後立山縦走 2

2005年09月04日 | mountains
見事に雪渓を土砂で埋め尽くした大崩落。
杓子岳から直に崩れ落ちてきたようだ。
紅ガラが土砂の下に続いているのを見ると、恐怖すら感じる。
そんなわけで直登出来ずアイゼンを外すことになったが雪渓歩きが短くて楽だったなぁと思いきや、迂回の秋道の傾斜がきつい!
この時点ですでに標高2000m以上あり酸素も薄いのがわかる。
岩がゴロゴロして歩き辛い。
時々小休憩を入れるのだが、酸素が薄いのに何故タバコに手が行くのかが自分でも理解不能である
クルマユリ、イワオウギ、チシマギキョウ、ウルップソウ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、ミヤマトリカブトなどたくさんの高山植物が咲いているところはさすがに白馬岳の登山道だ。シャッターを切る回数が増える増える。
しかし、つらい斜面のたいした気休めにもならない。
きっついわ〜!
ヒィヒィ半分泣きそうになったところでようやくトラバースルートっぽい斜度になった。後数分キッツイ斜面が続くようなら、あまりのしんどさにトリカブトを頬張ったかも・・・
前方に避難小屋が見えてきた。
「こんなところまで迂回させられていたのか」と絶句!
ここでは休まずに先に進んだ。最後の急斜面の手前までは行っとかないとだるくなりそうだった。
しばらく鼻歌を唄いながら行くと岩の上でおっちゃんがお弁当を広げていた。
私が「こんにちは、下りですか?」と聞くと、
おっちゃんは「いや、登りです。(荷が)重くてね。少しでも軽くしようかと思って・・・」とちょっと恥ずかしそうだった。
その先20mの間におっちゃん以外にもお弁当を広げている人が3人点在していた。なんだか行き倒れのようだ。
そろそろ自分も休憩しようかと思っていたところで雨が降ってきた。
30mぐらい先に雨宿りできそうな大岩があったのでそこで休憩(10:40)
寒かったので、ザックからストーブ、クッカー、インスタント味噌汁と水を出し、湯を沸かしてワカメ汁を飲んだのだが、沸点が低いのでそんなに熱々の味噌汁ではない。
しばらくそこでゆっくりしていると、下りの関西人軍団がやってきて、私を押しのけて、雨宿りしている大岩でクライミングをしたり、騒いだり・・・
(11:05)あまりの傍若無人ぶりに負けて出発しました。
木製の階段を上がると村営頂上宿舎が見えてきた。
「なんだ。もうこんなに登ってきていたのか。」とちょっと安堵感。ここまでくれば時間的にもまだゆとりがあるしのんびり登ろうとトウヤクリンドウやイワギキョウなどの写真を撮りながらゆるゆる登った。
すると、山小屋から歌声が聞こえてきた。そして名札をつけた人達とすれ違った。
「どういう人達なんだろう?」
(11:31)村営頂上宿舎に着き、まず最初に向かったのがトイレ。ちょっとガマンしていたので。
スッキリしたところで食堂に入り、昼食にした。
寒いけど、とりあえず生ビール。
飲みながら山小屋の人に先ほどの歌のことを聞いてみると、小屋に駐在していた医師やレスキューの人達が下山する時の歌とのこと。
自分以外に誰も居ない食堂でストーブを独り占めにし、ゆっくりしていると、雪渓で追い抜いた人が入ってきた。
話しをしてみると登山ルートが同じなので昼から一緒に行動することとなった。


後立山縦走 1

2005年09月04日 | mountains
先月の終わりに後立山縦走した。
今回は猿倉〜白馬大雪渓〜白馬岳ピーク〜杓子岳ピーク〜白馬鑓ヶ岳ピーク〜天狗山荘〜天狗の頭〜天狗の大下り〜不帰ノ嶮〜唐松岳〜八方尾根のルートを1泊2日での山行だ。
土曜日の仕事が終わるとその足で車を走らせ、八方第五駐車場に車を停めて車中一泊です。
第五駐車場は猿倉行きの臨時バス停が目の前にあるし、帰りのことを考えるとベストだと思った。
次の日の朝、6:20に猿倉行きのバスに乗った。本当は5:50のバスに乗るつもりだったが、目の前で通り過ぎて行ったのだ。単なる乗り遅れです
バスを待っている間にたまたまいた白馬村の山岳パトロールの人と少し話をしたが、先日の大雪渓の土砂崩れによる登山ルートの危険性は迂回路を通ることで全く問題ないとの情報を得た。
まあ登山だから何処で何が起こっても不思議ではないから全く危険が無いわけではないが
バスに乗ると乗客の少なさが目立った。登山シーズンピークを過ぎたにしても少ない。車内には私を含めてたったの6人である。
人気のはずの大雪渓ルートも自然災害には勝てないのか?
猿倉荘に6:45に到着し、登山カードを記入、提出し、軽いストレッチをし、大雪渓に向かってゆるゆると歩き出した。
途中、中年のパーティーを何組か抜かしたが、そのスタイルを見ると皆さん良いグッズをお持ちである。
私など山行ルーキー(今までも富士山、岩手山、八甲田山などちょこちょこ登って遊んでいたけれど本格的に始めたのは今年から)なだけに流用品ばかりで恥ずかしいぐらいだ。
ちなみにザックは10年前から旅行に使っている物、登山パンツにはPUMAのジャージ、サングラスはスキー用、手袋はゴム付き軍手、スパッツは寒い時期にバイクで使っていたもの、雨具もバイク用、帽子にいたってはセブンイレブンで買ったキャップに防水スプレーを塗り捲った物である(山をナメてんのか、コラッ!)
他の登山者の装備をカタログを見るかのように物色しているうちに7:50白馬尻に着いた。
大して疲れてはいなかったが、朝食を食べていなかったのでここでローソンのオニギリを3個食べ、自分に燃料を補給した
雪渓から降りてきた大気がひんやりしていたのであまり休みをとるとせっかく慣らしで歩いた体が冷えてしまいそうだったので8:15早々に白馬尻を出発した。
しばらく登っていくと雪渓が見えてきた。30人ぐらいの韓国軍団が「それはやりすぎだろう」と言いたくなるようなごっつい装備を準備していた。ハーネスまで装着してるんだもんなぁ
他の人達も軽アイゼンを装着していたが、私は八方で会った山岳パトロールの人に「雪渓に着いても最初の100mぐらいはアイゼンをつけないほうがいいですよ。すぐにザレ場を歩くことになるから。」と言われていたのでそのままその場をパスしていった。
言われるままにザレ場を過ぎてから軽アイゼンを装着し、雪渓をザックザックと登っていく。なんか非常に寒い。雨具を取り出した。
ところどころ雪渓が縦に割れている。結構割れ目が深い。落ちたら大変だなぁ、というより崩れて底の沢に落ちたら死ぬかもしれないなぁ・・・
ドライアイスでも撒いたかのような水蒸気の中を登っていった。本来この時期であれば雪渓を人の行列ができていると聞いていたが今日は休日なのに私の前方に登りの人が1人、2人といるだけだ。
9:18葱平の土砂崩れの現場に着いた。すっごい崩落だ!