黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

ギュゲスの神話

2008-03-06 23:59:45 | ギリシャ・ローマ系
先日会いに行った男の子から、
ギリシャ神話の本を何冊かもらった。
そのうちの一冊、『爆笑・ギリシャ神話2』のなかに
気になる話があったので、少しとりあげたいと思う。
墓泥棒して、自分の姿が消える指輪を
そこで偶然見つけて、自国の王妃を寝取って
王を殺して、国まで盗ったギュゲスという男の話だ。

この話は、ギリシャ哲学の講義を受けていたときに
チラッと耳にした事があった。
人間というのは、誰も見てないところでも
正しく生きることができるのか、
つまり、人間はもともと良い心をもっているのか
それとも悪い心をもっているのか、という疑問を
投げかけるために、おそらく先生は
この話をしたのだろう(もっとも個人的には、
「悪い心を持っているから影で悪いことする」
のではなく、「影で悪いことをするから
悪い心を持つとみなされる」のだと
思うのであるが――)。
そして私はこの話が載っている本を初めて見つけて、
嬉しかった。

自分の姿が消える指輪というのは
神話らしいシュールな話であるが、
「誰も見てないところでも
正しく生きることができるのかどうか」という問題は、
意外と身近なところに存在するものである。
たとえば、「誰も見てないところで
正しく生きなかった」と見なされる人のなかには
「食品偽装をした」として裁かれた人もいたりするからだ。

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