笹と泥と地震 割谷山&焼岳

2007年07月17日 | mountains
台風一過を期待して「海の日」なのに山に行った。
前日の夜はビールを飲みながら沢渡駐車場で満天の星空を見て、明日は晴れると確信していた。・・・が、雨は降らなかったのですがガスガスだった。

今回は槍ヶ岳から焼岳までの縦走路でポッカリ穴の開いた未踏の西穂山荘から焼岳小屋までを歩こうと出撃だ!

7/16
5:37 上高地バスターミナル発
5:53 西穂登山口
8:04-32 西穂山荘
10:45-11:18 焼岳小屋
12:14-20 焼岳山頂
14:00 中の湯

登山届を出す為にいったんバスターミナルへ向かう。上高地は先週よりも登山者が多い。
登山届を提出し、靄がかった梓川沿いに田代橋へ向かう。


西穂高登山道口に着くとそこにも登山届のポストがあり軽くショック。約15分は準備運動と割り切る。
何の為にバスターミナルまで行ったのでしょうか・・・

中尾根を登る。
以前人に言われ、とっても急な登山道というイメージを持っていた。

中尾根に自己紹介された

不快指数100%、湿度が高い。
汗が滝のように流れ落ちる。タオルが直ぐにビチャビチャになってしまった。時間とともに晴れると思っていた霧がなかなか引かず、展望もない。
途中「宝水」という水場があったがほとんど枯れていた。






8時頃に山荘に着いたら西穂にも登っていこうと思っていたが、あいにくガスが晴れず今回はパス(前回もガスガスの中を登ったからなぁ)。
西穂山荘でゆっくりしました。トン汁美味かった



山荘の方に焼岳小屋までの縦走路について聞くと「雨降ってなくても雨具着て行ったほうがいいよ」と言われた。その理由は直ぐに理解できた。
笹が登山道を覆っている。その笹に雫が・・・・。ビチャビチャだ・・・

ビチャビチャ

登山道はいずこ・・・

稜線は道がついている

これはどうやって行くのでしょうか・・・・?

登山道はグチャグチャ、ドロドロ。
クモの巣も登山道を塞ぐ。ここんところストックの出番がなかったのだが、今回は大活躍。
綿菓子作るみたくマキマキしたのだ
割谷山の山頂には標識も展望も無かった。
写真撮り損なった・・・


笹の葉で下が見辛いが、穂高連峰の延長線なだけに登山道の脇は結構な崖なところもチラホラ・・・。
滑落したらただでは済まされないな
そんな狭い稜線を歩いている時に突然目の前がクラクラして平衡感覚を失った。湿った笹の茎や根に足を取られて、バランス崩して慌てて木にしがみついた。

あれぇ、高山病か?でも2000mちょっとしかないし・・・。
三半規管の病気に突然なったのか?

などと瞬時に考えていると頭の上から水がボタボタボタっと落ちてきた。周りを見ると木々がグラグラ揺れている。雫が一度に落ちてきたらしい。

ん?地震??
まさか焼岳が噴火したんじゃないだろうな?!

稜線を信州側と飛騨側に縫うようにして歩き、いいかげん藪漕ぎにウンザリしていると緑色の屋根が見えた。焼岳小屋に到着。



小屋のおねーさんに「先程地震がありましたか?」と聞くと「新潟・長野で震度6強らしいですよ」という返答。
揺れたわけだ。

目的は達成できたが(槍から中の湯まで縦走路を繋げたぞぉ!)時間もまだ早いし、「焼岳-中の湯-ト伝の湯」の計画を追加した。
焼岳は一昨年の11月に一度登ったが展望もなく、雨と雪で寒い思いをした思い出が・・・。
今日もガスが多く、このまま相性が悪い山になってしまうのだろうか?

ところどころ黄色い岩の間から硫黄ガスが噴出している。山頂直下なぞゴォゴォー音を立てている。なかなかの迫力だ。


時々雲の間から上高地方面が見える。山頂では火口湖や中の湯方面も。相性が悪いということはないようだ。


緑に染まったリンドウ平を目指し、下山開始。
小屋から山頂までのガレガレな登山道とは異なり、こちらの登山道は緑が多い。高山植物もいっぱい咲いている。


釜トンネル近くの登山口に無事到着。


さっそく売店に行き、「ト伝の湯」に入る旨を伝える。約1時間待ちらしい。
車を売店の前に駐車して良いと言うので一度沢渡まで車を取りに行った。戻ってくるとすぐ入れると言う。
秘湯洞窟風呂
やや手ブレ

今まで車を停める場所がないと思って敬遠していたが、売店のおっちゃんに予約の電話を入れた時にお願いすれば売店の前に車を停めさせてもらえます(釜トンネルの守衛さん?は慌てますが・・・・)
気になっている方は一度洞窟風呂を体験してみてはいかがでしょうか?

