続 ターボの薩摩ぶらり日記

ー俳句と写真の相乗効果をめざしてー 

年越し蕎麦

2015年12月31日 | 日記


  日当たりのよい屋外で、主婦が蕎麦を茹でていた。画像は30日、谷山中央で写す。

    ふるさとの出湯に年越し蕎麦すすり     亜 浪

  「蕎麦を派手な音を立てて啜るようになったのは落語の影響。 もともとは静かに食べていたのだが、それでは落語の形態模写をする際、
  迫力に欠けるということで、勢い良く啜るようになった」という説があるが、臼田亜浪は明治12年生まれ。落語に先がけて蕎麦を啜っ
  ていたのだろうか。

蜜柑

2015年12月30日 | 日記


  民家の庭樹に大きめの蜜柑が生っていた。当地は蜜柑が多く生りすぎて飽きられるのか、冬になっても枝に残っている実が多い。画像は28日、
  谷山中央で写す。

    割る時の親指太し夏蜜柑   剛 一

  試してみると、ちからをこめると指が平たくなって、広くなった。

実万両

2015年12月29日 | 日記


  実が葉の上に生っているのが実千両、実が重いから下に生っているのが実万両だそうだ。画像は実万両だろうか、27日、谷山中央で写す。

     千両か万両か百両かも知れず     立 子

  百両、十両、一両という実もあるというので調べてみると、似たり寄ったりだった。

黒猫

2015年12月28日 | 日記


  路地を歩いていると、だれかの視線を感じたので、見まわすと軒下に黒猫がいた。画像は27日、谷山中央で写す。

    緑蔭に黒猫の目のかつと金      茅 舎

  黒猫の写生句として、人口に膾炙されている。

ご免赦花

2015年12月27日 | 日記


  病院の前庭に蘇鉄の花が咲いていた。画像は24日、谷山中央で写す。

      塀の無き島の獄舎や花蘇鉄     白 水

  別称はご免赦花。かつて流刑地だった八丈島では、この花が咲くと免赦の報せがあったからだという。

枯芙蓉

2015年12月26日 | 日記


  しばらく前まで咲き誇っていた芙蓉の花が、枯れても散らないで北風に身を曝していた。画像は24日、谷山中央で写す。

      恙なく過ぎし光陰枯芙蓉     光

  光陰矢の如しの心境句と思う。

冬たんぽぽ

2015年12月25日 | 日記


  日当たりのよい路傍にたんぽぽが咲き、羽虫がとまっていた。画像は26日、谷山中央で写す。

    山門を入るより浄土冬たんぽぽ    素 秋

  現在では最も権威のある角川俳句大歳時記(2006年刊行)には、冬たんぽぽが季語として載っていないが、世の中には例句は少なくない。
  冬に咲いているたんぽぽは外来種という説があるが。

猫のたしなみ

2015年12月24日 | 日記


  猫が川辺の葎のなかをひっそりと通り、しばらくするとうずくまった。画像は21日、谷山中央で写す。

     葎生や猫には猫の通ひ道     知 子

  通い道は厠までの道だと思う。犬にも猫のたしなみを身につけてもらいたいものだ。

浮寝鳥

2015年12月23日 | 日記


   鴨たちが自分の背中にくびを載せて浮寝していた。画像は20日、谷山中央で写す。

     浮寝鳥一羽さめゐてゆらぐ水    秋櫻子

  中央の一羽は正面を見ていたが、外敵に備えての見張り役だろうか。

冬夕焼

2015年12月21日 | 日記


   日の出とともに、東の空が火事のように赤く染まった。画像は20日、谷山中央で写す。

        「火の用心」唱へる冬の朝焼に    豊 水

   歳時記によると朝焼、夕焼とも夏期、火事は冬期の季語に定められている。

福良雀

2015年12月20日 | 日記


  雀が桜の木にとまって、小さなつぼみを眺めながら膨らんでいた。画像は18日、谷山中央で写す。

     足るを知る顔してふくら雀かな    千 空

  歳時記によると、寒気をふせぐため全身の羽毛を膨らませて丸くなっているのが、ふくら(膨)雀。福良雀の表現は気に入っているが、
  当て字らしく、広辞苑には載っていない。

冬桜

2015年12月19日 | 日記


  桜の木に一花咲いていた。緋寒桜か河津桜らしい。画像は19日、谷山中央で写す。

     冬桜風の研ぎたる空のあり    閏 子

  晴れ渡っていたものの、南国薩摩も北風が寒くて、写真を撮って早々に花見を切り上げた。

アロエの花

2015年12月18日 | 日記


  民家の門にアロエの花が咲いていた。アロエや葉牡丹に花が咲くとは、当地に移り住んで知った。画像は今朝、谷山中央で写す。

     干大根細りきつたりアロエ咲き  敏 郎

  アロエは歳時記に載っていないので、季語は干大根。固くて噛むのに苦労する壺漬(山川漬)にするのだと思う。

真鴨

2015年12月16日 | 日記


   浅瀬を行き来しているのは真鴨だろうか、その顔は夕日を浴びる角度によって、いろいろと変化して翠色に輝くこともあった。
   画像は14日、谷山中央で写す。

       鴨の中の一つの鴨を見てゐたり    虚 子 
   
   鴨の群れの動きはまちまちなので、一羽にしぼって観察し、写生に没頭したという句意だろうか。