穂高を観る

2006年09月29日 | mountains
kuroさんに紹介された「Angel Trip 穂高を翔ぶ」を購入した。
槍ヶ岳から西穂高岳の空撮DVD。
やっぱり穂高はいいなぁ。壮大だ。
休みさえあれば毎週のように行っちゃうのにな。
また稜線の細いこと細いこと。
画面で見る限りよくこんなところを登山を始めて1年で歩き通したものだと我ながら思う。怖いもの知らずとはよく言ったものだ。
「無知とは者の哀れなり」(源氏物語のような物の哀れとは違いますョ)といつも思うのだが、これで自分自身が遭難していたら「おまえのことだ!」と突っ込まれそうなぐらい険しい感がある。実際歩いてみると空撮よりも険しさを感じないのだけれど。西穂~奥穂も大小23のピークがあると紹介されているが、そんなに登ったり降りたりした記憶がないのだ。無我夢中だったという話もあるが。
しかしこのDVD、槍ヶ岳にはほとんど触れていない。
何故なんでしょう?一番目立つし絵になるのに。
確かに緊張感ある充実した縦走は南岳以南ではあったが。

買っちゃった

2006年09月11日 | mountains
マイハーネス!ゲットです。
これで北鎌も下ノ廊下もギア的には大丈夫でしょう!
早速、クライミングジムで試し履きしちゃいました。
ロープでハーネスの形を作って・・・・・なんてめんどくさい事考えなくても済むなぁ。
気が楽、気が楽。

下ノ廊下。
すれ違い様にバランス崩した人に掴まれて道連れなんて心配はとりあえずなくなった。
紅葉ピークに重いテント装備で行けそうだ。
今年は通行不可なんてオチはいらないゾ。

桜中学の廊下で立っとれぃ!

2006年09月08日 | mountains
今月は2度も連休がある。普段日帰りか有給で山に出かけているオイラとしてはなんともうれしい9月である。
どの山に行こうかと毎日地図を見ているが1泊2日が可能になるとさらに2泊3日へと欲が出てくるから不思議だ。しかし、現実はあくまでも1泊2日なので2日で行けるすばらしいところを探しまくった。
すると、岩々好きで特にピークハンターではない僕にピッタリの素敵な登山道が!

下ノ廊下

ここの存在を思い出した時は再放送の金八先生の生徒の中で亀梨君の存在に気がついた時に匹敵するほどの発見だった。
ここだ、ここだ!!
電車オタクのハッちゃんではないがトロッコ列車にも乗れるぞよ。
早速下調べに入る。
クルマを扇沢に停めて、始発のトローリーに乗って、ペース配分はこんなモンで阿曾原温泉小屋かな?!帰りは11時頃の欅平発に乗れば最終の扇沢行きのバスにも乗れそうだ。なんて考えて、最後に小屋に登山道の様子を伺うと・・・・・

今年は雪が多くて9月20日頃まで通れるかわかりませんよ。

とのこと・・・・・。
9/23も怪しいところだ。10月の紅葉時期の連休では人が多そうだし、なによりあんな場所で渋滞なぞしたくはないものだ。
洗い直しです・・・・・