中の湯売店
0263-95-2341

穂高4兄弟最後の砦 前穂高岳

2007年07月10日 | mountains
穂高4兄弟、北穂・奥穂・西穂と登り、最後に残った前穂にチャレンジです。
2年前に槍ヶ岳から奥穂へ縦走したときに紀美子平で前穂を素通りしてしまった。一度に全部登ってしまうと次に来る機会を失ってしまうと思ったからだ。
今回ヤマケイCTで11時間20分ということで朝一(5:30沢渡発)のバスに乗って、おそくとも最終のバス(18:00上高地発)で帰る予定で結構気合を入れて沢渡に入った。
とは言っても、市営第一駐車場に車を停めて朝一に行くぞ!という姿勢を見せているとタクシーのおっちゃんが「バスの料金と同じでいいから使ってぇ。」と言ってくるので今回もタクシーで上高地入り。おかげで少し早く出発できた。
しかし第一も第二駐車場も車が少なかったなぁ。第一なんて5台ですよ。

7/8
5:54 上高地バスターミナル出発
6:33 風穴
7:28~38 岳沢ヒュッテ(仮小屋)
8:19 カモシカの立場
8:41 岳沢パノラマ
9:12 雷鳥広場
9:28 紀美子平
9:58~10:26 前穂高山頂
12:21~52 岳沢ヒュッテ(仮小屋)
14:12 上高地バスターミナル着

釜トンネルのゲートは5時から開いているはずなのにバスターミナルには誰もいない。なぜなんでしょう?
最近の山雑誌では穂高方面を紹介していないのでしょうか?
岳人、ヤマケイを最近読まないから知らないけど・・・

登山届を出して出発。
さすがに河童橋まで来ると泊まりの観光客(?)がチラホラ現れる。
観光客に混じると異質な格好をしているので軽く注目され、気さくなおっちゃんに「今日はどちらまで?」と声を掛けられる。
林道をしばらく進むと岳沢への登山口がある。去年雪崩で倒壊した岳沢ヒュッテは宿泊できないと注意書きされている(売店、テン場利用可)。


早朝、苔生す森の中を歩くのも気分良いが、今日はイマイチ体調が上がらない。朝食を食べられなかったのがいけないのか?
ここんとこ仕事も忙しいくせに毎週標高3000m近くの山にばっか日帰りで入っているのも影響してるんだろうか?
岳沢ヒュッテまでの登山道は大した傾斜が無いイメージを持っていたけど結構キツク感じる。2年前に降りで出会ったおばちゃんはコーヒー1杯を飲みに岳沢ヒュッテへ向かっていると言っていたが、『この登り<岳沢のコーヒー1杯』だったのか・・・・、ヒュッテからの景色がいいとはいえ、凄いな。
標高1800mぐらいで視界が一端開けた。


残雪が多い。重太郎新道も荒れている可能性ありそう・・・・
ピッケル持ってきてないし
天狗のコルへの登り降りにはアイゼン・ピッケルがいるな。

岳沢ヒュッテに到着。
売店はやっている。
しかし名物の限定カレーについて伺うと「この状態じゃぁ、まだムリだね」と言われてしまった。
やっていたら帰りに食べたかったけど


さて今からが本番。
テン場を越えて、(テン場もまだ雪に覆われているよ)初めのハシゴを皮切りに急登の始まり。
ガレガレの登山道、雪融け直後らしく登山道も荒れ気味。

石も落ち着いていない、浮石だらけだ。ところどころ雪も残っている。
これじゃ登山者少なくてあたりまえか?自分の情報収集の甘さ露呈です




途中でやたらと太った茶色い小動物が登山道を横切った。
妊娠オコジョか? ネズミにしては大きかったが。まさか本州にもナキウサギがいるとか・・・
ありえねぇ


紀美子平に着く直前から山頂はガスに覆われてきて、山頂ではイマイチの展望。
しかし誰もいない山頂を独り占め。
30分ぐらい山頂生活を楽しんじゃいました。途中でガスが切れる時も多々あり、ガスの中から見える穂高連峰の眺望はなかなかのもの。
いいものを見せてもらいました。


槍方面

奥穂方面

西穂方面

焼岳方面

横尾方面

徳沢方面

そして下山。
時間的に奥穂にも行けそうな感じだったけれど雪の付き具合が読めない。なにせ奥穂から来る方とすれ違わないものですから吊り尾根状況も聞くに聞けない。
アイゼンは持ってきたのに、ピッケルを持ってこなかったことを猛烈に反省。
セットなんだから意味ねーじゃん。結局アイゼンも無駄ボッカになったし。
行ける所まで行ってみればよかったかなぁ。
無くても行けそうな感じはしたし。
また次回、もう少し登山道が落ち着いてから来てみよう。
その時は「岳沢-前穂-奥穂-ジャン-岳沢」のコースもありかな?

岳沢ヒュッテのビールを目指し下山、下山、下山。
時々、吊り尾根や間ノ岳方面から激しい崩落の音が聞こえる。
日が高くなり雪渓の融解が進んだためだ。
雪の塊が岩に当たって白く飛び散る様がなかなかの迫力だ。


岳沢ヒュッテで飲むビールは美味かった。
天気も良いし眠たくなる。
予想外の静かな登山日和、やっぱり穂高はいいなぁ!

