年は実がならず、今年はなったものの、これまで目白は訪れなかった。
画像は17日、谷山中央で撮影。

    口笛に答へ目白の高音来る          玲子

半世紀ぶりに口笛を吹こうと試みたが、歯の隙間から空気が漏れるだけだった。

冬木の芽

2016年12月17日 | 日記


楓類だろうか、民家の植込みに芽吹いていた。
画像は17日、谷山中央で撮影。

    冬木の芽風の帽子がむずがゆい          由美子

温まると、かさかさした頭皮がかゆくなる。歳はとりたくない。