北アルプス 個人的な最難所

2006年09月06日 | mountains
日本アルプス全山縦走計画 親不知~焼岳編も槍~西穂まで繋げたことでかなり楽な展開となってきた。後2年の内に達成できそうだ(休みさえ取れれば)。
その後は剣から双六経由の笠が岳、表銀座と東鎌尾根、中央アルプス、南アルプスと先はまだまだ長い。
親不知~焼岳編のトリは今の調子で行けば裏銀座となる可能性が高い。最後が焼岳小屋~西穂山荘とか種池山荘~針の木小屋では「ちょっとぉ~」と思えてしまうのだ(いえいえけっして馬鹿にしているのではなくて)。
以前電波少年でやっていた大陸横断の企画でも最後は華やかなものだった。やっぱり縦走最後は北アルプスの日本橋、槍ヶ岳でしめたいところなのだ。
そう考えると去年槍の穂先に立ってしまったことが悔やまれる。というのも裏銀座から槍を目指しても、現実として未踏を埋める最後は槍ヶ岳山荘ということになってしまうのだ。ということで親不知~焼岳編は百歩譲って西鎌尾根を最後にするが、北アルプス全山の最後は北鎌尾根から槍を最後にしたいと思えてしまった(Mの悪い癖で、また自分を追い詰める)。ロープワークを勉強しなきゃ。
しかし、その前に個人的に最難関と感じているルート部分があった。それは親不知~朝日岳区間(栂海新道)だ。この区間は「マムシ」とこんにちはしてしまう確立が高いと聞いている。恥ずかしながら僕は蛇だけはダメなのだ。マムシ以外のシマヘビであっても見るだけで足がすくむ。高度感あるところより足がすくむのだ。高度感あるところは下を見なければある程度それで対処できるが、蛇という奴は動きやがるからなぁ。見てないとどんな動きを見せるかわからないし・・・。
残雪期に白馬岳から親不知に向かってスキーで行けないかなぁ・・・・・・

西穂~奥穂縦走  小さなストーカー

2006年09月03日 | mountains
8/30
9:58 天狗のコル発
11:20~28 ジャンダルム山頂
12:13 馬の背
12:27~33 奥穂高岳山頂
13:02~35 穂高岳山荘
15:36 涸沢小屋着
8/31
6:30 涸沢小屋発
11:20 上高地着

天狗のコルで休憩していると岐阜県警航空隊 らいちょうⅡ号がパトロールなのか?遭難者の捜索なのか?やってきた。敬礼して手を振ると笑って敬礼で返してくれた(笑)。隊員に余裕があるみたいなのでパトロールなんだと思ったら荷継沢に遭難者がいたらしい。

岐阜県警航空隊 らいちょうⅡ号

この日の西穂・奥穂縦走者は合計13名。奥穂側からの縦走者が大半だ。風雨のためなのか人数は少ないと聞いた。それだけに難易度は上がっているはずだ。らいちょうⅡ号のお世話にならないようにしないといけないと気合を入れて、さあ登りです。
天気も回復の兆し、前線が通り過ぎたのか?
高度感あふれるこの登りは見晴らしがよかった。

振り返ると今までの縦走路が!

畳岩尾根ノ頭は捲いていたのだろうか。どこだかよくわからなかった。



こんな感じの岩場を登っていきます。岩自体はしっかりしているので踏ん張りが利いて楽珍な登り。ただ高度感にビビり、急斜面でもないのに四つん這いで進んだ場所が1箇所あった。

岩場を登りきるといきなり正面にジャンダルムが現れた。先行していた男性2人がジャンダルムの山頂から手を振って挨拶をしてくれた。どうも西穂山頂で誘った手前、気にかけてくれているらしい。ありがたいです。

西穂側から見たジャンダルムはあまりかっこよくない。

ジャンダルムに近づいていくと足元を何かが動いた。昨日に引き続き、またまたオコジョです。こちらを意識しているらしく、周りをチョロチョロ走り回っていた。岩陰からひょっこり顔を出したり、いったん遠くに離れて二本足で立ち上がってこちらの様子を窺ったり、かなり意識されていた。熱烈歓迎なのか?
ずいぶん毛並みがいいがこんな岩しかないような場所で何を食べているのだろう?

ぬいぐるみみたいだ

しばらくオコジョと戯れ、ジャンダルムの山頂へ。

目標達成の瞬間です!これでオイラもジャンダルマー!!

ジャンダルム山頂から見た標高国内3位の奥穂

しばらくジャンダルム生活を満喫しロバ耳へ。ロバ耳にも登って行こうとかと思ったが次回のお楽しみにした(また行くのか?)。ロバ耳からの下りは行く前までかなりビビっていたポイントだったが鎖があったから楽だった。今回はどこでも遠慮なく鎖を使いましたので。
難無くコルまで降り、登り返す。振り返ってジャンダルムを見上げるとかっちょいい雄姿が!

