ボヘミアと呼ばれたチェコは昔から商業、工業が発展して文化的にも進んでいてボヘミアンと呼ばれた文化人が多く生まれた。そして長年オーストリア帝国の支配下にあったので、知識層はチェコ語もドイツ語も読み書き出来たという。ドイツ人とチェコ人の関係は複雑らしい。憎み合っているのに、愛人にしたり友人として扱う相手もいるのはゲッベルスとヒトラーを見ると分かる。
それにチェコは現実的に重要な国だった。ナチスドイツの初期にはチェコ製の戦車が多く使われてフランス侵攻にも重要な役割を果たしたし、チェコの軽機関銃は武装親衛隊に多く使われた。ドイツのМG34や42は国防軍に優先的に回されて、武装親衛隊はエリート部隊以外は使えなかったという。つまりチェコはドイツにとって役に立つ国だった。だからヒトラーはラインハルト・ハイドリッヒという最も冷酷で有能な「野獣」に支配させた。彼は「絞首人」と呼ばれるほど徹底的な弾圧を加えておきながら労働者、農民を保護する政策を打ち出して彼らの支持を得た。当時のチェコは階級差が激しくて知識層と庶民の隔たりは大きく、反ドイツは知識層だったので分断させたのだ。それを知った英国はハイドリッヒを暗殺させ、激怒したヒトラーにチェコ人の大弾圧を実行させてチェコ人の憎しみを煽るのに成功した。敗戦後にチェコから逃げる多数のドイツ人は民間人でありながら殺害、暴行、略奪されてドイツ人はそれを忘れていない。
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