ファーストフード店の青年

ひとり暮らしが始まった　初めて住む町で
バイクで通勤する　ファーストフードの店へ
　　　　　　　同じ年の女の子は　高校にも通って
　　　　　　　自宅からバイトに通ってる
　　　　　　　僕は免許が欲しくて　高校を辞めた
　　　　　　　両方は無理だと　母さんに言われて・・・
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人手が足りない夕方は　接客することもある
制服姿で　カウンターに入って販売
　　　　　　　ある日　僕の目の前に　父さんが立っていた
　　　　　　　新しい家族を連れて
　　　　　　　僕はマニュアルどおりに　話すだけだった
　　　　　　　父さんも何も言わずに買って行った・・・
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最後に会ったのは１０年前
　　　気づかなかったのかな・・・
　　　　　　ネームプレートには母さんの
　　　　　　　　　旧姓が書いてあるから・・・
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遅番が終わって片付けて　バイクに跨った
コンビニに寄らなくちゃ　洗濯洗剤が切れてる
　　　　　　　　フカした時　目の前に　父さんが立っていた
　　　　　　　　「立派になったな。」と言った
　　　　　　　　ポケットからサイフを出して　ムキ出しの金をくれた
　　　　　　　　それ以上何も言わずに去って行った・・・
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最後に会ったのは１０年前
　　　父さん　幸せなのかな・・・
　　　　　　母さんは　今もひとりでいるよ
　　　　　　　　　弟と２人で　まだあの家に・・・
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洗濯する時　ポケットから　貰った金を出した
金の間に一枚の　名刺が挟まれてあった
　　　　　　　　昔と違う会社で　偉くなってるみたいだ
　　　　　　　　電話してもいいのかな
　　　　　　　　かける勇気はないけど　名刺は大切にしよう
　　　　　　　　何かあったら　コレで連絡できるから・・・
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母さんのことは何とかする
　　　僕は長男だから・・・
　　　　　　いつかは　きっと何とかするよ
　　　　　　　　　弟と２人で　支えてゆくから・・・
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人手が足りない夕方は　接客することが増えた
制服姿で　父さんが来るのを待ってる・・・
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