カメラを用意する間にガスがかかってしまった。

登りきると最後のアトラクション、馬の背が見えた。

視界が利きません。

ここで再びガスに見舞われたが、高所恐怖症の僕には都合がいい。楽勝で馬の背クリアです(笑)
あとは奥穂に向かってただひたすら進むだけ。
そしていよいよ奥穂のピークの祠が見えた。その向こうには北岳バットレスや北鎌尾根がぼんやり見えた(ウソです。笑)。
着きました。激しい雨のお出迎えです(くっそー!)。




奥穂、ちょうど1年前にも来たが今年も絶景は見られなかった。
穂高岳山荘で昼食を食べ、ザイティングラードを下る。その途中でまたしてもオコジョと遭遇。いままで一度も見たことが無かったのに今回はどうしてこんなに遭遇するのだ?
平日で登山者が少ない為なのだろうか・・・・・

まさかコイツ、西穂登山口からつけてきているんじゃないだろうな?

涸沢小屋に着きソフトクリームを食べ、食事の時には生ビールを飲み、気分はすでに山岳リゾート。
翌日、涸沢から出発。横尾から上高地までの道のりは相変わらずかったるい森林浴。
来月は涸沢の紅葉です。またここを歩くんだなぁ・・・・

西穂~奥穂縦走  ここが地獄の3丁目?

2006年09月02日 | mountains
8/30
7:58 西穂高山頂発
8:43~47 間ノ岳山頂
9:28~35 天狗岳山頂
9:52 天狗のコル着

今回、国内一般登山道で1,2を争うほどの難コース(破線になっている地図もあるが)を縦走するにあたって作戦を練っておいた。浮石注意、三点確保は言うまでもないが、

1.休憩は5分以内。
2.常にシャリバテ気味の状態を保ち、満腹感や空腹感を感じさせない。
3.高度感を感じ、恐怖する場所では視野をあえて狭くする。登山道が広く滑落の危険が少ない(?)ところではあえて谷底を見る。

1は緊張感を持続させるためのものだ。長い時間休憩をすると緊張感が抜け、休憩後の歩き始めが危険だと感じたからだ。サッカーでいう試合開始後5分間の失点を防ぐというものと同じ(?)かと。体力に任せ、小マメな小休憩だけで乗り切ると決めていた。
2は集中力を最大限引き出すため。満腹感や空腹感は集中力に欠ける。行動に影響が出ないぐらいで、少し空腹感を感じる程度が一番集中力が出せると個人的に普段から感じている。
3は高所恐怖症を自覚しているからだ。本来であれば視野は広いほうがいいのだろうが、高所の恐怖で筋肉が硬直してしまえば余計に危ない。落石があってもそういうところは逃げ場がないので見つけたところで結局命中するだろう。100%の安全が無理なら80%でもという苦肉の策である。そして少しでもゆとりのあるところではあえて高度感を味わい感覚をできるだけ麻痺させるということである。
これらの方法が良いか悪いかはわからないけれど、そこまでしなくても大丈夫だった。途中で止めました(笑)

これから行く縦走路

西穂からハイマツの間を抜けてしばらくすると早速急下降が始まった。天狗のコルまではガラガラゾーンと聞いており一番恐れていたところだ。実際遭難者はジャンダルム周辺ではなく間ノ岳周辺で多く出ている。先ほどまでのガスと雨の影響で足元はやや湿っており、滑りやすい。より注意しなければ。間ノ岳山頂を過ぎたところで不安定な岩のやせ尾根を通らなければならず緊張。難所と言われている間ノ岳下りの鎖場の方がまだ余裕があった。

