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それは先日のことであった。
仕事と仕事の合間に、自宅に着替えに戻ったところ、
わんさかいたフレンズがそれぞれ用事で出かけた後らしく、
だぁ~れもいないという奇跡の時間に遭遇することとなった。
我が家に自分しかいないという経験をしたのは何カ月ぶりだろうか。
いや、何年ぶりかも知れない。
何とも言えない思いに浸っていると携帯が鳴った。
「ボス?今ご自宅ですか?
やっぱり!車が見えたから。ちょっと寄ってもいいですか」
それは、徒歩0分のところに住んでいるフレンドBの妻、A香だった。
1分と経たないうちにやってきたA香は、
まだ生後数か月のきゃわゆい子供を連れていた。
「お~。また大きくなったな!おいで、へうちゃん!」
そう言ってA香からへうちゃんを受け取って抱っこすると、
「へうちゃんじゃありません」
とA香が言った傍から、へうちゃんは
「へーっうーっ!」
と大きな溜め息のようなものをついて、ニカーッと笑い、
手足を嬉しそうにバタつかせるのだった。
「ほら見ろ。」 ( ̄ー´ ̄)ふ~フッフッ♪
と俺が言うと、
「でもへうちゃんじゃありません」
と改めて訂正したA香は、
「Bさんが出張中で車もなくて、買い物に行けないんです。
J子さんは仕事だし、AS美さんは旅行中だし、それにこの暑さで・・・。
Bさんが冷房を効かせすぎるから私は風邪をひいて、ずっと寝込んでて・・・。
本当はまだ病み上がりで、時々クラクラするんです・・・。」
ΣΣv( ̄▼ ̄;)v
大変そうであった。
心やさしい俺が、
「分かった。後で届けるから、携帯に必要なものをメールしておいてくれ。
な?へうちゃん」
と快諾して、へうちゃんの顔を見ると、
「へーうー!」
と言ったへうちゃんは、パカーッと口を開けて笑い、手足をジタバタさせた。
きゃわゆい!
一方A香はもう、へうちゃんじゃありません、と訂正する様子もなく、
夢中で俺宛のメールに買い物リストを打ちまくっていた。
(そうだ、生産者の方から送って頂いた桃の、
シスターのところへ届けた残りが、まだ20個ぐらいあるはずだぞ。
へうちゃんに食べさせてあげよう。
A香も病み上がりでも果物なら食えるだろう。)
グッドアイディアを思いついてしまった俺が
へうちゃんを抱いたままキッチンへ行って冷蔵庫を開けると、
そこには何故か、桃が3個しか残っていなかった。
がー((= ̄□ ̄=;))ーん!
みんなに食われた!
しかし3個だけでも残っていたのだから奇跡と言えば奇跡だ。
生まれてこの方、桃が嫌いだという男を見たことがないが、
そんな桃好き男が今や25人ほど出入りしている我が家で
20個中3個も残っていたのだから・・・。
へうちゃんをA香に預けて、桃とついでにスイカを一口サイズに切って、
涼しげなガラスの器に乗せながらワクワクしていると、
訪問者を知らせるメロディが鳴った。
それは週に二日家事をお願いしている、元W家のお手伝いさんのFさんであった。
Fさんは重そうな沢山の荷物(食料品や、既に調理してくれたものなど)を持って
滝のような汗を流してやってきた。
そうだ、Fさんの邪魔にならないよう、
みんなにはこの時間、家に居るなと言っておいたのだった。
(それなのに俺は居てしまっていたのだった。)
「Fさん、今日はとにかくのんびりしてください。
今冷たい飲み物と桃を出しますから。」
そう言って遅ればせながらA香とFさんに
冷たいお絞りや飲み物や桃やスイカを出して、
今日は我が家は適当でいいから、A香の手伝いをして欲しいと頼んだ。
Fさんはその日たまたま車で来ていて、
A香の買い物もしてくれるということになったので、俺も助かった。
A香とFさんは初対面だったが楽しそうに話していた。
俺はその隙にシャワーを浴びて、午後の仕事の為スーツに着替えた。
リビングに戻ると、桃は全部なくなっていた。
ぁ・・・(  ̄◇、 ̄ )
俺は来年までオアズケか~と思いつつ、
「へうちゃん、美味しかったか?」
とへうちゃんの顔を覗いて声をかけると、A香が
「あ。食べさせるの忘れちゃった!あんまり美味しかったから・・・。」
と言って、Fさんと一緒に笑った。
A香の膝の上でへうちゃんが
「へーーーーっ・・・・・・。」 ← うーナシ。
と言った。
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◆ 生命に 力与える 地の恵み 手塩にかけた人の 真心(あい)
生産者の愛情と手間暇がかけられた食物は、
食べた人の生命力を強くするような、理屈抜きのパワーが秘められていると
俺は感じる。
そのような信頼できる食物を、子供たちに食べさせたいものだ。
来年こそ、へうちゃんにも・・・。
それは先日のことであった。
仕事と仕事の合間に、自宅に着替えに戻ったところ、
わんさかいたフレンズがそれぞれ用事で出かけた後らしく、
だぁ~れもいないという奇跡の時間に遭遇することとなった。
我が家に自分しかいないという経験をしたのは何カ月ぶりだろうか。
いや、何年ぶりかも知れない。
何とも言えない思いに浸っていると携帯が鳴った。
「ボス?今ご自宅ですか?