降りの風穴で出会った横浜から来たという女性2人組は山おんなになれるかな?

誘い出されて 八ヶ岳

2007年07月02日 | mountains
天気予報の『曇り時々晴れ』に誘い出され、行ってきた先は八ヶ岳!
不安的中、全く晴れませんでした・・・

実は、八ヶ岳に向かう前に大町まで行ったんですよ。仕事終わってから。
以前からやっている北アの縦走路を繋げようと思って。でも夜空を見ていたら晴れそうに思えなくて、Yahooの天気図見ても無理だろう!、「やめだ、やめだ」とUターン。
せっかく北アルプス歩くなら展望が欲しいところ。
実際はどうだったんでしょう?

そんで帰ってくる途中の「みどり湖PA」で眠くなって爆睡。
朝になったらやっぱり曇り空。雨降るかなぁ、降らなかったら休日もったいないなぁと諏訪南で降り、ダメもとで美濃戸へ向かったのです。美濃戸口の駐車場で車を停めてウダウダしていたら、後から来たおじさんに、「美濃戸まで一緒に乗っていきなよ!」と誘われ、ここで八ヶ岳登山決行です(美濃戸口から美濃戸までの林道は凸凹過ぎ。車高のある車じゃないと・・・)。
おじさん、ありがとう! でも今日はギブス靴じゃないけれど、足、大丈夫かなぁ?

6:37 美濃戸出発
7:58-8:22 行者小屋
9:24-9:55 赤岳
11:53 横岳
12:50 硫黄岳
14:02-14:23 赤岳鉱泉
15:18 美濃戸
15:42 美濃戸口着

八ヶ岳中腹からガス被ってる。ホントに晴れてくるのだろうか??
今日は美濃戸から南沢通って、行者小屋へ向かう。



足に不安もあり、ゆっくり行こうと思っていたが・・・あまりゆっくり歩くと返って疲れてしまうらしく自然にいつものペースに。
途中からガスガスの世界に入ってしまって、景色が見られないから仕方がないか・・・


こんな天気でも登っている人は多い。みなさん好きですねぇ。
行者小屋に到着。


スパッツ、ザックカバー装着、靴擦れ対策のテーピング、朝食などなど。装備整えなおして赤岳を目指します。
阿弥陀は展望無いからまた次回。
分岐で躊躇無く文三郎道へ。


けっこうな斜度で直登っぽいが、短時間で高度が稼げるのがいい。まわりの景色は相変わらず真っ白。近くの花を見て楽しむしかない・・・
イワカガミ、イワウメ、キバナシャクナゲetcがいっぱい咲いていました。



9:30頃、赤岳山頂に着いた。百名山だからなのかそれなりに人は多い。
猫の額のような山頂を避け赤岳頂上小屋へ。


小屋から出てきた人を見て・・・・「どこかで見たことある人だなぁ」と思った。2年前に来た時の記憶かな?と自分の中で納得しちゃったが、おっちゃんも「見たことある人だ」と感じたらしい。
実はこの方、普段は富士山須走口の7合目の「太陽館」にいるらしい。たまたま手伝いで来ていたとのこと。
2週間前に、富士山スキーに行った時、行きも帰りもペプシを買ったことを覚えていてくれたのだ。いやぁ~、山の世界は世間が狭い。
しばらく「今日はペプシないよ~」などと談笑し、硫黄岳に向かう。
天望荘までの降りで50人程の人の列・・・。
ひゃ~、こんな天気でも人が多いなぁ。
登り時間で少し貯金できたから稜線ではゆっくり花見が出来ると思いきや、降りで感じた足のピキッという感覚。足痛くなった時、ゆっくりしていたら日が暮れちゃいそう。そうはいっても、ゆっくりしちゃいましたけど。稜線歩きが好きなんで(笑)
やっぱりまだ無理できないなぁ・・・

ガスが左から右へ風と共に流れていた。
雨は降っていなかったけれど髪の毛ビチャビチャ。
時々一瞬だけガスが抜けることもあったが、基本的にはずっと白いままだった。


ツクモグサ、覇気は無かったけれど間に合いました。ツクモグサの毛もビチャビチャに濡れて花に張り付いてました。



ウルップソウも咲き始め。これ位の咲き方が丁度いいのかも。


コマクサはもうちょっとですね。

他にもたくさんの花が咲いていました。

硫黄岳、だだっ広い山頂には人っ子一人もいなく、爆裂火口も見えず・・・
やはり赤岳だけなのか? 人が多いの・・・


赤岳鉱泉まで一気に降っちゃいました。
そんでラーメン食べて北沢経由で美濃戸口まで。
やっぱり1日中晴れなかったなぁ。北アのほうが案外晴れていたりして・・・。

おまけ
台所に忘れ、置き去りにされた水筒達・・・