間ノ岳登りの登山道
間ノ岳山頂

そして間天のコルに着いた時、西穂山頂で遠くに見えていた分厚い雲が頭上に来ており雨が激しく降ってきた。雨具を身にまとい、進む先は逆層スラブの登り。

天狗岳の登り、逆層スラブ

ビチャビチャに濡れた岩はちょっとしたウォータースライダー状態。なにもここで激しく降ってこなくてもいいだろう!と思ったが仕方がない。雨雲が来ることは承知で縦走しはじめたのだ。この先、手に負えなさそうな状態であれば岳沢に下るしかない。濡れた間ノ岳を越えて西穂に戻るのも危なそうだ。
逆層スラブは噂では聞いていたが濡れた状態ではやっぱり滑った。フリクションも効かないわけではないがドライ状態の数十%の効き具合だろう。鎖を持ちながら進めばなんてことなかったが、登りきった後のトラバースはミスるとウォータースライダーに乗って間天のコルまで落ちちゃいそうだ。幸い手がかりはしっかりあったので問題はなかった。
しばらく岩場を登っていくと見たことのある方が息子さんを連れて奥穂側からやってきた。山スキーでお馴染みの金沢の早川先生です。5月の白馬大雪渓でもお見かけし、今年は二度目のご対面です。一方的な対面ではあるが。緊張感のある場所だったので挨拶だけして先に進んだ。
天狗岳山頂に着く頃には奥穂側からの登山者と擦れ違うことが多くなっていた。ここら辺りが中間点です。

天狗岳山頂、道標越しに槍ヶ岳

天狗岳山頂を過ぎ最初の鎖場にさしかかると稜線の飛騨側に登山者の荷物が散乱していた。鎖場の向かって右半分は岩盤がきれいに剥がれ落ち、荷物の汚れ具合からも最近遭難があったのは一目瞭然。お花まで供えてあった。
お悔やみ申し上げます。
そして天狗のコルに着いた。

つづく

西穂~奥穂縦走  Life Card

2006年09月01日 | mountains
8/30
5:38 西穂山荘発
6:22 独標
6:49 ピラミッドピーク
7:33~58 西穂高山頂

朝起きると外はガス。とりあえず西穂には登ろうと出発する。昨晩山小屋のスタッフに聞くとこの日奥穂に向かおうとしている命知らずなパーティーは僕を含め3組という。すでに単独行の男性が奥穂に向かって出発しているとのこと。
西穂の山頂までは大小いくつものピークを越えていく。独標以降は岩稜帯になる。

独標ではカメラを構えた男性がいた。話を聞くと昨晩から独標にいるという。凄すぎる志である。
ピラミッドピークで2人の男性に追いつく。彼らは西穂山頂までだという。しばらく休んでいると一人の単独行の男性が下山して来た。奥穂まで行く予定だった人だ。天気が悪く断念した様子だ。やっぱりダメか・・・と感じた。

西穂高山頂に向かう。始めはピークの数を数えながら登っていたのだが途中からわからなくなる。ピークの数が多すぎるのだ。しかし、岩々な登山道は楽しい。途中一枚岩をクライミングっぽくよじ登ったりしてみる。
そしてこんな岩が目に入った。


小便小僧ですか?
どのように風化すればこのようになるのでしょう?さみしげなその姿に助けに行きたくなります。


穂高岳と名のつく山で西穂だけが3000mないのですね。遠くに笠が岳が見えます。
ここで奥穂までの縦走をするかしないかの決定をしなければいけません。悩んでいると雹がパラパラ・・・・
下山しようという雰囲気の中、2人の男性が山頂に到着。ヘルメットをかぶり、奥穂まで行く気マンマンである。
「今日は天気いいほうだよ!悩んでいるなら行きましょう!!」
と言うが信用してよいのやら?
その時点で西穂に辿り着く間よりは天気もよくなって、槍の穂先や歩いてきた登山道も見えていた。



しかし風上には分厚い雲がまだある。
どうするオレ?
え~い、行こうじゃないか!!
「奥穂に向かって出発」のカードをきりました。

つづく