やっぱり!車が見えたから。ちょっと寄ってもいいですか」
それは、徒歩0分のところに住んでいるフレンドBの妻、A香だった。
1分と経たないうちにやってきたA香は、
まだ生後数か月のきゃわゆい子供を連れていた。
「お~。また大きくなったな!おいで、へうちゃん!」
そう言ってA香からへうちゃんを受け取って抱っこすると、
「へうちゃんじゃありません」
とA香が言った傍から、へうちゃんは
「へーっうーっ!」
と大きな溜め息のようなものをついて、ニカーッと笑い、
手足を嬉しそうにバタつかせるのだった。
「ほら見ろ。」 ( ̄ー´ ̄)ふ~フッフッ♪
と俺が言うと、
「でもへうちゃんじゃありません」
と改めて訂正したA香は、
「Bさんが出張中で車もなくて、買い物に行けないんです。
J子さんは仕事だし、AS美さんは旅行中だし、それにこの暑さで・・・。
Bさんが冷房を効かせすぎるから私は風邪をひいて、ずっと寝込んでて・・・。
本当はまだ病み上がりで、時々クラクラするんです・・・。」
ΣΣv( ̄▼ ̄;)v
大変そうであった。
心やさしい俺が、
「分かった。後で届けるから、携帯に必要なものをメールしておいてくれ。
な?へうちゃん」
と快諾して、へうちゃんの顔を見ると、
「へーうー!」
と言ったへうちゃんは、パカーッと口を開けて笑い、手足をジタバタさせた。
きゃわゆい!
一方A香はもう、へうちゃんじゃありません、と訂正する様子もなく、
夢中で俺宛のメールに買い物リストを打ちまくっていた。
(そうだ、生産者の方から送って頂いた桃の、
シスターのところへ届けた残りが、まだ20個ぐらいあるはずだぞ。
へうちゃんに食べさせてあげよう。
A香も病み上がりでも果物なら食えるだろう。)
グッドアイディアを思いついてしまった俺が
へうちゃんを抱いたままキッチンへ行って冷蔵庫を開けると、
そこには何故か、桃が3個しか残っていなかった。
がー((= ̄□ ̄=;))ーん!
みんなに食われた!
しかし3個だけでも残っていたのだから奇跡と言えば奇跡だ。
生まれてこの方、桃が嫌いだという男を見たことがないが、
そんな桃好き男が今や25人ほど出入りしている我が家で
20個中3個も残っていたのだから・・・。
へうちゃんをA香に預けて、桃とついでにスイカを一口サイズに切って、
涼しげなガラスの器に乗せながらワクワクしていると、
訪問者を知らせるメロディが鳴った。
それは週に二日家事をお願いしている、元W家のお手伝いさんのFさんであった。
Fさんは重そうな沢山の荷物(食料品や、既に調理してくれたものなど)を持って
滝のような汗を流してやってきた。
そうだ、Fさんの邪魔にならないよう、
みんなにはこの時間、家に居るなと言っておいたのだった。
(それなのに俺は居てしまっていたのだった。)
「Fさん、今日はとにかくのんびりしてください。
今冷たい飲み物と桃を出しますから。」
そう言って遅ればせながらA香とFさんに
冷たいお絞りや飲み物や桃やスイカを出して、
今日は我が家は適当でいいから、A香の手伝いをして欲しいと頼んだ。
Fさんはその日たまたま車で来ていて、
A香の買い物もしてくれるということになったので、俺も助かった。
A香とFさんは初対面だったが楽しそうに話していた。
俺はその隙にシャワーを浴びて、午後の仕事の為スーツに着替えた。
リビングに戻ると、桃は全部なくなっていた。
ぁ・・・(  ̄◇、 ̄ )
俺は来年までオアズケか~と思いつつ、
「へうちゃん、美味しかったか?」
とへうちゃんの顔を覗いて声をかけると、A香が
「あ。食べさせるの忘れちゃった!あんまり美味しかったから・・・。」
と言って、Fさんと一緒に笑った。
A香の膝の上でへうちゃんが
「へーーーーっ・・・・・・。」 ← うーナシ。
と言った。
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◆ 生命に 力与える 地の恵み 手塩にかけた人の 真心(あい)
生産者の愛情と手間暇がかけられた食物は、
食べた人の生命力を強くするような、理屈抜きのパワーが秘められていると
俺は感じる。
そのような信頼できる食物を、子供たちに食べさせたいものだ。
来年こそ、へうちゃんにも・・・。