DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

沖縄と日琉同祖論

2016-04-28 21:46:50 | 太平洋情勢乱雑怪奇

ふと、沖縄の人々は先住民族だと国連が言ったというのでちょっとした話題というか反発を呼んでいる。

国連見解「沖縄の人々は先住民族」に政府が反論
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160427-00000524-san-pol

 木原誠二外務副大臣は27日午前の衆院内閣委員会で、国連の人種差別撤廃委員会などが沖縄の人々を「先住民族」とする見解を示していることに対し「事実上の撤回、修正をするよう働きかけを行っていきたい」と述べた。自民党の宮崎政久氏の質問に答えた。

 また、外務省の飯島俊郎参事官も「政府として、先住民族と認識している人々は、アイヌ以外に存在しない。これらの委員会による最終見解や勧告などは法的な拘束力を有するものではない」と強調した。

先住民族というか、indigenous people の話のことでしょう。先住という語がなんか落ち着かないわけで、これは土着民族とでも訳した方が適切だと思う。

意味するところは、沖縄は日本の九州、四国、本州とその周辺に住んでいる人たちとほぼ同様と言えるほどに一体的に文化、伝統、言語を築いてきた人々とは言えず、かつ、沖縄に住んでる人は沖縄本島とその周辺に先祖代々住んでた人々の子孫である人が今でも圧倒的に多数派である、ってな現状をどう認識するんですか、ってことでしょう。

つまり、沖縄は現在も土着の人たちが住まいする地域です、というのを、そんなことはないと押し切るのはあまり賢いやり方とは思えないと私は思う。

それよりも、過去においてアイヌも琉球も日本人(ヤマトでも和人でも)の近隣民族である、近代以降現在は共に日本人としての一体感を有する日本国民です、とでもした方がよほど将来性があると私は思う。

つまり、同化したという点を認めて、現在一体化していることが自然であると認められればいいんだと思うわけです。欺瞞の方が多分高くつく。

で、この問題は最近、保守派の山崎行太郎氏がちょうどお話されいていた。

この動画の1時間52分あたりから。

2/18 「翁長沖縄と共に闘おう!」 東京大集会 小沢一郎 白井聡 前泊博盛 山崎行太郎

 

山崎行太郎と内山卓也の「政治哲学チャンネル」『沖縄独立論と日琉同祖論』2016年2月27日

 

氏がなぜこのようなお話をするのかといえば、現政権の沖縄に対する態度があまりにも無茶、あまりにもぶっきらぼう、場合によっては酷い。これは、沖縄も日本に決まってる、本土の日本人に日本人であること以外の選択肢がないのと同様に沖縄の人にもない、と高をくくっているからだ、とおっしゃる。

しかし、それは違うんだ、と。山崎氏は薩摩の人だそうで、おかげで話しに立体感があるなぁって感じ。琉球は薩摩藩が間接統治してたところで、明治以降はいわゆる琉球処分によって完全に日本になった。そしてその際に、日琉同祖論というのがあってというか作られて、言語がこう、民族がこう、だからほら、日本と琉球は同じ民族なのだとやっていった、と。

逆にいえばそれをあえてやったということは、それだけ確認しなければ疑わしかったからだろう、という話なわけ。

しかし、現在の日本人はこの日琉同祖論を頭っから信じていて疑いをはさんでない。だけど、現実は違う。ということは、今後沖縄の人たちが琉球として独立していた方がいいよな、という考えになっていった時、日本の本土の人間はそれを止められなくなっちゃうだろう。だから、現在の政権とその周辺のアホが沖縄を本土と同様に、お前も日本人なら我慢しろ的に無茶をやるのは限界があるからやめろ。

というのが氏のご主張。


■ 正直になった方が強いこともある

私はこのお話を流し聞きしながら、これは説得力があるよなと思ったわけです。

しかも、日本にとって条件は悪くなるばかりなの。

一つには、台湾を見ればわかる。一つの中国という枠があるとはいえ、とりあえず別の政体を持って、中国とも仲良く、アメリカ+日本とも仲良くやってる。特に後者に対しては、助けてくださいよ、あなたが頼りですからといいう態度を堅持することが自分に得になるとよくわかってる。しかし、現実には個人間の交流は中国とほんとに緊密。

と、これは沖縄のモデルケースになるよなぁとか思うわけですよ。

まして沖縄は米国と縁浅からぬという意味では実は台湾ととても似てる。米国よりの独立国になるという選択肢なんか、とってもリアルに想像できちゃう。

日本のネトウヨというか反共脳の人は、こういう考えに対して、中共に攻め込まれるだけだとか奴隷にされるだけだとかいう妄想で思考を止めてしまうんだろうけど、台湾のケースはむしろ、両方の中間だと結構いいこともある、と教えてくれるかもよ、なのね。

もう一つは日本の退潮ってのがさらに問題を悪くするかも、ってこと。日本は過去150年間、日本だけがアジアの一等国というつもりで暮らしてきたもんで、日本人であることは中国人であるよりもとても高いと思ってるわけね。

つまり、周辺民はみんな日本人になりたいという時代が確かにあったが、それは永遠でもないだろう、ってのを了解してない人がかなり多い。

しかし、この差は確実に小さくなった。というか、そもそも全面的に存在していたわけでもなんだよね。


■ このゲームに負けるわけにはいかない

で、日本人たる私の考えでは、私たちはこのゲームに負けるわけにはいかんのですよ。私見では他のどのゲームより重要だと思う。

 

今wikiを見たら、う~ん・・・・な内容が出ていた。

日琉同祖論

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%90%89%E5%90%8C%E7%A5%96%E8%AB%96

これは日本の一般大衆を騙すというか先導するというか、俗説、通説を読ませて話を閉じるってなテレビ番組的な手法にはいいだろうけど、これを国民に信じ込ませて対中強硬論とかにしていくのは悪手だと思う。

 

 


失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇
野中 郁次郎
ダイヤモンド社

 

象徴天皇制の起源―アメリカの心理戦「日本計画」 (平凡社新書)
加藤 哲郎
平凡社

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 岸田外相、連休中に訪中 | トップ | Make America Great AGAIN »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『日清戦争の獲得地』 (ローレライ)
2016-04-29 05:28:54
台湾も沖縄も『日清戦争の獲得地』なのは共通なので『アメリカの後押しで日本から独立』の可能性はあった。
返信する
ストーリーが壊れてる (ブログ主)
2016-04-29 18:15:44
う~んそのへんは私はまだ不勉強なので断定しませんが、しかし、少なくともこのあたり、これまで多くの日本人が教わってきた牧歌的な紛争の様相とは相当違う。つか、だんだん日本って何問題になってくるのがしんどい、とか思ってます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事