大工風の道

仮設住宅ってわけでもないけれど、
ま、しばらくここで様子みようっと。

悪夢

2009年06月27日 | 見聞録

どうしたことか。
あたりは瓦礫の山。
いったいなにがあったのかわからない。
とにかく、そこにあるのは自分も含め、ボロボロになった人たち。

なにはともあれ、生きていかないと。

まず、食べ物が要る。
水が要る。
身にまとう物が要る。

そして、雨風をしのぐ屋根が要る。

コンクリート?そんなのないよ。
よし、その石を掘り出して基礎にしよう…。

JAS規格の材料?なんだそりゃ。
隣のじいさんが、どこかで廃材拾ってきた…。
使える…。

ボロボロに錆びた鉈(ナタ)を発見!
藁を集めて縄をなって…。
よし、これで家が建てられる!
よかった!

ところが…!

建築基準法により、確認申請が必要。
あちこち駆け回って申請費用集めて、図面ほか、書類提出して、どうにかOKでるものの、その大工が「建設業許可」をとっていたがために瑕疵担保保険が強制加入!
今度は免責項目を覚悟で3条申請。保険の返事がくるまで着工できない。

そうこうしてる間に、となりのじいさん死にました…。



と、ここで目が覚めるのだが…。

昔から伝わる方法で、家を造りたいと思って、いろいろ動いてみる。

かならずぶち当たる…。
木材の乾燥がどうとか、壁の強度がどうとか…。

ある仕事仲間の大工が言ってた。
彼は、「不謹慎だけど…」と前置きをした上でこんなことを言った。

「もし、大災害とかで、世の中がめちゃくちゃになったとしても、そのとき、そこに残ったもの、そこで調達できるもので、家を建てることができる…、そんな大工になりたい…」。

実は、自分も同じことを考えている。

もちろん、大災害など、起こらないほうがいいのだけど、ただ、もし、本当に、あたりが焼け野原になったとイメージしてみる。


今、当たり前に、工業製品にあふれて、お金をだせば手に入る。

便利になったのと引き換えに、人間は生きる知恵をどんどん失っていく。

残していかんといかんのです。
人の力だけで生きていく知恵を。

なんで、こんなややこしい世の中になってしまったのだろうな。

明石海峡の夜景を前に、今、この時代に生きているという事実とのすり合わせに苦戦する自分が居た。

純粋に綺麗な夜景なんだよな。
ETC割引がどうとかこうとか…、ああ、ちっちゃい人間だ、自分。


納骨

2009年06月27日 | 日記


祖母は、永く暮らした、この村の一角で、土に還っていった。



幼い日、砂のいっぱいついた小さなサンダルがあった玄関の土間には、黒い革靴。


叔母が浜で採ってきたテングサ。
帰り持たしてくれたのは、それでつくったトコロテン。



ばあちゃん、お疲れさん!


また会いにくるよ。

色即是空

2009年06月27日 | 屁理屈と愚痴

そうか、そういうことだっただな…、と。

これを観念したというのか、安心したというのか。

夏休みの宿題をギリギリまでできないのは遺伝だったのか…。


先日他界した祖母の納骨で、岡山県倉敷市まで両親を乗せて仕事用軽バンを走らせた。
前夜入りにしたので、あまりに遅く着くのも申し訳なくETC1000円で、とはならなかったが、途中姫路西ICで一旦おりたりしながら100キロ未満の通勤割引などを駆使して、叔父の家へたどり着いた。亡き祖母の家は同じ集落内。
朝、目覚めた私に手渡されたのが「般若心経」の写経用の紙。

「え?これって、葬式のときにお坊さんが渡してくれたやつ!」

たしか先月の葬式のときに、10枚ほど、お坊さんが「これをみなさんで書いてください、納骨のときまでに…」と渡してくれた、ありがた~い紙なのに。

昨夜たしか私の父が1枚書いてた…。
で、なんでももう1枚残ってた?

納骨秒読みになってから、こりゃ大変だ、ってことで、誰も書く人いないから(そのとき手が空いてるの私くらい)お前書け!って具合だ。
もっとも時間がないから、マジックインキだったりもしたけどねえ(苦笑)。

まあ、おかげさまで、写経体験させていただきました。
こういうあらたまった紙に書くのは初めてだったので、ありがたいことである。


☆今日の一言

借金と写経は計画的に~