本日も日本の多くの地域では快晴のようで、まさに夏休みといった趣。それはそれで、楽しい気持ちもする。これはきっと誰もが通り過ぎた夏休みの記憶がそうさせるのかもしれないなとも思う。
そんななか、地球の反対側のトルコでは、先週あたりから断続的にやたらめったら山火事があって大変そう。
📹| #Turkey evacuates hotels in Bodrum
— EHA News (@eha_news) July 31, 2021
▪️An evacuation order was issued as the wildfires neared hotels area.
▪️Police evacuated three hotels in İçmeler town of Bodrum, #Muğla. pic.twitter.com/Idz9vbUijk
トルコ山火事続き死者6人 各国支援、ホテル客退避も
で、その支援している各国ってのが問題だというのでまた騒ぎになっている。支援している各国として前から知られているのが、ロシア。
そして昨日あたりエルドアンが、イラン、ロシア、アゼルバイジャン、ウクライナからもっと飛行機が来る、と言ったらしい。
He added that more aircraft from Azerbaijan, Iran, Russia and Ukraine were now involved in the massive firefighting operation.
プーチンも、エルドアンに、引き続きヘルプするよ、と言ってる。
Putin tells Erdogan Russia will continue to help Turkey extinguish forest fires
冷静に考えてみれば、どこの国だって一度に何カ所もの山火事に対応できるほどの装備をもってないだろうから、周辺から支援を受けるのは普通に結構なこと。そして、トルコの周辺といえば、黒海の対岸に、航空機が売るほどある国があるんだから、そこからヘリとか、消火用の航空機が来たからといって驚くこともない。
ロシアが活用しているのが、Be-200という水陸両用の航空機。
これいいじゃん。水陸両用なので、湖なり海なりで水を汲んで、そのまま上がってその水をぶちまける。緊急事態用なので離陸のための距離も短い。機体は大きいので消火作業でない場合には輸送にも使える。緊急事態にとって大変都合がよくできてる。
[追加] 動いてる動画があった。海水浴客が眺める中、水をすくってそのまま飛び立つ飛行艇。
What a brilliant aircraft fighting fires in Turkey. The Beriev Be-200 Altair is great example of some great Russian #engineering #airCraft #ForestFire #FireFighting #БериевБе200 pic.twitter.com/q0xXgPChiZ
— Níal Ó Fionnagáin (@NialFinegan) August 1, 2021
トルコにも行ってたけど、現在はギリシャで活躍中らしい。
#Russia huge amphibious aircraft Beriev Be-200 firefighting near #Egio Western #Greece #φωτια #OSINT pic.twitter.com/zUHNCRViSI
— CrisP (@crispSV) July 31, 2021
そして、この水陸両用の便利な航空機を、ロシアはヨーロッパ向けにどうですかとセールスをかけてきているのだが無視され、本当に買ったのはアゼルバイジャンあたりだけで、後は、いくつもの国の山火事でロシア非常事態省がリースしてた。
もちろん、先進国にはそれ相応の装備があるのです、という事情もあるでしょう。
しかし、その間に、アメリカの企業がアメリカで製造するとか言い出してみたり、4機だったか注文したというニュースが流れたこともあった。総じていえば、多分、この機体がいいので、米の企業が自分が独占的にアメとかその支配下の国にリースしたい、みたいな話ではなかろうか。だから他国には直接買わせない、と。
あるいは、こうしているうちにアメかその支配下のどこかで類似品を開発させて、市場を取りにいく、みたいなことを考えているのかもしれない。
■ 現実に戻る
で、コロナにしても山火事にしても、こういう事態になってみて思うのは、アメリカがすべてをワシントンからコントロールするってのは、妄想にすぎないということ。ワシントンとブリュッセルが号令をかければすべてが思う通りに動く、とかいうのは漫画の世界。モノを動かし、人を動かすためには、それなりの装備と機関の充実が必要。そんな極は未だかつて存在せず、今後もないだろうといったところ。
その妄想世界を本当に実現しようとしたのが、先般のシリア戦争ですね。しかし敗れた。今はその清算中。
この後に来る世界は、メディア上の妄想は勝手に残るとしても、現実には、様々な出来事において、最寄りの大国が適宜周辺を支援する、という恰好に戻っていくんだろうと思う。だってこれが結局最も効率的なわけだし。
■ オマケ
そんなことを書いていたら、トルコで、山火事に関連した放火の疑いのある人が拘束されたというニュースが来た。
Suspected person on forest arsons case detained in Turkey, says Erdogan
どうなんでしょうね。1つの火事じゃないですからね、トルコの火事は。
そして、トルコは、アルカイダを集めて訓練して、匿い続け、その上に、オスマン再興などという困ったイデオロギー(にもならないが)を振りまいてきた、それらの野望に満ちた行動が行き詰まっている状況なわけですから、腹を立てて暴走しがちな人たちは多数いるというべきでしょう。
トルコは本当に大変。
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いやほんとに、用途があって、なにかないかなと考えて発想して作っちゃうのがソ連だったんでしょうね。
カスピ海の怪物こと「エクラノプラン」だって、貨物輸送に便利だ、と思う日が来るかもしれないですね。とりわけ、緊急時には便利かもしれない。
おそらく地理的かつ歴史的な経験に基づく「発想の種」というものがあるのでしょう。
Be-200という航空機(それも大型機)も、カスピ海や黒海の存在を抜きにしては語れないタイプの多用途機を念頭に開発されたのでは、と愚考します。