続 ターボの薩摩ぶらり日記

ー俳句と写真の相乗効果をめざしてー 

喜入温泉行

2017年05月31日 | 日記


日帰りで温泉に入りに喜入まで出かけた。
バスを降り立つと、鹿児島の県木海紅豆が花を咲かせていた。
画像は30日写す。

    海紅豆血を滾らせし薩摩志士           ターボ

県外に住んでいたころは、西郷隆盛より大久保利通を尊敬していたが、最近は逆転した。
西郷は詩人のように血を滾らせたが、大久保は終始一貫して冷徹だったようだ。

    泡湯出てまづは麦酒の泡哺まん         ターボ

温泉の泡湯に寝そべっていて、久しぶりに昼食にビールを頼もうと考えた。
主治医の承諾を得て、すでに晩酌のジョッキを傾けている。

    アル中も併せて手術照若葉           ターボ

結局、放尿目的で帰路のバスを途中下車するのは面倒くさい、と考えてビールを自制した。
術後に朝酒、昼酒の悪習から完全に足を洗うことができた。









玻璃茉莉

2017年05月30日 | 日記

ジャスミンの和名茉莉花には、いろんな品種があるようだ。
いま、あちこちの民家で競って咲いている デュランタの別名を調べると、玻璃茉莉だった。
画像は29日、谷山中央で撮影。

    茉莉花を髪にかざして物売女          一生

嗅覚が衰えているので匂わなかったが、ジャスミンの一種ならばデュランタもいい匂いがするはず。


奈落の華

2017年05月25日 | 日記


睡蓮の開花を確かめようと暗がりを通ると、足もとに蛇が蛇行していた。
引き返して、まわり道して確かめに行ったが、撒水ホースをみても蛇かと疑った。
画像は21日、南栄で写す。

    象ある睡蓮かたち無き奈落          多希女

蛇蝎の棲む世に咲く無垢の花。

つるむ糸蜻蛉

2017年05月23日 | 日記


池の辺のまばらな叢の一茎が、少し移動したようにみえた。
画像は22日、南栄町で撮影。
    
    保護色に包まれつるむ糸蜻蛉         ターボ

一茎にみえたのは、つながった二匹の糸蜻蛉だった。
リュウキュウベニイトトンボだろうか。

匂蕃茉莉

2017年05月22日 | 日記


いま、白と薄紫の花を混ぜて咲かせている庭木をよく見かけるが、その名前がわかった。
知覧武家屋敷街の案内所にも咲いていて、匂蕃茉莉と標された名札を提げていた。
名札は風が吹くとめくられて、反対側にはアメリカン・ジャスミンと標されていた。
画像は20日、南九州市で撮影。

    凡夫たり茉莉花の香を強く嗅ぎ          幸彦

引用句は帰宅してから初めて知ったが、知覧では凡夫がすることをした。


知覧行

2017年05月21日 | 日記


所用があって知覧まで出かけた。片道一時間のバスを乗りきる自信がなく、期限ぎりぎりまで延ばしていたが、
いざ実行してみると心配していた便意を催さず、移りゆく窓外の初夏の景色を眺めているのは心地よかった。
画像は20日、南九州市で撮影。

    生垣を支ふる石垣武家涼し            ターボ

好天に恵まれた週末にもかかわらず、武家屋敷街は人影が少なかった。

船に乗りたい

2017年05月20日 | 日記


桜島を背にして、岸壁に船が碇泊していた。
画像は19日、脇田で撮影。

    初富士へ荒濤船を押しあぐる          波郷

「今生は病む生なりき烏頭」の句のように、作者には病床吟が多いが、
快癒して船に乗ったのだろうか。負けないで船に乗りたくなった。

初夏の渓流

2017年05月18日 | 日記
五月晴。一か月半ぶりに慈眼寺の渓流を見に行った。
画像は18日に写す。

太古の地変



渓流にはクレーンでしか運べないような巨大な岩がごろごろしている。

    巌が語る太古の地変谿青葉         ターボ

熊本の大地震以来、当地も安閑としていられなくなった。
川内では原発が稼働しているし、過去には天災地変があったようだし。

異国の使者



見慣れない揚羽が地にとまっていた。

    珍しき揚羽や異国の使者めきて         ターボ

数年来、南の島々の蝶が台風に運ばれてくるようになった。

獅子岩



その岩はみる角度によって、ライオンか牛のようだった。

    神わざの獅子の彫像滝白し         ターボ

彫刻の鑑賞眼には自信がないが、獅子岩は梯子がなければ、ひとの技では無理な場所に彫られていた。

一樹燃ゆ



渓流のあたりは新緑から萬緑に移っていたが、そのなかの一樹は紅葉がはじまったのか、
紅若葉なのか、遠目にはわからなかったが、赤かった。

   余命の灯萬緑のなか一樹燃ゆ         ターボ

余命については考えたくないのに、またも考えた。


花あやめ

2017年05月17日 | 日記


民家の垣のなかに菖蒲の花が咲いていた。花びらに筋があるので、ショウブではなくアヤメと思う。
画像は15日、谷山中央で撮影。

    寝る妹に衣うちかけぬ花あやめ         木歩

作者は実生活に密着した俳句を詠んだので、境涯俳人と呼ばれた。俳号は貧家に生まれ栄養失調から足が萎えたことに由来。
妹は苦界に身を沈めたが、胸部を疾患し実家に戻った。引用句はそのときの作。

今日の朝刊に「鬼気の人―俳人富田木歩の生涯」の著者花田春兆の訃報が載っていた。