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僕の意思とは関係なかった
肉体は生きようとして
全力を尽くしていたんだ
残された力を振り絞って
まるで僕を
生かそう、生かそうとするように
申し訳ないほど
肉体は肉体として
その使命に忠実だった
そして
僕の意思は肉体の外に在った
自立心に長けた自分の肉体を
僕は見下ろしていた
「いいんだ・・・
もういいんだよ・・・
僕は 自由になりたいんだ・・・」
生きようとする僕に向かって
説得していた
まだ生きようとする自分が
そこはかとなく哀れに思えて
そして
そんなことを感じている自分が
頑張っている自分の肉体に対して
痛切に申し訳ないことをしていると感じた
肉体が使えるならば
号泣に値するほどの
言い尽くせない 辛い心情だった
しかし
もう一度生きることは
更に過酷で 辛く苦しいことだった
複雑で長かった 僕の人生
でもその時
思い出すことが出来たのは
戦地の様子だけだった
乾いて 飢えて 朦朧として
狂気に満ちているのに
同時に平静だった
腹が減り過ぎて 吐き気をもよおし
何かを口にしては
あまりの生臭さ 苦さ 不味さに
何度も吐いた
吐いて 吐いて
また腹が減って
涙を流しながら また何か食って
そして 何度も吐いていた
眩暈がして 脳が痺れた
呼吸が停まったり
正常化したり
速くなったりした
それは僕の意思とは 関係なかった
肉体は生きようとして
全力を尽くしていたんだ
そして
僕の意思は 肉体の外に在った・・・
*
*
僕の意思とは関係なかった
肉体は生きようとして
全力を尽くしていたんだ
残された力を振り絞って
まるで僕を
生かそう、生かそうとするように
申し訳ないほど
肉体は肉体として
その使命に忠実だった
そして
僕の意思は肉体の外に在った
自立心に長けた自分の肉体を
僕は見下ろしていた
「いいんだ・・・
もういいんだよ・・・
僕は 自由になりたいんだ・・・」
生きようとする僕に向かって
説得していた
まだ生きようとする自分が
そこはかとなく哀れに思えて
そして
そんなことを感じている自分が
頑張っている自分の肉体に対して
痛切に申し訳ないことをしていると感じた
肉体が使えるならば
号泣に値するほどの
言い尽くせない 辛い心情だった
しかし
もう一度生きることは
更に過酷で 辛く苦しいことだった
複雑で長かった 僕の人生
でもその時
思い出すことが出来たのは
戦地の様子だけだった
乾いて 飢えて 朦朧として
狂気に満ちているのに
同時に平静だった
腹が減り過ぎて 吐き気をもよおし
何かを口にしては
あまりの生臭さ 苦さ 不味さに
何度も吐いた
吐いて 吐いて
また腹が減って
涙を流しながら また何か食って
そして 何度も吐いていた
眩暈がして 脳が痺れた
呼吸が停まったり
正常化したり
速くなったりした
それは僕の意思とは 関係なかった
肉体は生きようとして
全力を尽くしていたんだ
そして
僕の意思は 肉体の外に在った・・・
*
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